上級魔法
「教科書39ページにある問4を解け。」
連休があけ、俺たちのクラスは算数の授業を行っていた。それにしても眠い。昨日は一日中夜まで漫画を読んでいたからだ。この前の授業でダンジョンに行ったときにドロップアイテムを持ち帰った。それをギルドで換金したため、お金が余っていた。もちろん全財産を漫画に使ったのだ。
「そろそろ解けたか?」
やべっ まだ問題すら読んでなかった。…えっと?
『4(7-5)+9(4+2a)=-10』
…さっぱりわからん。いつも俺は算数の問題がわからないで終わっている。だからテストは絶望的だ。
「マイク わかるか?」
エディが話しかけてきた。
「まだわからない。」
「じゃあ教えてあげる。」
俺はエディに教えてもらうことにした。
「まず、カッコ中の数式を解くんだ。そうすると式は4×2+36+18a=-10になる。次に…」
なるほど、さっぱりわからん。なんでカッコを先に計算するの??そういえば、このaってなに?
「今日はここまで。今日のうちにできなかった人はしっかり確認しとけよ。」
はあ… やっと終わった。今日は凄い疲れた気がする。授業が終わり、俺はすぐ自分の部屋に向かう。そしてすぐベッドに転がり込んだ。ククリは漫画を読んでマイクの帰りを待っていた。俺はうつぶせになった状態でククリに質問をした。
「ククリ、疲労を消す魔法とかない?」
「ありますけど回復魔法の分類になります。」
「やめとこ。」
回復魔法は難しいのだ。習得するのに結構大変らしい。
「そういえば転生後に上級魔法ガチャしたけど、鑑定魔法の他に上級魔法って何があるの?」
「上級魔法は精神操作、肉体操作、一発破壊、テレポート、回復魔法、予言魔法…などですね。」
「精神操作ってなに?」
「他人を自由に動かせる能力です。一番簡単なものはテレパシーですね。」
「えっと… じゃあ肉体操作って?」
「自分の体を作りかえる能力です。これによって他人になりすますことができます。一番簡単なものは身体強化ですね。」
「じゃあ一発破壊は?」
「その名の通り、色々なものを一発で破壊させることができる魔法です。」
「え?全部やばいじゃん。」
上級魔法はやばいものばかりだった… 俺は思わずベッドから起きあがった。よく考えたら鑑定魔法も他人の個人情報を勝手に見ることができるような…
俺は自分の中でエディたちには鑑定魔法のことは絶対に言わないと誓うのだった。