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花冠の花嫁  作者: 瑠璃
第3章 舞踏会までの道
14/17

1.控室

謁見が終わった後の令息・令嬢は、王宮内にある控室に下がるのが常だ。

そこで、夕方から行われる舞踏会に向けて、休息をとったり、準備をしたりする。

謁見が終わるまでには各家から侍女がそれぞれ割り当てられた部屋に待機しており、世話をするシステムだ。

準備が終わるころには、それぞれのエスコート役が到着しており、一緒に舞踏会会場に入ることとなる。


割り当てられる部屋の大きさや何人侍女が王宮に上がれるかは、それぞれの家格による。

マリアの場合、家格は公爵であるから、制限なしである。

それこそ、10数人を従えて…なんて例も過去にはあったようだが、

マリアにはべラとクリス、それにお目付け役のマーサの3人だけだった。


(慣れないコルセットやヒール、人の好奇の視線でいやっていうほど疲れるのがわかっているのに、何で身内で人を集めて、より緊張しなくちゃいけないのよ。)


というのがマリアの持論である。


謁見が終わり、控室に案内される。

案内する騎士は、顔を真っ赤にさせて怒っているマリアの顔を見て、一瞬ぎょっとしたようだった。

その顔をみて、はっとしたマリアはいそいで、公爵令嬢の仮面をかぶる。

ちなみに思っていることが顔にでてしまうというのは、騎士としては失格なのであるが、マリアにはそんなことは思いもしない。


(いけない!失望させちゃう!)


今更かもしれないが、ニコっと微笑んでみた。


(口が引きつっちゃう…どう考えてもごまかしているようにしか見えないわ。)


すると、逆にたじろいだ様子で騎士は一歩後ろに足を引いた。


(??なんで後ろにさがるの!!…何かマナー違反した!!)


背中に冷や汗がつたう。

どうしようかと考えていると、


「こちらにどうぞ。」とちょっとどもった声で言われた。


(絶対変な子だと思われている…せっかくうまくできていたのに、フレッド兄様のせいで、とんだ失敗だわ。)


気分は急降下。

どうしてもうつむきがちになってしまう。

それでも気持ちを奮い立たせて、前を行く騎士の背中を見ながら歩いて行った。


案内された部屋の前ではクリスが待っていてくれた。

クリスの笑顔をみるとホッとして顔がゆるむ。

クリスが頭を下げ、ドアを開けてくれる。


(やっと、一息つける!)


部屋に入ると意外な人物がマリアを待ち受けていた。


新しいお話で、花冠の花嫁にでてくる王太子フレッドの話をUPしています。

よかったらご覧ください。時系列はマリアの話の半年ぐらい前です。

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