表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
特別な生活を求めて異世界へ!  作者: 森村渉
異世界探索編
14/42

転生者

俺たちはギルドの帰りに路上ライブを見ていくことになった。16歳くらいの女の子がギターを弾きながら歌っている。

青い髪をポニーテールにしているが、どこかで見たことあるような見た目だ。

「みてみて!あれ最近話題のエワじゃない?」

「エワって誰?」

「知らんのかよ?!あいつは国王様にも認められた歌姫だぞ!」

「へー そんなに有名なんだね。」

それにしてもどの曲もJ-POPのような曲調だ。

「最後に大ヒット曲の『奇跡の仲間』を歌います」

エワがそういうと、周りから今までよりも大きな拍手が聞こえた。そして拍手が静まると…

「何も知らないでこの世界に降り立った僕は~」

「えええ?!」

俺は思わず声を上げてしまった。

「マイクさん どうしましたか?」

「この曲知ってたから…」

「やっぱり知ってるじゃん!」

いや そういうことじゃない。この曲は俺が好きだったアーティストの曲だ。彼女はなぜこの曲を…?

「ここには仲間がいる 偶然だからこその奇跡~」

そういえばあの人は数年前に交通事故で亡くなってる。俺はまさかと感じるも、何も言わなかった。

エワは歌い終わり、一礼して横にはけた。

「さあもう終わるし帰るか。」

「え、うん…」

今日は帰ることにした。

ちょっと残念だけどしょうがない。

ちょうど横にあったアーティスト紹介の看板によると、エワは短時間無料ライブをすることもあれば、2時間の本格的な有料ライブもするらしい。

「次の休みにダンジョンにいきたいよー。特にエディ 期待してるよ!」

「エディさんの力は凄いですからねー。」

「そうだな!次回も期待していてくれ!」

三人が楽しそうに会話しているなか、俺は一人黙っていた。

「…」

「あの!」

俺に声をかけてきたのは女の子だった。

振り替えると、ライブを終わらせてすぐに走ってきたであろう、エワがいた。

(エワさん!?)

「ちょっとごめん 先に行ってて」

俺がそういうと、三人は会話を中断してこっちに手を振ってきた。

そしてすぐ会話を再開して歩きだす。

「なんでしょうか?」

「いきなりごめんなさい。実はあなたの部屋の窓から何か小動物が飛んでいったのを見たんです!」

「え、いや、それは…」

「あれはもしかして天界の妖精でしょうか?」

俺はキョトンとした。

「え?」

「私…実は転生者です!」

「まさかあなたはアーティストの『歌野起亜』さんですか?」

「そうです!たまたまあなたが妖精と会話しているところを外から見てしまい…」


そう、エワは転生者であった。死後はこの世界で生きていたなんて誰も思っていなかっただろう。

「エワさんそろそろ時間です!」

「じゃあ私はそろそろ行くね。また会えるといいね。」

「うん。」

エワはマネージャーらしき人の元へへ走っていくが、途中で立ち止まる。

「あ!あなたの名前は?」

「マイクです!」

「よろしくね!」

エワはそう言うと急いで走っていく。

転生のことを知る唯一の人物である。

また会えるといいなと感じてしまう。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ