王宮の様子
少し過ぎましたが、あけましておめでとうございます
街は逃げる人で溢れかえっている中、俺とエメラルドは王宮に向かっていた。
「ねえ!どういうこと!?」
「…簡単に言うと、奴らは宣戦布告をしに来たってことさ」
「以前の襲撃は失敗ってこと?」
「おそらく…」
(?)
その先の言葉は出なかった。が、言い方的に、ただの失敗ではないことは分かる。
そのとき、ドラゴンの炎が俺たちの頭目掛けて降ってきた。
「あ…」
エメラルドがとっさに水のシールドで受け止めるも、今にも押しつぶされそうである。
俺はすぐエメラルドを抱きかかえて走り出した。
「よかった…」
エメラルドは疲れ果てて眠ってしまった。
無理もない、彼女はサンダードラゴンの攻撃を受けて、さっきもファイアドラゴンの攻撃を受け流した。
しばらく走っていると、先程攻撃してきたドラゴンが追いかけていることに気がついた。
エメラルドを抱えたままでは剣など振れない。
だからと言って、エメラルドを置いて戦うのは気が引ける。
俺は無詠唱でドラゴンにサンダーを食らわすも、威力は出なかった。
(やっぱり無詠唱は慣れない…だからと言って今から詠唱するには時間が…)
そうこうしている内にもドラゴンは迫ってくる。
俺は最後の手段をとった。
滝のような大量の水、それを後押しするかのように流れる空気。これをイメージし、合成魔法を創り上げた。
一風の方向を定めて水を送るが、一回目の風はすぐ消えてしまう。でも、連発すればいい。
何回も、何回も合成魔法を使った結果、大きな滝がドラゴン目掛けて襲いかかった。
ドラゴンは流れ落ち、地面に着いたところで騎士団に討伐された。
(ふぅ…)
俺はひとまず安心した。
エメラルドを抱いていると長い髪が俺の体に当たる。だが、俺の知ってる髪質とは全然違った。
王宮に着くと、王様らしき人が門の前にいることが確認できる。
「大丈夫ですかー?!」
俺はとりあえず声を掛けてみた。
男…グレイは見える景色に呆然としていた。
エメラルドは寝ながら「うーーん」と、唸る。
「…?礼を言うぞ。」
俺に気が付きハッとして、なぜかグレイはすぐさま礼を言った。
援軍だと勘違いしたと仮定し、王宮に入っていくも、グレイに止められる。
「ちょっと待て、その娘も連れて行く気か?」
グレイは心配そうな表情をしていた。
「…。彼女はこの騒動の詳細を詳しく知っている。そして、ドラゴンにも抗える。彼女こそが、事態を治めるカギになると俺は思います」
グレイは少し考え、まあいいと通してくれた。
王宮の中は酷く荒らされている。ガラスはほとんど割れており、至る所に矢が刺さっている。
壁に寄りかかっている人に大丈夫ですかと声を掛けると、
「ドラゴンは倒した…。さっきグレイ様の護衛も向かわせた…。ひとまず安心しろ…」
と、返答が帰ってきた。
と、そのとき
「う…ううん!」
エメラルドは目を覚ました。
「あ、え?大丈夫だった?え?どこ?」
エメラルドの記憶は、さっきのドラゴンの炎からであった。
「王宮、着いたよ」
俺はエメラルドを下ろす。
エメラルドは広い通路を見渡し、呆然としている。
「あれを…破壊しなきゃ…」
「え?」
エメラルドはすぐさま走り出した。
全く訳がわからないまま、俺もついていくことにした。
森村の裏話
エディは薬草判別の魔法(鑑定魔法の下位互換的な魔法)が使えるが、薬草調合は苦手である
また、鑑定魔法の代わりになる魔道具は存在する




