歌野起亜
私は歌野起亜。主にSNSで活動する歌手だ。昔から音楽が好きだったため、SNSにある曲を投稿した。すると、なんと1ヶ月くらいで曲の再生回数が20万回を越えた。それがきっかけとなって今ではTVやCMに引っ張りだこ。SNSのフォロワーは10万人を越えている。しかし、私が外に出ても、誰にも声をかけられないのだ。自分は本当に応援されているのか?と疑ってしまう。私は気になったのでインターネットで自分のことを調べてみることにした。しかし…
『歌野起亜っていうやつ何かムカつく件』
『そういえばそんなやついたな。あいつってなんか特に魅力なくて大嫌いだったからすっかりわすれてたよ(笑)』
『正直いってあいつムカつく人~?』
『はーい』『はーい』『あいつは何のために歌っているのかわからん。』『あーわかる。』『あいつが死んでも誰も悲しまない説』『歌野起亜へ ウザイからもうTVに出てくんなよ!』
「え?なにこれ…」
私は何も考えずにツイートした。
『私に対しての陰口はやめてください。』
しかし、これが私の自殺するきっかけになったツイートだ。もちろん何も考えていなかった私も悪いが、後に予想以上に炎上してしまうことになる。
『は?お前に従うわけないじゃん』『何様のつもり?』
『マジでこいつキモいわ』『こいつ友達いなさそうやな』『絶対自分が一番可愛いと思ってるやつキター』
『消えろ 音楽界に泥を塗るな』『これからこいつのファン絶対減るよな』『それな』『あーあ これ絶対フォロワー減るな』
私は自然と涙を流していた。これは現実ではない…と願いながら自分の頭を殴る。しかし夢ではなかった。
「なんでよ!なんでよ!」
頭を叩きすぎて手から血が流れる。しかし、殴ることをやめない。
「なんでよ!なんでよ!なんでよ…」
現実だと悟った私はようやく頭を叩くのをやめる。そして涙を拭う。なんで私がこんなことに…
「起亜ちゃんおはよう。」
隣人が声をかけてきたが私は無視をする。ふらふらとしながら私は赤信号を歩いて渡っていく。すると、横から車が走ってきて自分に衝突する。すごい衝撃だったが痛みも感じない。私はそのまま気を失ってしまった。
ここはどこ?気が付けば暗いところにいた。
「気が付きましたか。私は神 アリスです。ここは天界です。あなたは残念ながら人生を終えました。」
ああ、そういえば車に引かれたような…
「あなたは今後の世界を見ていくのか生まれ変わるか選択できます
もう歌いたくない。ここにいたい。
「じゃあ世界を見せてください。」
「今から天界の妖精を手配します。そのままお待ちください。」
天界の妖精?
「よろしくお願いします。私はタタサといいます。」
「よ、よろしく…」
この動物は猫のような体なのに耳がウサギみたいだ。しかも浮いている。これが天界の妖精か。