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オオバコ  作者: 清浄
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1話

ダンジョン、それは現実世界から隔絶された世界。同じダンジョンと名がついていたとしてもそれぞれ理が異なる。しかし、決まった法則、共通点は多い


その内の1つは




ダンジョン内で死んだ人間は、輪廻転生の輪から外れる。


というものがある。




ダンジョンで人が死ねば、ダンジョンに魂を閉じ込められる。


それが囁かれるようになったのは近代化したあとのことだった。




近代のダンジョンの多くは攻略され尽くしているものがほとんどだ。攻略されるたびにダンジョンは弱々しくなっていき。近年ではアルミのように柔らかいミスリルの剣が手に入る。

産出量もそれなりにあり、工業用に利用される場合が多い。




しかし、近代化しても未踏破のダンジョンも存在する…。


そして、最も悪辣で最も醜いダンジョンにて、その仮説がたてられた。





醜いダンジョンの名前は化野ダンジョン。犯罪者達の流刑地に選ばれたことのあるダンジョン。ダンジョンに入った瞬間、あるいは次の階層に進んだ瞬間に記憶を失うダンジョン。


フィールド型のダンジョンで、擬似太陽もあり、農作物も出来る広さもあり生活が出来る。


罪ごと消し去る、そう言う意味合いで流刑地に選ばれたのだ。

永遠に人を閉じ込めるために作られたようなダンジョンなのだ。




そこで暮らしている人間は、数100万人にも及ぶと言われる。

15階層以降は人間の記憶だけではなく、カメラなどの記録媒体も通じないとされていて実際はその人数は定かではない。






死んだ人間の数しかその階層に存在し得ない。赤ん坊を産み上限に達しない限りは、総和がわからない。

赤ん坊が死産し続ける事案が発生した時に知る事になる。





それが、知られるようになったのは互いが閉鎖的な社会を望んだからであろう。


近代化してからの貿易で豊かになってはじめて…ダンジョン内に人口の上限があったのだと気づかされることになった。



ダンジョン内の過酷さも魂の総和を測りきれない原因の一つでもあったのだ。

人口爆発の影響で仮説が生まれたのだ




ただ、それはダンジョンに限ったことではなく。ダンジョンの外…その人間の総和が知られてしまうのはそう時間はかからなかった。


世界人口40億を超えたところで人口増加は伸び悩んだ。



生まれる子どもが臍の緒を切った瞬間から自発的に呼吸することもなく死んでいく。


その現状を勿体なく思った各国は死んだ赤子を利用した。大義名分、詭弁を並び立て。ある国では赤子を肥料に、ある国では人工呼吸器をつけて無理やり成長させてから臓器を移植させた。


魂のない赤子は生き物扱いされない現状に、自殺をしてしまう女性まででてしまう状況にまでなった。





不幸は止まることを知らず。

また、別の大きな問題を派生させた。



年々世界人口の総和が減り続けているのだ。

各国は人間の魂を限られた資源の1つとして大事にするためにダンジョンに都市移設計画をたて、魂の奪い合いになっても国が存続するように努めたのだが。


それとは全く別として、世界で毎年10万人の人が行方を失っていた。

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