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僕は諦めた。
でも、宇宙センターには行ってみることにした。
宇宙センターは薄いピンクとパープルのゼリービーンズをクロスしたような建物でひときわ目立つ。彼女はここで働くことになるのかもしれない。僕の住むシティからは遠いし、ここに来ることはもうないだろうからなんとなく見ておきたかったのだ。
空は茜色だった。茜色の空に、ライムグリーンの第三ムーンもかかっている。乳白色の第一ムーンと並んで二つの月が空にかかっているのはそれほど珍しい光景でもないのだけど、ピンクとパープルに茜色にライムグリーンと乳白色というこのごちゃまぜな世界をいつまでも覚えておこうと思った。
世界はごちゃまぜで、僕は愚かで、彼女は隣の建物で讃えられていて、そして僕たちはもう会うことはない。これが事実で運命だ。
世界はそんなことに満ちている。




