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ライムグリーンの月と僕  作者: 立夏 よう
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一度目の出会いは、カレッジでの古典文学のオープン講座でシートが隣同士だったからだ。特別講義をすることになっていたえらい先生がエアシャトルのトラブルで到着が遅れるとかで(エアシャトルは空中を透明チューブのようなものでつなぐ大変便利な乗り物なのだがどこか一箇所でもトラブると全体が止まってしまうのが難点なのだ)、長く待たされたのだ。


彼女から僕に、古典文学では何が好きなのか話しかけてきたので、僕は古代の詩歌が特にお気に入りだと話した。彼女は古典でも若いほうの古典、特に原始SF文学が好きだと教えてくれた。そこから僕たちはお気に入りの作品について教え合うことになり、連絡先を交換した。帰宅後、彼女から随分丁寧な文書メッセージが届いた。今どきはみんなすぐにホログラムメッセージを送り付けあって詮索したがるしそういうのは僕にはちょっと不躾に感じられるので彼女のその奥ゆかしさは大変好ましく思えた。僕は彼女が教えてくれた原始SF小説のいくつかを貪るように読んだ。彼女の趣味は大変よくて僕にとっては知らない世界が開けたような気がしたしそれだけで彼女の人柄に触れた気がした。彼女も僕が教えた詩の本の中で、一つの短歌をとても気に入ったと言ってくれた。そういえばそれがどれのことだったかを僕は聞き忘れている。

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