-刑事目線-
君のために生きようか
三話目兼最終話です。
すべてを調査した刑事さんのお話。
「おい、梶月。」
「なんでしょう、先輩。」
先輩はドサッと、今回の事件の資料を机の上に置く。
「意外ですね、僕、先輩は何もしないと思ってましたよ。」
「うるせぇ、事件は早期解決できたほうがいいだろうがよ。」
「先輩、どこに行くんですか!」
「俺も担当している事件があるんだよ!」
「ブラックコーヒー、買ってきてください。」
だまれ、自分で買え!
と、一言言い残して、先輩は現場に向かった。
誤解のないように言っておくが、
先輩は俺らの班の班長で高校時代の先輩だ。
そして、女である。
彼女に頭が上がらない俺は、仕方なく今回の事件を担当した。
被害者・飯田莉紗子(18歳/死去)
加害者・有園春(18歳)
加害者は被害者をアパートに呼び、玄関で撲殺。
その後、家にそのまま籠城した。
籠城は、2週間に及んだ。
「なんだか、狂気じみてるよな。」
ひとり呟いた。
「はいっ!」
「え?」
ひんやりとしたものを首に感じ、不意に振り向いた。
「・・・先輩。」
「どうした?後輩よ!」
「加害者の少年に会えますか?」
「うん、ほら、そこにいるぜー」
まさかの別の事件って・・・。
「図りましたね、先輩。」
「怖いよー、。がついてる所ら辺がこわいよーぅ♪」
_____
「初めまして、梶月慶吾といいます」
「・・・有園春です」
「まぁ、音声撮られてるけど、気軽に言ってくれれば嬉しいよ」
「はい・・・。」
「えっと、飯田さんは生きてるのかな?」
「ええ。俺は人の価値観なんて気にしないですし」
「じゃぁ、“生きてる”飯田さんと君はどんな関係?」
「事実上は幼なじみって奴じゃないですか?」
「事実上?」
「俺は、誰からも認められなくても彼女を幼なじみとして見てません」
「そっか」
「死刑ですか、俺は。」
「少年保護法って知ってるかな。今回は適用されるか分からないけど。」
「そうですか。」
「なんとか死刑にならないように、掛け合ってみるから」
「いいですよ、どうせ俺らは“あの日”から狂ってしまってるから。」
「“あの日”・・・?」
「ああ。この期に及んでしらばっくれようともと思ってないので、はっきり言いましょうか。」
「は・・・?」
「10年前。俺と彼女の両親が死んだ事件。あれ、俺らがやりました。」
「・・・!?」
「俺が彼女の両親を殺して、彼女が俺の両親を殺しました」
「・・・その件については、上と話し合うよ。」
「無罪なんて望んでないですから。」
「わかった、善処するよ。」
_____
「先輩、あいつは刑を望んでいます、それと・・・。」
「ああ、聞こえたよ。」
うつむいた先輩は、酷く悲しい顔をしていた。
あの事件は、たしか・・・
「お前は気にするな。」
大丈夫そうな顔で笑った先輩は、泣きそうだった。
_____
結果は、懲役刑。
精神が狂ったとみなされた少年は、死刑にならなかった。
父も母も、妹も殺された。
代わりに彼女と家族を殺した。
そんな哀れな少年の事実を知ってしまった。
ある日、少年が懲役牢で自殺したと聞いた。
悲しき少年と少女の物語は、ようやく終わりを告げたのだ。
Was this story a happy story...?
最終話です。
話の流れが分かるようにまとめたつもりでしたが、意外とごちゃごちゃでした。
すいません・・・;;
話を順にまとめると、
莉紗子が有園家(春以外)・飯田家を殺す
↓
先輩達の班が調査・証拠品不十分でなにも無し
(中略)
↓
高校に入ってから莉紗子が男をたぶらかしはじめる
↓
莉紗子を春が殺す
↓
梶月が調査(懲役刑になる)
↓
春が自殺する
でした。
殺人・自殺はやめましょう。
ホント、悲しいですから。




