14話
ごめんなさい。全くネタが思いつきません
冬休み。短い連休の始まりだ。
クリスマス当日はとても寒く、こんな日には出歩きたくなかった。
寒波の影響で雪が降り積もり自転車で行くとツレツルと滑る。
まだ、降り始めだからいいものの。明日の朝は雪解け水で路面が滑るかもしれない。
それでも、地下にあるダンジョンは熱いのだから、寒暖差で体調崩すのが少し怖い。
だいぶ着込んできたが早く行って暖を取りたい。少し温まって、体調を整えてから行こう。水筒に柚茶を入れてきたのは正解だったと思っている。
白木さんの屋敷までの間、風の冷たさとの戦いだった。
白木さん家に着くと門の手前に1人の少女が立っていた。
今日はみのりは来る予定ではないので、一体誰が門の前に立っているのだろうと最初思った。
雪よりも白く長い髪。サラサラの髪で長い耳が特徴的だった。
大分着込んでいるようで、体型的なものはわかり辛かったが顔のほっそりした感じから痩せ型なのだと思えた。
表情はどこか冷たい印象を受けるが、同時にクールな年上の女性を思わされる。
年齢的にいえば2、3つ上に見えるのだが、身体的特徴からしたらエルフか、ハーフエルフか…。長命の種族なんだろう。
ただ、門の前に立たれると無視する事は出来ない。
「おはよう御座います」
「うん、おはよう」
「……」
「……」
なんか、喋ってくれないと困る。門の前を陣取っているNPCキャラだというならタチの悪い冗談だ。
「ここの家に用事があるんだけど、退いてもらってもいいですか?」
「ちょっと待って、今話す内容考えるから」
話題をつくってもらわなくてもいい気がした。それより寒いので早く家に入らせて欲しいと急く思いだ。
「んじゃ…単刀直入に言うけど、君はダンジョンに行くつもりだね」
「…」
「…なんのことだかさっぱりわからないです…ごめんなさい」
「隠さなくてもいいよ。私は予知夢が出来るんだからね…全て知ってる」
「…」
「…」
肯定した方がいいのだろうか。しらを切り通すかどうするべきだろう。
「その予知夢って当たるんですか?」
「それがね。未来の事は全く当たらないんだよ。弱った事に」
「それならやっぱり勘違いではないかな?」
「それでも、100%に近い確率で当たる事もあるんだよね。それは確定した過去のものを予知夢でみた場合だよ」
「予知夢といっても、突拍子もない夢を見るわけじゃない。あったかもしれない別の世界線の夢を見るんだ。地球46億年の歴史があるから地球での出来事の予知夢を見るし。20万年前から人がいるから当然のように夢に出てくる。ダンジョンが7000年前からあるから夢に出てくると当たる。全て私自身の視点の夢だけどね」
「自分視点って言う事は、ダンジョンがここにあって招かれたという事ですよね」
「そうだね。それで君に責任をとってもらおうと思って」
「…?」
1枚の紙を渡された。
「婚約届け、サインを」
サインしたところで年齢に引っかかる。
「私は、ここの屋敷にいる知り合いのゴーストに呼び出される夢を見たんだ。クジをひいたら0番が出たとか言って。招待予定のメンバーを3人招待するんだって言ってね」
「エッチするまで出られないダンジョンがあると聞いて夢うつつな気分で、そんなわけあるかと思いながらその日1人で来てたんだ。そしたら下見に来ていた君と偶然出会い。地下に閉じ込められちゃったわけだね。まさか人為的なトラップだったとは人間とは恐ろしい」
「酷い淫夢だったよ。全く…1年閉じ込められたんだから。これが選択式のゲームならバットエンドリスト1って感じだね。何故クジを引き直さなかったエンド」
「災難でしたね…。これからダンジョンへ行くので通してもらってもいいかな?」
「災難というわけでもないよ。すごい夢だった。これからダンジョンへ行くなら私も行こうかな。まぁ冗談だけどさ」
正直言って母親の存在が頭に引っかかっている。ちゃんと子育て出来る自身なんてものはないし。結婚とかしたくない。高校だって進学するか微妙なラインだ。
「責任の持てない事したくないし、それに。」
「「子どもは親を選べない」……から」
声がハモってしまった。
「いつも、君はそう言ってたよ。でも、君は子どもが出来る高卒認定試験とかの勉強を頑張っていたし。結局は、こどものためについては生真面目に考えていたよ」
「愛を誓いあったというのに…すごい悲しい気分だよ」
この少女がみる夢は…叶わなかった未来であり…自分だけしか知らない世界だ。誰からも理解されない。仲良しだった人間がいきなり他人になる。とても、寂しい世界を永遠に歩いていく。
それは、とても儚げであった。
言い返す言葉が見つからない。
将来の事を全く考えずに、高校進学を諦めようとしていた自分がとても惨めに思えた。自分なんかが結婚なんてと自身の価値を下げていた。
本当にゴミみたいな人間なんだと思う。
少し勉強頑張ってみるのもいいかもしれない。
「悪いけど、知り合いの女の子が不機嫌になるだろうから断るよ」
一瞬に肉欲溺れそうになった。
男って嫌なもんだ。
欲望に正直なところがある。
素直な気持ちで言えば欲望に身を委ねたい。
ただ、みのりが悲しい表情をするだろうと思うと引かざるおえない。
全く彼女でもない奴の事を気にしてしまうというのは馬鹿らしい。
もっと器用に立ち回れたらどんなにいいことか。
「すごい悔しそうに思えるのは気のせい?下唇噛み締めてすごい我慢してる気が…まぁ…なかった未来の事だから仕方ない事だけど…」
「そんなネタみたいな出会い話はいいから聞きたいことがあるんだけど…2年前に確定した過去って言うのは分かるの?」
「多分ランダム式のここのダンジョンの事を言っていると思うんだけど。私がみるのは別のあったかもしれない世界の事象も拾ってしまうんだよ。古い事象であればあるほど確率は高まってくれるんだけど…2年前というと…私のスキルでは、当たって20%といった具合かな。ここのダンジョンは、予知夢殺しのダンジョンということだね」
時間かけて、ギナギナやっていけばダンジョンクリア出来そうだが。
そんな悠長に事を構えてもいいのだろうか?
今回に限っては意味ない気はする。
そう言えば化野ダンジョンもまたギナギナと人海戦術で人を送り込み続ければ攻略されるのになと思うんだよね。各階層街があるのだから。
用は記憶を失うのは、次の階層に進む時だけだ。順番に街を着くって安置を広げながら進めばいい。
今は化野ダンジョンへ移る人間自体が止まってしまっているんだけどさ。
「それで、ここのダンジョンに白木さんのお孫さんが囚われているかもしれないんだけど。その理由はなんだったと思う」
「多分、聞いたニュアンス的には近い世界線の話だろうと思うかな。ここで注意するべき魔物は寄生木だね。怪我をしないように用心する事。傷口から寄生されるから」
当たってたらいいな。
それより連絡先を交換しておきたい。
彼女自身の視点からみた世界らしいから世界各国を渡り歩くでもしないかぎり今日みたいな偶然に出くわすことはないと思う。
それでも予知夢というスキルはワクワクさせるものがある。
「名前聞いてもいい?あと連絡先も教えて」
知らない女の子の連絡先をもらえるのは、男としては少し嬉しいものだ。
「私の名前はユフィー。手紙は面倒なんだよね。私携帯持ってないし。そうだ私は君の家を知っている。そこに住めばいいんじゃないかな。出ていけと言う住人は君しかいないんだから問題ないよね?」
住所バレは怖いんだけど…
「手紙でお願いしたいかな」




