エディの過去
ドラゴンが消えたことによって、邪魔になっていた炎は消滅した。エディが助けてくれたからだ。エディの強さからしても本物の勇者だと思う。しかし、なぜ勇者がこの学校に?色々と疑問が残る。
「ここは危険だ。ドラゴンが何匹かいる。戻るぞ。」
エディの呼び掛けによって、俺たちは迷うことなく歩いて戻ることにした。さすがに鑑定魔法で個人情報を覗くのは嫌だから歩きながら俺はエディにぶっちゃけてみることにした。
「エディ、勇者がなぜ学校にいるのか教えてほしい。」
エディは一瞬悲しそうな顔をした。そして、笑顔になって語り始めた。
「… 俺は貴族の奴隷だった。だから学校にも通えなかった。普通、犯罪者は償いとして貴族の奴隷にされる。発覚した犯罪行為の数で奴隷期間が決まる。親が犯した犯罪行為は数えきれないほどだったから子供である俺にまで奴隷期間が…」
「そんなの酷いですよ!なぜ罪のないエディさんにも奴隷期間が?!」
ペナロンが激怒した。ナセリーは悲しそうにうなずいている。
「俺もそれはあまりにも…」
「ちょっとまて、この話にはまだ続きがある。ある日、外から歌が聞こえた。気付けば自分の手に付いていた手錠が簡単に外れた。奴隷監禁所の門も簡単に開いた。俺も何が起こったのかはわからなかったが逃亡には成功した。」
「だいぶあやふやだね。」
「そうなんだよな。なんであの時のこと詳しく覚えていなかったのかな。でも大体の検討は付いている。その後は冒険者に拾われて冒険しながら剣術、魔術の練習をした。俺はパーティーの人たちから冒険者の才能があるって言われた。冒険者たちに拾われてからしばらくして魔王と直接バトルになって魔王を倒した。もちろんパーティーメンバーと協力して。魔王を倒した後は女神様に会った。」
「「女神様???」」
俺とペナロンは口を合わせてそう呟いた。ナセリーは少し不思議そうな顔をしているが、多少笑っている。そんな気がした。
「女神様は魔王を倒したお礼として俺たちの望みを叶えてくれた。俺が学校に通って友達がほしいと願ったためパーティーは解散したが、今でも連絡は取っている。この世界にはまだ複数の魔王がいるから他の魔王も倒して再び元のパーティーと再開したいと思っている。それに…ナーラにも…。」
「エディ、お前なら絶対できる!」
「そうですよ!私たちがいます!」
「一緒に頑張ろうね!」
「ありがとうみんな!これで全員の団結力も強くなったかな。共に戦える仲間が増えたような気がする。… そして女神様、ありがとう…」
最後の方はよく聞こえなかったが、エディは涙を流しながら笑っていた。




