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オオバコ  作者: 清浄
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9話

週末は必要なものを揃えるのに苦労したことや、白木さんに追われる悪夢をみたりとあまり寝つけることも出来なかった。



ダンジョン内ではゴーストの庇護下には入れない。


かといって、ダンジョンの外が安心安全とも言いがたい。

意にそぐわない何かがあればゴーストに殺されかねない。

その時はダンジョンがいい隠れ蓑になる。






学校では、何も手付かずでただボーっとしていた。



月曜日の学校の始まりはきつい。

日曜日の夕方のアニメをみると急に明日学校行きたくないなぁと思い始めるんだよな。





午前の授業も終わり

給食も半分ぐらい食べたところで手を止めていた



「ユズキー、食欲ないなら。そのプリン食っていいか?」


真ん丸い図体をした声をかけられた

ハーフリングは、人間の半分の大きさなのだが、その中でも耐久力が異常に高いロッグ族は大人の人間でも敵わない。

銃弾ですら、衝撃をある程度の衝撃を吸収してしまう。

弾力が凄く、転ぶと跳ねる。




ハーフリングは普通は人族の分類されるが。

ロッグ族は半魔の血があるから。ダンジョン入る事が出来ない。ダンジョンに魔物の出入りが拒まれてしまうからだ。



中学卒業後は半魔のための学校がドイツにあり、行く予定らしい。


毎年その学校の首席卒業者が学校お抱えのダンジョンに挑戦する権利を与えられ、そこから教師陣に加えられ守りを強固にしている。



半魔は最悪人間の経験値にされてしまう可能性があるし。ヘイトクライムだって起こり得る。安心安全の学園生活が約束されている。




ただ、その学校は5年前の事件で元非常勤講師が起こした世界を震撼させたから嫌っている。





「それ以上丸くなったら男前が上がってしまうよ」


「女の子が不良に絡まれるシュチュがあれば、モテモテになる自信はあるぜ。キラーン」


プリンを友人に手渡した


「それで、この前貸したエロフの同人誌どうだった。俺の審美感はなかなかのものだと思っているのだぜ」


給食時間は他の生徒もいるのでやめてほしい。給食時間の終わりが近づけば話し声でうるさくてかき消されるのだが、数人の女子がこちらを一瞬見たような気がした。


「ラードが進めてくれるゲームや漫画は確かにいつも素晴らしいけど…あんまり今回のはおもしろくなかったかな。何というか読んでいて、感動するものもなかったし、教訓が書かれた物語でもなかったし」



「同人誌に…それを求めるか。価値観が合わないって事はよくある!自分が素晴らしいと思っても人からしたら無価値だったり…お気に召さなかったか!なら更なる本を探してくるぜ!」


無駄なところで力を発揮しようとする奴だ。

女子の視線が痛いから話題を変えた。



ヘアスタイルにもこだわりのある彼の髪はツイストハーフアップショートなのだとか。

女子の髪を整えてあげたり人気はあるのだが、恋愛関係には発展しないらしい何故だろうか。


彼曰く審美感の違いらしい。

よくわからんが…

痩せている娘がタイプらしい










給食が終わり、さっさと片付けて…

それて昼休みに何しようか。

図書館にでも行こうかと考えていた。



「ユズキ君、ちょっといい?」



誰だったか覚えていない。

教室にいるということはクラスメイトなのだろう。



「出来たらあんまり人に聞かれたくないから、校舎裏に来て」


クラスの番長的存在だろうか?

あるいは告白されるのだろうか?


特に仲がいいわけでもなく、脈絡もない。


「図書館に行こうとしてたんだけど…」



「借りてた本でもあるの?悪いけど放課後にしてくれないかな」


無理矢理手を引っ張られたから仕方なくついて行く事にした



「それで、一体何のようかな…」


「匂うのよ。強烈な魔物な匂い…」


「別にダンジョンで魔物を狩るのは普通に小学生でもやってることだよ。多分…自分が熱中しすぎたからだね」


「それとは何か違う…。寒気がするほど濃厚な死霊の匂いというか」


彼女は獣人とのハーフなのだろうか?鼻をひくひくさせているのが可愛い。

人間と見分けがつきづらい顔立ちをしていた。

委員長タイプのキリッとした瞳と太い眉をしていた。


「実に具体的だね…君は小説家にでもなった方がいいんじゃないか」


少女は額の間に皺を集めた


「あぁん!」


「ごめん、でも魔物を狩るのは問題ないことだよね?それとも冒険者ギルドへ行ってステータスでも見せようか?」


「休みに2人で…」


身体を全身見回すように、少女にみられた


「必要ない気もするけど、一応確認させてもらう事にするわ。今度の土曜日とかどう?」


「幼馴染を水族館に連れていかないといけないから無理」


そういうと彼女は罰が悪そうにした。


「水族館か…琴葉ちゃんは…部活の後輩…実の妹のように可愛がってたんたよね…なんて言葉をかけたらいいのか」


「そういう顔を彼女に見せずに、自然体で話せばいいんじゃないかな…」




琴葉は自由に歩けない…そのせいで部活の先輩に会うのも、気を使われるのも辛いみたいだった。



「私は、知りたい…」




「ただの事故じゃないって思っている。だって、あれは人為的な事故じゃない?ブレーキに細工されてたって」


消えいるような声で彼女は声を縮めて俯いてしまった


うちの母親が重要参考人になったけど、結局捕まっていないのだから違うのだろう。

それに身内が犯罪者であると、ダブルで精神的にきついから否定したい思いだ。




魔物なんかより、人の方がよほど恐ろしい。人の皮を被った悪魔なんてものはなかなか見抜けるものではない。



「犯人探しをして…仮に君が似たような事件に巻き込まれたら意味ないんじゃない?」



「だからってじっとしていろと?」


「…やれる事はないよ…。それで日曜日にステータス見せるのはどう?」



「同じ土曜日でいいよ。水族館に私もいくから」

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