9月8日
夫とケンカをしました。
「もし自分で、最近飲みすぎてるな、と思うんだったら一度病院に行ってみてもいいんじゃない?」
やわらかく、優しく言ったつもりです。
夫も心の強い人ではないんです。いろんなつらさからお酒のチカラを使って逃げたいという気持ち、共感はできないけど理解はできます。だからずっと黙っていましたし、今回言ったのも夫の体が心配だからです。
「俺が?え?なんで?どういうこと?何を言ってるの??急に飲むようになったのは紗良のほうだろ?なんで俺が病院に行くんだよ」
「私が?あなたこそ何を言ってるの?私がそんなに飲まないこと知っているじゃない」
「そうだよ。だから心配してるんじゃないか。前は全然飲まなかったのに、急に飲むようになったみたいだから…だから心配しているんだろ?」
どうやら夫は、自分が飲んだことを本気で忘れてしまっているようです。
「俺はいいんだよ。飲み慣れてるから。紗良は今まで、飲みすぎて記憶がなくなるなんてこと、一度もなかったじゃないか。そりゃ心配になるよ」
「……………」
私は何も言えなくなった。どうやら夫は本当に本気で、私が冷蔵庫のビールを飲んでしまったと思ってるらしい。そこまで完全に記憶がなくなることってあるんだ……あまり飲まない私にはわからないことだ。
夫は完全に記憶がなくなっていて、私がビールを飲んでいると本気で思い込んでいる。そして私が記憶をなくしていると思い込んでいる。それが真実だと思い込んでいて、それは絶望的で、否定する方法がない…隠しカメラを設置する?いや、それはさすがに……これ以上こじらせたくない。
夫の優しさに疑いはありません。だからきっと、本気で私を心配しているんだと思います。2人ともお互いを心配しているんです。ケンカをしたいわけではないんです。
夫が飲んだビールの数にくらべて、空き缶が少ないようで……やはり多少の罪悪感があるんだと思います。
それでビールの空き缶を、自分で捨てに行ってるのかもしれない。
まあ、それすらも記憶にない可能性もあるし、……あれ、前にも「空き缶がない」とか言ってたような。……うーん。なんかよくわからなくなってきました。でも……。
もうケンカはしたくない。今後、この話題はしないことにします。




