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ライムグリーンの月と僕  作者: 立夏 よう


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僕はその場を離れがたい気持ちで、しばらくそこで二つの月を眺めていた。

茜色の空は少しずつ色をかえ濃紺に近づこうとし、それとともに二つの大小の月はより輝きを増していった。


いつの間にか傍らに女性がいて、そしてある短歌を呟いた。


「『なにとなく 君に待たるる ここちして 出でし花野の 夕月夜かな』。

これが私の好きな歌だって、知ってる?」


背の高い彼女はそう言って、少しかがんで僕にキスをした。


僕は言葉を失ってしまう。

いや、失っていては駄目な時があって今がそうなのだ。

僕は、だから、彼女に向かってようやくこの台詞を言うことができた。


「ごめん。僕ときみは運命なんだってちゃんと気づいたんだ。随分遅くなってしまったけど、まだ間に合うかな」


彼女は僕をまっすぐに見つめる。


時が止まるってこういう瞬間を言うんだなと思った。

そして、このライムグリーンの月と僕と彼女のこの光景を、僕は一生忘れる日は来ないだろうと思った。


事実、僕はずっとこの瞬間を忘れることはなかった。

人生の最後の日まで。


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― 新着の感想 ―
[一言] 間に合って良かった!
2024/06/07 08:06 退会済み
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