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12 Gates City  作者: 澤群キョウ
05_LAWFUL-Party 〈善なるひとびと〉

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26 貴重品と、大荷物

 やってきた誰かが顔見知りだったからか、ニーロはあっさりと家の中へティーオを招き入れてくれた。

 中には他に誰の影もない。ティーオは心の中でほっと安堵の息をついていた。ニーロといつも一緒にいるベリオは口やかましくて苦手だったからだ。


 家の中はこざっぱりとしていて、余計なものが何もない。

 お客がきょろきょろしている間にニーロは部屋の奥にある小さな扉の向こうから椅子を出してきて、座るように勧めた。


「何の用ですか?」


 辺りは既に薄暗く、どこからかシチューのような匂いが漂ってくる。

 ニーロの家の中には食事をした形跡がない。そもそも目の前に座っている魔術師が普通の人間のようにものを食べるのかどうかすら、ティーオにはよく分からなかった。


「ええと、その……」


 何から話すべきか、何を話すべきなのか。何も考えないまま、あれは確かニーロの家だという思いだけで扉を叩いてしまっていた。


「用があったから来たのでしょう? 今日は運よく家にいました。留守にしている時間の方が長いですから、僕に用があるのならば今済ませるべきです」


 灰色の瞳に見つめられてティーオが思ったのは、ああ、ニーロだなあ、というどうしようもない考えだけ。

 ぼやっとした視線を自分に向ける突然の来客に、ニーロは訝しげな表情を浮かべる。


「カッカー様からなにか言付かったのですか?」

「いや、いや……違うんだ。実はその、お願いがあって」


 そう、「ここでなら」という思いがあって扉を叩いたのだ。

 ニーロは何枚もの帰還の術符を持っているという噂を耳にしていたから。彼は術符の研究をしていて、何十枚も集めているらしい、と屋敷で誰かが話していたはずだった。


「ニーロさんに『帰還の術符』を買ってもらいたいんだ」


 ここでティーオは、しまった、と舌打ちをした。

 買ってもらおうとしている術符は、よりによってまだ下穿きの中にねじこんだままだ。突然やってきたひよっこ探索者が尻の間に挟んでいた生暖かい術符を、目の前の冷たそうな魔術師はどう思うだろう?


「わかりました。ではまず、見せて下さい」


 仕方なく、ズボンの中に手を入れて探っていく。術符は確かにあった。くしゃくしゃになった状態の青い紙に汗をかきつつ、ニーロへと差し出していく。

 灰色の魔術師は何も言わない。黙ってそれを受け取り、ほんの少し眉をひそめたものの、すぐに表情を緩めて術符を軽く指ではじいた。すると術符はピンと伸びて、ティーオがつけた皺はあっさりとなくなってしまった。


「本物ですね」


 術符を裏返し、あらゆる角度から確認して、ニーロは微笑む。

 

「では、一万シュレール支払いましょう」

「えっ? 一万?」


 素っ頓狂な声をあげるティーオに対し、ニーロの表情は変わらない。当然だろうと言わんばかりの微笑みを浮かべたまま、じっと突然の来客を見つめている。


 フェリクスとアデルミラは「帰還の術符」を譲ってもらって、十万シュレール返すよう約束させられていたはずだ。ニーロが相場を知らないはずがなく、ティーオの心の中には混乱が満ちていく。


「普通は十万くらいするんでしょう?」

「十万シュレール欲しいのならばその辺の道具屋に買い取ってもらえばいいでしょう。西側の店ならば他よりも高く買い取ってくれる傾向があるようですよ」


 これまでに最高で十二万の値がついたこともあるのだ、とニーロは語る。

 口を開いたまま言葉を返せずにいるティーオに、魔術師はまた笑ってみせた。


「なかなか大胆なことをしましたね。安心して下さい、僕はこの術符について誰にも話しません。買い取りする、しないに関わらず」


 ニーロの年齢は十六だと聞いている。ティーオよりも一歳年上なだけだというのに、この余裕、洞察力は一体なにごとなのだろう。

 術符の買取りを頼んだだけなのに、すべて見透かされている。他の仲間に黙って独り占めしたことも、換金について誰にも知られたくないという思いも。


「いやでも、いくらなんでも一万って」

「そうは言いますが、十万もの現金を運ぶのは大変ですよ。重たいですし、鼻の利く人間がすぐにかぎつけます」

 だから一万くらいがちょうどいい、とニーロは言う。

「持ってみますか?」


 ティーオの返事を待たず、ニーロは階段を上がっていってしまう。そしてすぐに、重たそうな白い袋を抱えて降りてきた。

「これで大体一万シュレールくらいですね」


 袋の中身は金だった。金貨も銀貨も、銅貨も混じっている。

「全部金貨、じゃないんだ」

「金貨ばかりだと不便ですから、道具を売るときは混ぜてもらっています」


 金貨一枚は百シュレールなので、金貨だけならば百枚で済む。だが確かにニーロの言う通り、普段の買い物に金貨は向いていない。

 ニーロやマリートのような有名人ならば、ふところから出てくる貨幣がいつでも金色だったとしても誰も疑問に思わないだろう。むしろ、当然だろうと思う。探索の達人として知られた有名人(セレブリティ)なのだから。


「この街の商人たちはとても物覚えがいい。金貨ばかりを使っていれば噂になります」

「それも、そうだろうけど、さ……」

「持ち帰るならその一袋くらいがちょうどいいですよ」

「いや、いやあのさ。一万ってやっぱりちょっと、安くない?」

「一万シュレールは大金でしょう。どこかにいい隠し場所があるのですか? 誰にも知られたくないのならばそのくらいが妥当だと思います」


 ティーオは思わずニーロを見つめた。

 魔術師は大真面目な顔をしており、初心者に毛の生えた程度でしかないティーオに「ふさわしい」額について真剣に考えてくれているような気もする。

 だが、不当に安く買いたたかれているようにも思える。いや、不当に安く買いたたかれている。ニーロは術符を集めているのだから、破格で手に入りそうだと内心喜んでいるのかもしれなかった。


 しかしニーロの言う通り、十万シュレール得たとしてもどこに置いておくのかは頭の痛い問題だ。すべてが金貨だろうがそうでなかろうが、大量の貨幣が場所をとるのは間違いない。

 見つかればどうしたのか問われるだろうし、盗まれる恐怖に怯えながら暮らす羽目になる。


 うんうん唸って頭を抱えもがき苦しむティーオを見て、ニーロは珍しく声をあげて笑った。

「ふふふ、冗談ですよ。いくらなんでも一万は安すぎます」

 魔術師が二階から持ってきたは金の袋だけではなかった。シンプルな白い鞘におさめられた短剣が袋の後ろに置かれていて、ニーロはそれを手に取るとまた口を開いた。

「現金で持っていくならばこの程度がいいと思っているのは本当ですよ。金は人の心を狂わせます。カッカー様の屋敷には誠実な性格の者が集まっているとは思いますが、だからといって全員を信頼できるかというと違うでしょう」

 ニーロは鞘から剣を抜きだし、くるくると回してみせる。

「この短剣は僕が『白』の二十層で見つけたものです。迷宮の奥深くには魔力の込められた道具が落ちていることがあります。これもそうです。とても軽く、鋭い。持って念じれば水を浄化する魔術も使えます」

「魔術が使える?」

「ええ。少し体力を消耗しますが、魔術の心得がない者にも使えるという素晴らしい代物なのです。使うにはコツがいりますから、時々練習するといいでしょう。浄化の魔術が使えれば、水が足りない時に役に立ちますよ」

 更にニーロは部屋の奥に置かれた机の引き出しを開けると、中から小さな袋を取り出してきてティーオに手渡した。

 袋の中を覗いてみると、小さな棒状の炭のようなものが入っている。

「これは?」

「僕が作ったものです。何度か試して上手く機能したので心配ないでしょう」

 この炭で線を引くとその中には魔法生物が入って来られなくなる、とニーロは言う。

「夜明かしの時にもってこいの道具ですよ。ただし時間が経つと少しずつ薄くなっていくので、あまり長時間は使えません」

「そんな便利なものがあるなんて、初めて聞いた」

「そうでしょうね。人に見せたのは初めてですから」


 全部で七万シュレール程度の価値はあるだろう、と魔術師はティーオに告げた。

「相場よりもまだ少ないですから、また何か使えそうな物があればあなたに譲りましょう。もしもリクエストがあるならば聞きますよ」


 それは現金で要求しても構わないのか、とティーオは悩む。

 確かに便利な物を譲ってもらったが、なんとなくまだ騙されているような気もする。


 結局悩んだもののいいアイディアは浮かばなかったし、現金を求めることもできずにティーオは帰路についていた。

 渡された短剣は軽く、腰にさげていても全く重みを感じない。

 炭の入った小袋も腰の小物入れの中に収まっている。

 しかし、抱えた現金入りの袋は重たかった。歩く度にチャラチャラと音が鳴って、耳ざとい盗人が聞きつけてやってくるのではないかという不安がティーオを襲う。


 ニーロの家からカッカーの屋敷まで、急いで歩けば十分もかからない。

 だが、この日のティーオにとっては長い長い道のりだった。

 屋敷に辿り着いてからも、不安は結局晴れない。大勢が集っている食堂の横を通り抜け、階段を登って自分の部屋へ戻り、同室の誰かがいるならば彼らに気付かれないように荷を仕舞わなければならないのだから。


 食堂には大勢の新米探索者が集っていて、フェリクスとウィルフレドの姿もそこにあった。

「ティーオ、お帰り」

 何人かが声をかけてきて、ティーオはそれに引きつった笑顔で応じる。

 足早に廊下を、階段を駆け抜け、ようやく自分の部屋へ滑り込む。


 もたもたしてはいられない。

 一万シュレールもの大金を、誰にもわからないように隠さねばならない。


 他人の荷物に触れるのは当然ながら、許されることではない。

 そんな決まりがカッカーの屋敷にはあるが、その決まりを誰もが必ず守るとは、限らない。


 ここでようやく、ティーオはニーロに深く感謝をしていた。

 どう考えても、十万シュレールもの現金があったら邪魔だ。隠しようがない。そもそも重たくて持ち帰れなかっただろう。


 現金をいくつかの袋にわけて、自分に割り当てられたベッドの下だとか、部屋の隅に用意されているロッカーの奥底にしまい込んでいく。

 服の中、背負い袋の底など、隠し場所はどうしたって限られている。

 最後に、いつも使っている財布の中にいくらかを入れて、ティーオはやっと額を濡らしていた汗を拭いた。

 足が震えている。手も、震えている。

 疲れ果ててベッドに身を投げ出した途端、部屋のドアが叩かれる。


「ティーオさん、アデルミラです」

 鈴を鳴らしたかのような少女の声に、ティーオは慌てて飛び上がった。


 金に気を取られ過ぎて、すっかり忘れていた。大切な、眠れる姫君のことを。


「アデルミラ、ごめんごめん。様子を見に行こうと思ってたんだ」

「そんなに慌てなくて大丈夫ですよ。お仕事に行っていたのでしょう? 夕食はもう済みましたか?」


 お仕事、という表現の優しさに少年はふっと笑った。

 屋敷に集う探索者たちは、いや、探索者になりたくてやってきたまだ何者にもなり切れていない者たちは、昼間姿がなくとも迷宮に足を踏み入れているとは限らない。

 

「まだ、なんだ。でも先に様子を聞きたい。あの子は目を覚ました?」

 金の事で頭がいっぱいだった自分を恥じつつ、ティーオは顔をカッカと熱くさせながら問いかける。

 アデルミラの返事は、否。黙って首を横に振り、寂しげに微笑んでみせるだけだった。

「そっか」

「呼びかけてみたりしたんですけれど、反応はないんです。お水は飲ませています。あんまり弱ってもいけませんから、癒しもかけています」

「いいんだっけ、それって」

「問題ないと思いますよ。だって、彼女はもともと迷宮の中に倒れていたんですから」


 アデルミラの部屋へ入れてもらって、ティーオは眠り続ける少女の頬をそっと撫でた。

 顔色はそう悪くはない。今にも目覚めて、どんな色の瞳をしているのか見せてくれそうなのに。


「ありがとうアデルミラ」

 神官の少女は優しげに微笑みを返してくれる。

「何かお礼をしたいんだけど」

「そんな、必要ありません。……ああでも、もしも探索に行く時に力を貸して頂けたら嬉しいです」


 可憐な花のような微笑みに、ティーオは頬の力を思い切り緩ませていた。

 今日手に入れた術符は、アデルミラに譲れば良かったのかもしれない。そうすればもしかしたら、彼女との間に特別ななんらかが生まれていたかもしれないわけで――。


 こんな下世話な思いに追われつつ、ティーオは屋敷の階段を降りて行った。

 さすがに腹が減っている。おかしな連中との探索は緊張感あふれるもので、神経が随分擦り減ってしまっていた。

 

 屋敷での食事は、自分達で作ることになっている。

 だが大抵の者は、食事を作る時には少し多めに用意するよう心掛けている。余った食事は、今日何も得られなかった者へわけてやるのだ。誰が始めたのかはわからないが、そんな「思いやり」を持つよう伝えられるようになっていて、全員が可能な限りこの教えを実践している。

 ティーオは今日、誰よりも「得た」人間だったが、最も疲れ果てている者でもあった。

 今日だけは他人の善意にすがろう。明日は必ず、返すようにしよう。そう思いながら、大きなテーブルに並べられたあれこれをもらっていく。

 ティーオの顔に浮かんだ疲労の濃さに、誰も何も言わない。

 フェリクスは心配そうに声をかけ、ウィルフレドも肩を叩いてくる。


 小さなパンと、ぬるくなったスープ、兎肉の煮込みなどを腹の中に入れてようやく、ティーオは心を落ち着けていた。

 探索はいつでも緊張感に満ちたものだが、誰もが欲しがる貴重品を、大金を運ぶのも相当に気を遣うことだった。

 ウィルフレドへどんなタイミングで礼を渡せばいいのか、そもそもいくら渡せばいいのかもよくわからず、ティーオの頭はパンク寸前まで追い詰められている。


「大丈夫かティーオ。顔色が良くない」

 同室の仲間であるフェリクスは、昨日まで「緑」へ探索に出掛けていた。

 ニーロとマリート、それにウィルフレド。相当な手練れであろう人々との探索はどんな風だったのか、聞いておきたいが今日はもう、無理だ。

「探索に行っていたのか?」

「うん。たまたま知り合った人達と一緒に行ったんだけど、うまくいかなくて」

 フェリクスは気の毒そうに目を伏せる。

「前回も酒場で出会った連中と一緒に行って、置いて行かれたんだろう? 仲間選びはもう少し慎重にした方がいいんじゃないか?」

「まったくだよ」


 あまりえり好みしていると、探索になどいつまで経ってもいけない。

 そう考え、ちょうど良さそうな相手がいればついて行っていた。

 何事も経験。ティーオはそう考えていたが、今日は「経験しなくてもいい」こともあると知った。


「今回はだいぶ反省した」

「良かったら次は一緒に行こう。それで俺に色々と教えてもらえると嬉しい」

「アデルミラもそう言っていたよ」


 フェリクスは真面目そうだ、とティーオは思う。

 アデルミラには癒しの力があるから、断る理由がない。


 二人はきっと、長い間共に探索をしていくのだろう。

 アデルミラのような存在がパーティの中にいるのは、なかなかいいんじゃないかと、ティーオはニヤリと笑う。


 食事を終え、裏庭で体を洗って、ティーオはようやく自分の部屋へと戻っていた。

 フェリクスとウィルフレドも自分のスペースを整頓し、床に就こうとしている。


 明日はどうするか、ティーオはベッドに倒れ込みながら考える。

 一日休んで、ゆっくりしたい。


 目を閉じ、眠りに身を委ねようとした少年を、再びのノックが引き戻した。


「ティーオはいるかな?」


 部屋の中に入ってきたのは、樹木の神官であるキーレイだった。

 神殿に使える者の中でも相当な力を持っていて、カッカーの信頼も厚い。そんな彼が何故自分を訪ねてきたのか、すっかり回転が鈍くなったティーオの頭にはまったくわからなかった。


「どうかしたんですか?」

「あの少女がどうなったか、気になってな」


 ティーオの願いを無碍に断って、胸が痛んだのだと神官は言う。

「まだ意識が戻っていないのか」

 ティーオと共にアデルミラの部屋を訪れ、キーレイは少女の手を取り、祈る。

 

 柔らかな緑色の光がうっすらと少女の体を包んでいく。

 それが癒しの力なのだと、ティーオにはすぐにわかった。


「請求はしないよ」


 キーレイは自嘲気味に笑い、ティーオの肩を力強く叩く。


「探索は確かに自己責任だが、ティーオのように『救いたい』と思い、実行する人間を我々はもっと支援すべきなんだろう」

 

 だが、無制限には受け入れられない。

 キーレイは苦しげに、このことは我々だけの秘密だ、とだけ言うと神殿へと戻って行った。


 少女はまだ、目覚めない。

 同室であるアデルミラは、いつもの優しい表情を浮かべて「任せて下さい」と笑ってくれた。



「善性か……」


 ドレーンたちも少しばかり強引なだけで、本来は「良い」人間なのだろう。

 

 迷宮都市に集う者はみな、命知らず。

 狙うは莫大な富か、未曽有の強さか。

 

 大勢が自分の欲望のために生きる街。


 そう呼ばれているラディケンヴィルスだが、そう捨てたものでもない。



 ティーオは不思議な満足感に包まれながら、硬いベッドの上で目を閉じ、眠った。

 

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