2.始動 - play it -
友達が死んだ。
他殺の可能性が高い。いや、絶対に他殺だと思う。
デスゲーム。鬼ごっこ。
笑い話では終わらない出来事。
命懸けの一ヶ月が始まる。
『むっちゃん、今日も欠席みたいだねー』
『インフルエンザかなぁ?』
『いやいや、この季節はないだろ』
友達思いか、単に誂っているだけなのか。
教室は村井(名:むっちゃん)の話題で盛り上がったりしていた。
あの44通目の悪戯手紙が届くまでは…。
『ノアー。今日は例の手紙届いてた―』
言葉はソレ以上出ることはなかった。
彼女が得体の知れないモノを見たような、殆ど泣き顔に近い顔をしていたから。
『け、ケイト君…』
渡された手紙にはこうあった。
『1人目。君達が事前に逃げなかったから悪いんだ。僕は忠告したよ?その結果がコレだ』
付属の写真が一枚。
信じ難い…。村井が…死んだ!?いや、これは―。
『もう、どうなってんだよ。畜生ッ』
村井。路地裏。刃物。死体。友達。死。Death。嗚呼…。
様々な単語が俺の脳裏を過る。気持ちが悪い…。
よく見たら教室の奥、村井のロッカーに紙袋がひっそりと。
所々赤黒くて鉄のような匂いがする。どうして、こんなものに気づけなかったんだ…。
『一ヶ月。一ヶ月間、鬼の手から逃げ切れ。同じ悲劇が繰り返されないように』
後々、村井の机の中から大量の手紙が見つかった。
今日からが始まり。俺達は生き残れるのか―。
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『デスゲーム始動』