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12 Gates City  作者: 澤群キョウ
03_Special Treatment 〈救いの手〉

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16 緑の道

 突然の申し出に、ニーロも驚いたのか目をいつもより少し、大きく開いている。


「お願いできませんか? 何しろ我々は素人で、自分たちだけで行くにはまだまだ力が足りない。だが、揃って金を稼がなければならない事情があります。この二人は大きな借金を抱えていて、私はまったくの一文無し。着替えの一枚も買えなくて困っています」


 朝の稽古が終わり、太陽は最も高いところまで昇って燦々と輝いている。

 樹木の神殿の庭に生えた木々と花たちは、かすかな風に揺らされて小さく葉を鳴らしていた。


 勝手に名を出されたフェリクスとアデルミラは戸惑うばかりで、視線をニーロとウィルフレドの二人の間で彷徨わせている。

「それでニーロに一緒に来てくれって? いくらなんでも図々しいだろう」

 ベリオは責めるような声をあげたが、ウィルフレドは不敵な笑みを浮かべたまま、動じた様子もない。

「探索を成功させるために必要なのは、まずは仲間選びなのでしょう? あなたと行けば失敗はなさそうだ。この街で一、二を争う腕のいい魔術師だと聞いています。ニーロ殿、共に行って頂けないでしょうか?」

「……いいでしょう」

 ニーロの口から飛び出した言葉に、ベリオは驚いて口をあんぐりと開ける。

「なんだって? ニーロ、今なんて」

「いいでしょうと言いました」

 こともなげに魔術師の青年が答え、ウィルフレドは満面の笑みを浮かべている。

「実にありがたい! フェリクス、アデルミラ、この機会を存分に生かさなくては」

「え、あの、いいんでしょうか? それにその前にお話ししたいこともありますし」

 アデルミラはおろおろとした様子で散々視線を彷徨わせて、最後にすがるようにしてフェリクスを見つめた。

「なんでしょう。重要な話ですか?」

「いえ、その……『黄』の迷宮で助けていただいて」

「礼は先程してくれたでしょう。これ以上は結構です。それに、あなた方は対価を払うと約束しました。あれは取引ですから、そもそも礼をする必要はないのです」

 

 ニーロは腕のいい魔術師であり、大勢が彼と共に探索へ出かけたいと願っている。アデルミラもフェリクスも、カッカーの屋敷に集う面々からそう聞かされていた。

 しかし、彼が来てくれることは滅多にないのだとも聞いている。

 気紛れであり、余程付き合いの深い者の頼みでなければきかない。カッカーとヴァージ、マリート、樹木の神官であるキーレイ。誘いをかけられるのはこの四人程度だろうという話だった。


 それが、今日初対面であり、出自も実力もまったくわからない相手であるウィルフレドの頼みを聞き入れてくれるという。しかも、見るからに頼りない、素人丸出しのフェリクスとアデルミラも同行して良いという。


 ニーロの返事を聞いて喜んでいるのはウィルフレド一人だけだ。アデルミラとフェリクスは戸惑い、ベリオは苛立っていた。


「本当にこいつらと行くつもりなのか?」

「ええ」

「いつから初心者のお守りなんかするようになったんだ、お前は」


 ニーロは顔色一つ変えず、ベリオにこう答えている。


「仲間探しをしなさいと言ったのは僕です。彼らは早速それを実践し、僕には今、急ぎの用事はありません」

「俺は行かないぞ」


 子供の様に拗ねるベリオから視線を逸らし、ニーロはアデルミラたちへと振り返る。


「では、準備をしましょうか」

「なら、俺も行こうじゃないか」


 庭の隅から声をかけてきたのはマリートで、ニーロの隣まで歩いてくるとニヤリと笑った。


「ニーロと俺がいっしょなら、二日か三日くらい行けるだろう。いい経験になる」

「迷宮の中で夜明かしをするんですか?」


 アデルミラもフェリクスも、迷宮の中に寝泊まりした経験はない。そんな挑戦をするのは、「橙」辺りでもっと練習を積んだ後の話だろうと二人は考えていた。


「『橙』よりは『緑』の方が空いている。ちょうどいい訓練になるだろう」

 マリートはそう言って、小さく微笑んだ。


 彼は魔法生物の肉を捌き、調理が出来るという。調理は荷物の量を減らすために必要不可欠な技術だった。調理ができなければ荷物が保存食で圧迫されてしまう。荷物の重量は探索の成否に大きく関わる。特に戦利品と食料の配分は頭を悩ませる問題なのだという話をフェリクスたちは最初に聞かされていた。


 魔術師と共に行く。ニーロは、スカウトの技術も持っている。

 マリートは剣を扱い、迷宮の中での食料や戦利品の調達に長けている。

 そして、ウィルフレドだ。彼については何もわからない。しかしどうやら、相当な剣の使い手であるように見受けられる。


「アデルミラ、行こう」


 ウィルフレドの言う通り、「またとない幸運」と捉えるべきだ。フェリクスはそう心に決め、隣で困惑する少女へと力強く頷いてみせた。


「こんなチャンスはきっと二度とない」


 アデルミラはまだ不安げな様子ではあったが、やがてこくこくと小さく頷き、フェリクスへ向けて微笑む。


「では、準備を始めましょう。探索に必要な物を揃えてきて下さい。一階の奥にある倉庫から自由に借りていいようになっていますから、ウィルフレドでしたか、あなたも自分に合った装備品を用意してくるといいでしょう」

「それはありがたい。ではアデルミラ、フェリクス、行こう」


 魔術師の言葉を受けて、新参者は急いで倉庫へ向けて駆けていく。


 ベリオはいつの間にか去り、庭にはニーロとマリートだけが残っていた。


「いいのかニーロ、ベリオの奴を放っておいて」

「構いません。僕がいなければ何もできない訳でもありませんし、お金だって随分持っています」

「そうかな?」

 マリートの問いかけに、ニーロはいつも通りの素知らぬ表情だ。

「……あのウィルフレドとかいう男の頼み、どうして受けた? 新入りの手伝いをすすんで受けるなんてお前らしくないと、俺も思うが」

 

 二人の間を風がすり抜けていく。

 ニーロとマリート。かつてこの屋敷で共に世話になり、散々探索を共にした仲だ。カッカーと共に、「赤」の迷宮の最初の踏破者にもなった。


 長い長い迷宮での日々。

 その苦労を共にした仲間(パーティ)には、特別に強い結びつきが生まれる。


「彼は只者ではありません。あの体、あの眼光、何故この街へ来たのかわかりませんが、彼はきっとあなたと同じような探索者になるでしょう」

「そう思う?」

「ええ」


 「探索者」は迷宮へ潜る者を指すが、その目的はそれぞれ違う。

 富を得たい、「踏破者」の栄誉を得て名を挙げたい、戦いや魔術など、自分の技術(スキル)を磨きたい。探索の始まりはこのような、それぞれの抱いた目的を果たす為だ。


 だが、迷宮都市で長い間暮らし続けているうちに、一部の者は探索そのものを目的にするようになる。


 魔法生物との戦い、罠の仕掛けられた迷宮を進んで行くスリル。自らの命を懸けた探索中に生き甲斐を見出し、その刺激で生を実感するようになっていく。

 彼らはトゥメレン通りに家を構え、働かなくても生きていけるであろう富を得てもなお、迷宮の中へ身を投じていく。


 「迷宮中毒者」。

 随分前の話だが、ニーロにそう呼ばれて、マリートは満足そうに笑った。



 ウィルフレドの瞳の中に浮かぶ強い輝き。

 あれは戦いの中でしか生きられない者特有のものだと、ニーロは感じている。


 彼らは死を厭わず、どんな深い層へも躊躇うことなく足を踏み入れていく。



「彼が前衛にいてくれたら、探索も進めやすくなるでしょう」

「確かに」


 かつて「赤」の迷宮の最深部を目指していた頃、ニーロたちのパーティには三人の前衛がいた。

 魔法生物の弱点を見抜く達人である剣士のマリートと、女戦士であるピエルナ、そして神官戦士のカッカー。

 カッカーは神官ではあったが、非常に恵まれた体格をしており、力も強かった。

 そういった者は、持てる荷の量も多く、負傷者が出た時にはこれ以上なく頼れる存在だ。


 勿論、その重量は弱点にもなりうる。自身が怪我をしたり、命を落としたりした時には連れて帰ってもらえない可能性が高い。


 しかし深い層へ行けば、強い力で動かさなければならない罠もあるし、大型の魔法生物も多くなる。長い探索をするパーティには、重量級の戦士が一人いた方がいい。


 マリートは頷きつつ、もう一つの疑問を若い魔術師へとぶつける。

「じゃあ、あの二人は? あんなひよっこたちも一緒に面倒を見る気になったのはなぜ?」


 アデルミラはいい。彼女は神官で、癒しの奇跡が使える。幼い見た目に似合わぬ根性の持ち主のようなので、あとは経験を積んでいけばいいだけだろう。

 しかしフェリクスには何もない。剣の使い方をようやく知ったところで、他に特別な技術はないようだ。どうやら真面目な性格らしいのはいいが、これから先、何を目指して訓練をしていくべきか、まだはっきりと決められていないらしい。



「単なる勘です」


 単なる、と口にしたものの、ニーロの表情は真摯なものだ。


「朝会った時に感じましたが、フェリクスは何かを隠しています。その何かと、彼の辿る道はきっと、僕にとって重要なものになるでしょう」


 そんな予感がするのです。そう小さく呟く魔術師の肩を、マリートは優しく叩いた。


「お前がそう感じるのなら、きっと何かあるんだろう」


 ニーロとマリートは互いの顔を見つめると小さく頷き、探索の準備のために屋敷の中へと向かった。



 

 カッカーの屋敷の一階。廊下の奥には半分地下になっている倉庫があって、そこには誰かが使い古した剣だとか鎧だとか、探索に必要な道具が置かれている。


 荷物を入れる袋、ロープ、小型のナイフなど、アデルミラは消耗品以外の用意を進めていた。


 ウィルフレドは何本も並べられている剣から、自分に合った物を探しているらしい。鞘から抜いたり、振ったり、腰から下げてみたりしている。


 フェリクスはその様子をちらちらと窺いながら、こちらも自分にあった武器を探しているところだった。剣の使い方の基本は教えてもらっているが、まだ実践で使えるかどうかは怪しい。「橙」の迷宮で兎型の魔法生物と戦ったりはしているが、浅い階層に出る敵はあまり獰猛なタイプでもないし、一人で立ち回った経験もまだなかった。


「フェリクス、あまり重い物は選ばない方がいい。ずっと持って歩き続けるのだから」


 ウィルフレドの言葉に頷き、フェリクスは手に取ろうとしていた長剣から離れ、短い物が置かれた一角へと移動していく。


 得体の知れない迷宮の中を何日も彷徨い、魔法生物と戦い続けなければならない。

 スカウトの技術、剥ぎ取りや調理。学ぶことも山ほどある。


 ただの戦士というだけでは、探索は続けられないだろう。フェリクスはそう考えている。まだ何の特技もない自分が探索者になるためには、何らかの技術を身につけなければならない。

 探索へ向かうためには仲間が必要だ。だが、共に迷宮へ向かいたいと思える特技がなければあぶれてしまう。カッカーの屋敷に集う面々の中でも、ただちょっと剣が扱える程度の者は暇を持て余していることが多い。

 余程腕が立つのならば別だろうが、ほんの数日、何か月かでそんな高みへ届くはずもないだろう。


 ニーロとマリートが同行してくれるこのチャンスをどうにかして生かさなければならなかった。罠の解除や魔法生物から戦利品を取る方法は、迷宮内でなければ見られない。口頭での説明は受けていたが、やはり実際に見て体験しなければわからないだろう。


 しかし、欲張りすぎてはいけない。心の底から湧き出してくる焦りを押さえながら、フェリクスは一本の短剣を手に取り、じっと見つめた。


 罠の解除。魔法生物から戦利品を剥ぎ取り、食料を得て、調理もして食べられるようにする。


「『緑』の迷宮には、罠はあまりない……んだよな」


 屋敷に集う者たちから聞いた、各迷宮の特徴を思い出していく。「橙」と「緑」は特に初心者向けなのだという。罠は少なく、敵も弱い。だとしたら、今回「緑」の迷宮で学ぶべきなのは剥ぎ取りの技術の方だろう。


「ウィルフレドさん、それでいいんですか?」

 フェリクスが振り返ると、ウィルフレドは既に胸当てを身に着け、腰に剣を提げた姿で立っていた。

「そのロープは重いだろうから、私が持とう」

 髭の男はごつごつとした手を差し出し、アデルミラの用意した袋からはみ出した探索の必需品を受け取っている。

「保存食や薬などの消耗品はここにはないのだな」

「あ、はい。そういう物は迷宮に入る前に各自で購入する決まり、らしいです」

 神官の少女の声に頷き、ウィルフレドは美しく切りそろえた髭を撫でながら呟いた。

「では、余計な物は持っていかないようにしなければならないな。なるほど、探索とはなかなか難しい物のようだ。何日行くのか、何日行けるのか、見極めて計画を立てなければ準備もままならない」


 二人の新参者はこのウィルフレドの言葉に、宿屋の男の話を思い出していた。「黄」の迷宮から命からがら逃げかえってきて聞かされた、迷宮都市の宿屋のルール。宿を拠点にして探索をする場合、何日行くのか予定を決め、事前に支払いを済ませなくてはならないという。自分たちがどのくらいの間迷宮へ潜り続けるのか? その見極めはきっと、初心者には難しい。



「今の私には関係ない話だが、憶えておく必要があるだろう」

 なにせ買う金がない、と一文無しの男は自重気味に笑う。

「……ウィルフレドさん、ありがとうございます」

「どうしたんだい、急に」


 手を組み、小声で祈るアデルミラへ、ウィルフレドは微笑んで答える。


「私たちも共にと仰って下さって、感謝致します。私たちはきっと自分達から……、ニーロさんやマリートさんに、一緒に行ってほしいなんて言えなかったでしょうから」


 確かに、とフェリクスも思う。そもそも、ニーロやマリートのような腕の立つ者が自分達と共に探索をするという発想がなかった。誘ってはならないものだとすら思っていた。 

 探索者として並ぶ者のない実力を持つ二人と共に行ける。とんでもなく貴重な体験だろうとフェリクスは思うがしかし、ウィルフレドという男の得体の知れなさはかえって深まっていた。

 年齢といい、風格といい、彼には「新入り」らしさがまるでない。



 新入りの三人が用意を済ませて倉庫から出ると、廊下の先にはニーロが待っていた。

「マリートさんは自分の装備を取りに家へ帰りました。『緑』の入口で合流しますから、あなた方の準備が出来たのならもう出発します」

「ニーロ殿はもう済んだのですか?」

 ウィルフレドの問いかけに、若い魔術師は眉間に軽く皺を寄せている。

「ニーロと呼んでくれて構いません。僕はどうやら、この中で一番年下のようですし」

「……わかりました」

 一番年長であるウィルフレドは頷きつつ、アデルミラへと視線を移した。


 しかし少女からは特に返答の類はなく、四人は揃ってカッカーの屋敷を出て街の北側へと向かった。



 迷宮の入口へ向かう途中、探索者向けの商店で食料と薬を買い、全員で手分けをして持つ。

 ニーロは荷物を入れる袋の中に、更に小分けの袋を入れていた。それぞれが色の違う紐で縛られており、目的の物がどこにしまわれているかすぐにわかるよう、工夫がなされている。次からは自分もそうしようとアデルミラは心に決め、腰のポーチに入れておいた紙にメモを残していく。


 「緑」の入口には「この下、七番目の渦」と書かれた木の札が立っている。

 その横にマリートが立っていて、仲間が全員そろった探索者達(パーティ)は穴の中へ降り、緑色に輝く扉を潜って迷宮の中へ入った。



 ウィルフレド、マリート、フェリクスの三人が前を。

 アデルミラはその後方で、ニーロと並んで進んで行く。

 マリートは「緑」の迷宮の地図を荷物から取り出して、フェリクスへと渡した。


「この地図は俺にはもう必要ない。これからまた来るかもしれないから、君たちで持っているといい」

「ありがとうございます」


 フェリクスよりも先にウィルフレドが答え、髭をいじりながら地図を覗く。


「聞いたことがあるかもしれないが、『緑』の迷宮の中には植物が生えている。植物が生えている迷宮はもう一つあって」

「確か、『紫』でしたか」


 ウィルフレドが答え、マリートは頷く。


「『紫』は物騒な場所だ。壁から床から、毒が染みだしている。罠も毒が吹き出してくるものばかりだから、あそこに生えているのは薬草ばかりらしい。だが、ここは違う」

 

 一行は「緑」の迷宮をゆっくりと進んでいる。


 床は地面を思わせる暗い茶色のタイルが敷かれており、壁は下半分が薄いベージュ、上半分が夏の葉を思わせる鮮やかな緑色をしていた。「橙」も「黄」もそうだったが、中は魔法の力が働いているのか、ひどく明るい。

 そして「橙」に次いで足を踏み入れる者が多い場所だからなのか、通路の途中、ところどころに物が落ちていた。

 食べ物を包んでいたであろうロシュークの葉や、小さな瓶、折れてしまったナイフなど、日常の品で散らかった光景は少しばかり緊張感に欠けている。


「ごく普通の、街の中でもみられるようなありふれた植物が生えているんだ」

「まあ」

 きょろきょろと辺りを見回していたアデルミラの目は、小さな赤い花の姿を捉えていた。通路の隅、床の隙間から「テンチェ」の花が生えてきている。


 雑然とした様子の迷宮。

 故郷でよく摘んで冠にしていた花。


 アデルミラは顔を綻ばせ、花の前に膝をつく。


「触るな!」


 マリートの怒声に、少女は思わず身を縮めた。


「それが『緑』の迷宮の罠だ。ごく普通の見知った植物と同じ形をしているが、それは地上の物とは違う。触れたところは腫れて、熱が出るぞ」


 アデルミラは立ち上がり、声をかけてくれたマリートへ礼を告げる。

 剣士は力強く頷き、三人の初心者たちへこう話した。


「ここでは『見覚えのある植物』はすべて毒があると思っていい。とにかく、植物に触れてはいけない。通路の端に寄りすぎないよう注意してくれ」





 難を逃れた安堵から息を吐き出し、再び顔を上げたアデルミラの視界に映ったのは、楽しげな笑みを浮かべるウィルフレドの横顔だった。

 

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