ピンチ
「はあはあ」
(くっそ!何でこんなことに!?)
俺はパーティーメンバーと共にダンジョンの中で必死に走っていた。
さかのぼるほど3時間前…
「今日から2日間、ギルドからの依頼でダンジョンのモンスター退治をする。特に今年の1年生は強いと評価されているからな。期待に答えられるように頑張れ。」
俺たちのクラスはダンジョンの入り口に集められた。
ギルドからの依頼のためモンスターを倒した分だけお金が貰えるらしい。2日の間でどれだけモンスターを倒せるのかをクラスごとに競い合う行事みたいなものだ。
「よし、頑張るか!」
「おー!」
今日から制服が夏服になった。といっても、紺色のブレザーを脱いだような冬服のような見た目だ。男子は白いシャツに青いネクタイ、紺色のズボンだ。女子の夏服も白いシャツに青いネクタイだが、紺色のスカートだ。
「そういえば最近暑いよな。」
「そうですね。夏って感じがします。」
「そろそろ始まるよ。」
ざわざわしていた周囲が急に静かになった。そして、
「それでは… 始め!」
この掛け声で生徒たちが一気にダンジョンに入っていく。
「俺たちも行くぞ!」
「おー!」
俺たちもダンジョンに入っていく。
入り口にすぐデビルポニーが待ち構えていた。それに気付いた俺はすぐに詠唱を開始する。
「雷よ 俺たちの力となりて!ボマーサンダー!」
「えいや!」
続けてエディが剣を振るう。ナセリーとペナロンは加勢するスキがなく呆然としていた。
「本当にすごいね。」
ナセリーはそういうと、すぐエディを見て目をキラキラさせている。ペナロンはちょっと困った顔をしている。
するとエディが
「奥の方にヤバい気配しないか?」
何らかの気配を感じたっぽく、興奮している。
「俺は奥に行ってみたい!もっと手応えのあるモンスターと戦いたい!みんなはどう思う?」
「私はいいと思うよ。」
「俺もいいと思うな。」
「みなさんがそうなら私も…」
「よし!行ってみるか!」
俺たちは奥に行ってみることにした。しかし、奥に進むにつれ、モンスターが減っていく。
「どういうことだ。モンスターの気配はするのに全然いないじゃねーか!」
「もう帰りたい…」
俺はつい弱音を吐いてしまった。その時だった。
「「「ヴぁぁぁぁぁぁぁ」」」
「なんだなんだ???」
奥からドラゴンが飛んできた。
「さすがにあれはヤバいな。モノによっては危ない!逃げるぞ!」
ということで、俺たちは逃げる羽目になった…