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特別な生活を求めて異世界へ!  作者: 森村渉
異世界帰還編
34/47

異世界人の合流

この章はボマーさんとの共同製作です

俺は電車を降りてすぐバスに乗り、前世住んでいた家に向かうつもりだった。

今日、エディが言っていた女神の名前、「アリス」という言葉を聞いて前世の暮らしを思い出したら、いても立ってもいられなくなった。

とにかく家族に会いたかった。


久しぶりの満員電車は苦しかった。バスも混んでいて全く座れなかったが、懐かしくも感じた。


最寄りのバス停で降りると、よく利用していたコンビニが見える。

近くの横断歩道には「事故多発!」という看板が設置されていた。

近所は特に変わってなくて、花壇の花が変わった程度だった。

俺は「懐かしい」と感じながらも実家に向かった。


ついに実家に着いてしまった。

俺はドキドキしながらインターフォンを鳴らして誰かが出るのを待った。「はい」と、母の声が聞こえてきたが、母が出てくる時間は長く感じた。

「はい…あら。」

「あの、俺!」

「入っていいよ。」

「…?」

俺はまだ名乗っていないのに家に入れてくれたことに疑問を持った。

必要なら転生したことを話そうとも思っていた。


俺は仏壇のある和室に通された。以前と違い、仏壇には俺の遺骨と遺影が飾ってあった。

「さあ、これを。」

俺は父から線香をもらった。父が懐かしく、俺は父をずっと見ていた。

「…」

「あれ?正太の友達じゃなかったのか?49日に来たからてっきり友達かと…」

「まあ、そんなところ。です。」

俺はすぐ自分の遺影に向かって祈った。前世の顔を見るのはいい気分ではなかった。


祈りが終わると、今度はリビングに通された。

久しぶりのエアコンの冷たい冷気を感じ、日本だということを改めて実感した。

俺はさきほど購入したおはぎを母に「つまらないものですが」と言って渡した。

母はおはぎを受け取り、膝の上に置いた。

机の上に置いてある湯飲みを一口飲み、一息ついたところで「正太」について話してくれた。

「正太はね、運動ができて、優しくて、勉強はちょっと…だったけど、なんだかんだいい子だったわ。」

「…」

母は目に涙を貯めていた。

俺は何も言えず、そのまま黙っていた。

「49日になると正太のことを昨日のように鮮明に思い出すわ。当たり前よね、私より先に逝ってしまったもの…」

母はいてしまった。

そこから母は一言も喋らなくなってしまった。

「実は俺、転せ…」

「奇跡的にあの子が生き返っても私なんかに会う資格なんかないわね。母親らしく、何もしてあげられなかったもの。」

悲しみに耐えきれず、俺は本当のことを言おうとした。が、母の言葉で言うのをやめた。

また少し無言が続き、俺は

「息子のことをそんなにも考えてくれているなら母親らしいと思う。正太も母親のことが好きだったと思うよ。」

と言った。

母は「ありがとう」とだけ返した。


「今日はわざわざありがとうね。」

「こちらこそ。」

俺と母はこんな感じの会話を交わして俺は家を出た。


家を出るとすぐバス停に向かった。

(やっぱ戻れないよな…)

家族に会えて満足だったはずの俺だが、自然と涙が出てきた。

バス停にはちょうどバスが止まっており、すぐ乗った。


そのころ、ナセリー、エディ、ペナロンの三人は本屋に来ていた。

「なんですかこれ!こんなに沢山のページを色付けして売ってあるなんて上流貴族の注文品ですか?!」

ペナロンは動物図鑑を手にしている。

「ペナロン、この街の人間は立派な服装の人が多い。スーツ姿の人間は数えきれないほどいる。つまり、貴族の街だぜ。」

エディとペナロンが騒いでいる中、ナセリーは一人で神話について語られている小説をレジに持っていった。


レジの左には新聞コーナーがあり、そこで泣きながら新聞を読んでいるポニテの女性が目立っていた。

「…あのっ」

ナセリーは女性に声をかけた。

女性は涙を拭って振り向く。

「ノノちゃんが…にゃんかーのノノちゃんが!!…」

女性はナセリーの肩を掴んで上下に振り回した。

「あの、ちょっと!」

女性は「はっ!」と掴んでいたナセリーの肩を離し、「すみません、友人だったもので。」と謝った。

新聞記事にはこう書いてあった。

『人気アイドルのにゃんかー解散

メンバーのノノがアルエにより殺害

殺害動機、自首の理由は公表せず』

「あ…こちらこそごめんね。いきなり声かけちゃって…あれ?」

顔をよく見ると、ポニテがよく似合うこの女性はエワだった。


そこに動物図鑑と『名探偵大五郎』の小説を持ったエディとペナロンも合流した。

「あれ、歌手のエワ?なぜこの世界に?」

エディは顔見知りだったこともあって、すぐエワに気づいた。もちろんペナロンも気付き、興奮している。

「こんなところで同じ世界の有名人と出会えるなんて!!すごい偶然ですね!!」

エワはジャケットの内ポケットから冒険者カードを三人に見せた。

「マイクさんのお連れさんだちだよね?これを渡したかったけどマイクさんは?」

「マイクのやつ…悪いが別行動している。わざわざありがとな。」

「いや、むしろ感謝しているよ。故郷に帰ってこれた気がして。でも帰り方がわからない。」

(…?故郷?)

「そうなのね。じゃあお礼もかねて一緒に帰還しよ!私たち本買ってくるからちょっと待ってて!」

エディは疑問を残しながらも三人で本をレジに持っていった。


三人は本を買って、エワを連れて大通りに出た。



俺は電車を降りて元の場所に戻ってきていた。

(これからどうしよう…もっと集合時間考えればよかった…)

思っていたより早く帰ってきてしまい、仕方なく三人を探すことにした。



この世界には魔法がなく、魔力を感じたことはなかった。しかし、微量の魔力を感じたエディは思わず周りを見ずに走り出してしまった。

「あ、ちょ!待ってよ!まだ赤だよ!危ない!車来てる!」

エワは赤信号を渡ろうとしているエディを止めようとしたが、エディは赤信号を半分以上渡ってからエワに反応した。

そして案の定、軽自動車がエディめがけて突っ込んできた。

「エディ!!」

ナセリーはエディを助けようと走り出すが、エワはそれを止める。

「だめ!貴方まで巻き込まれる!」

「でも!」

「えっと、あのクルマ?はぶつかったらどうなりますか?」

エワは交通事故で死んだときの感覚がよみがえる。

「よくて骨折、最悪…」

エワはその先の言葉が出なかった。

エディは一瞬焦ったが、軽自動車に風を発生させた。軽自動車は浮かび、エディの頭上を通りすぎた。

エワは安心してその場に座り込んだ。

「ふぅ、危ないよー!アレが青になったら渡らないといけないらしいから気をつけてね!!」

ナセリーは交差点を飛び越え、エディに飛びついた。


俺はエディたちのいる交差点の近くにあった占いの店近くにいた。店からは微量の魔力を感じ取れた。

(占いって魔法だったのか…)

そんな中、「危ない!」と高い声が交差点から聞こえてきた。

車が跳んでいくアクション映画でしか見たことのない光景をしっかり見て、こんなことできるのは撮影現場か魔法使いしかないと思い、すぐエディたちだと悟った。


車が跳んでいくところを見ていた周りの人たちはエディに注目し始め、人集りになりつつあった。

「この騒ぎ…大丈夫じゃないですよね?」

「そ、そうよね!」

俺は逃げようとするエディの肩を叩いた。

「おー!凄いな!さすがエディ!騒ぎですぐわかったぜ!ってエワさん?!まあいい、逃げるぞ。」

俺は「逃げるぞ」だけ低い声で言った。

エワ含め、俺たちはすぐさま逃げた。


そのころ…人集りの中、一人の男は頭をかいていた。

「どこ行ったんだ…オグ。」

男…オキミは「オグ」を待っているようだった。

オグとオキミはボマー作の「エスピトラ」に出てくる登場人物です。

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