学校生活4
俺たちは今日、ついにダンジョンに行くことになった。
事前の作戦会議により俺とエディが前衛、ナセリーとペナロンが後衛になった。
あと5分くらいでダンジョンに入る。
ゲームのようなダンジョンだったら楽しそうだなと興奮してドキドキしているものの反面、初めてのダンジョンで不安である。
「もう一度確認する。俺とマイクが剣で攻撃、ナセリーが魔法で攻撃する。ペナロンは攻撃魔法が苦手だから主にサポートになる。いいな!」
「「了解!」」
「わかりました!」
俺たちのパーティーのリーダーは相談でエディに決まった。あれから色々話をしてきたが、俺たちは結構相性がよいことがわかった。
「それでは始める。2時間が経過したら魔石で連絡をする。よーい 始め!」
「「「うおおおお!!!」」」
生徒たちはどんどんダンジョンの中に入っていく。
「みんな気合い入っているな。俺たちも頑張るぞ!」
「「おー!」」
俺たちは拳を上に挙げ、団結力を高めた。
ついに始まった。俺たちもダンジョンに入っていく。
見た目は洞窟みたいだ。見たところモンスターはいない。
(ここで2時間耐えればいい。楽勝じゃねーか。)
油断していたその時、背後から馬のようなものが突っ込んできて俺の背中に命中する。
「イタッ!」
「大丈夫?」
「ああ、ちょっと背中が痛いだけだ。」
エディが構えている中、ナセリーは心配してくれた。ちょっと痛いけどこれくらいなら我慢できる。
俺は振り向いてナセリーを見た。同時にペナロンが祈っていたのが視界に入った。
「あれ?痛みが消えた?」
(ペナロンの回復魔法か。あれ、今詠唱してた?)回復魔法ができる人は傷の治療法を知っている証拠である。しかも無詠唱なため、結構なやり手のはずである。
「うん… ありがと。」
「回復魔法と支援魔法が得意だから怪我しても大丈夫ですからね。」
「あ!馬のようなモンスターを倒さないと!」
「あれを見てください。」
俺が振り返るとエディが単独で馬のようなモンスターを倒す様子が視界に映る。しかも軽々と倒せた感がすごい。
「さすがエディだね!一瞬だったよ!」
「まあな。俺、実はかなり強かったり…?」
ナセリーが目をキラキラさせている。
とりあえず今エディが倒してくれたモンスターに鑑定魔法を使ってみた。
『名称 デビルポニー 馬の形をした魔物 とても固いが電気属性に弱い』
だそうだ。とても固いのに剣で倒せるものらしい。
「あれはデビルポニーだな。」
「すごいですね。モンスターに詳しいですね。」
「そうだな。」
ペナロンは驚いていた。一瞬だが、将来モンスター博士になってもいいかもなーと思ってしまった。
『ドッドッ…』
「ん?なんだこの音は。」
「モンスターが来ますよ。マイクさん油断しないでください。」
デビルポニーが大群でこちらに向かってくる。
「任せて!」
俺はまだ戦闘体制になっていなかったため、ナセリーに任せることにした。ナセリーは即座に炎魔法を発動する。
しかし、俺が知っている炎魔法より凄い威力だ。
〔ドーーーーン〕
炎を敵にぶつけた直後、爆発が起こった。デビルポニーは消えて魔石を落とした。
ナセリーもかなりのやり手であるかもしれない。
「ナセリーさんは相変わらず凄い威力ですね。」
「さすがだな!」
「ふふっ♪これくらい当然だよ。」
ナセリーはまだまだ余裕そうである。
三人が活躍しているなか、俺だけまだなにもしていないのであった。