学校生活2
「これじゃあ前世とほぼ同じだよ!!!!」
俺はベッドの上で叫んでいた。それもそのはず、俺が異世界に転生してから1ヶ月くらい経った。しかし、いまだに友達ができない。前世でも友達は少なかった。しかも勉強もイマイチな成績だ。
俺は前世とほぼ同じの生活をしていた。
そんな中、教室では休み時間中に木刀の使い方改めてレクチャーする生徒たちがいた。
「ここはこうで…そうそう!」
「やっぱり不安…。」
俺は友達間でレクチャーしているところをまじまじと見ていた。
ざわざわしている教室だが、先生が入室すると、場はあっという間に静かになる。
「今日は知っての通り、模擬戦をする。全員木刀を持って外に来い。二人ペアを作れ。ペアで戦ってもらう。」
先生が言い終わると同時に教室は再び騒がしくなる。友達同士で誘い合う人もいれば、関係ない話をする人もいる。
今日は初めての模擬戦だ。剣術が試される。
前世では体育の成績がよかったからか、俺は剣術を1ヶ月でマスターした。少なくとも大人と戦えるほどに成長した。
しかし、魔法は鑑定魔法以外普通の威力だ。
俺だけ教室でポツンとしていた。クラスメートに置いてきぼりにされている気分だった。
しかし…
「ちょっといいか?」
「?はい?」
珍しくクラスメートが声をかけてきた。
うつむいて席に座っていたからか、声をかけられるまで気がつかなかった。
「俺はペアがいない。…まあ厳密に言うと女子と戦うのは気が引けるし…。ということで、ペアになってくれないか?」
「うん、俺でよければ。」
俺はクラスで一番強そうなやつとペアになってしまった。
やつの名前はエディだ。彼は1年生ではほとんど見かけない付与魔法の使い手だ。武器に付与をすることによって攻撃力が上がるアレだ。
以前の魔法の授業では、炎を俺の3倍くらいの量を一度に出していた。
噂によれば、いじめっこ集団を3日で壊滅させたんだとか…
「よろしくな!」
「う、うん。」
外は寒くて風も強く、木の葉が大きく揺れている。
「さすがに初対面のキミを怪我させないから安心しろ!」
「は、はぁ。」
とにかく不安でしかなかった。
「全員準備はいいか?よーい 始め!」
試合が始まってしまった。エディが剣をしっかり握ってこっちに向かってくるが、俺はすぐ攻略鑑定をする。
攻略鑑定とは、攻略法を見つけるのに特化した鑑定魔法の使い方のことだ。
結果は『付与魔法によって剣の威力が上がっているが、握りしめている木刀を跳ばす程度の威力 他の魔法を使用する気配ゼロ スピードは普通であるため、足を狙うとよい』
だそうだ。
「覚悟!」
エディは木刀を振り下ろす。しかし、そこに俺の姿なはかった。エディが気付いたときにはもう遅い。俺はしゃがみこんでエディの足を打っていた。
「これはやったか!?」
「イタッ!!」
エディは上手く移動できなくなった。そのスキに俺はエディの首に木刀を振るう。
しかし、直前で止め、エディに降参させることにした。
「悪い、降参だ…。まさか弱点を突かれるとは…」
「やったーーー!」
俺は奇跡的に勝てたようだ。
「大丈夫?」
「ああ。それにしてもお前強いな。名前はマイクと言ったな。今度俺の部屋に遊びに来いよ。」
「ああ、是非とも!」
エディの足には木刀の痕が残っていたが、もう痛がってはいなかった。
ともかく、異世界で初めての友達ができた気がした。