表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
運命の転生者  作者: apple-pie
50/62

悪魔のいる協会

「す、凄いな…ん?」


アレンから贈られた大量の金貨に驚いていると、『警戒心』が奥の扉から悪意を感じ取った。その扉を見ると一人の女性が出てきて、こちらに寄ってきていた。その女性は俺のことを見ると、眉間にシワを寄せてダインの方を見る。


「ちょっとダイン!また無理矢理に連れてきたの!?」


「げ…、ルシア…」


「げ…じゃないでしょ!」


ルシアと呼ばれた女性はダインを叱ると、俺の方を向いて頭を下げた。


「本当にごめんなさい!私、ダインの幼馴染みのルシアです!急に殴られたでしょう?怪我はないですか?」


「あ、はい…なんとか…」


「あ、そうだ!今ちょうどご飯を作ってたんです!よろしければ一緒にどうですか?」


「お、おい…ルシア…」


「ダインは静かにしてて!」


不安な表情で遮ろうとしたダインの口を、ルシアは力強く押さえた。悪意を感じたこともあり少し嫌な予感がしたが、せっかくの誘いを断ることができず、俺はルシアとダイン、そして子供達と一緒に食卓を囲むことになった。


「いただきま~す!」


「いただきます…」


俺はさっきダインが引き止めていた料理に手を付けた。恐る恐るスープを口に運ぶと、その味はギルドのものと遜色ないもので、非常に美味しかった。


「お口に合いますか?」


「はい!すごく美味しいです!」


そう言って俺は次の一口を運んだ。そして咀嚼しようとしたとき、ガチンという音とともに俺は硬い何かを噛んだ。歯の痛みを感じ、ティッシュに硬いそれを吐き出すと、その正体はナットだった。


(な、ナット…?なんで?)


周りの子供達を見るが、皆楽しそうに食事をしている。俺のだけに入っていたのだろうか。


(嫌がらせ…?それとも、この世界流のおもてなし…なのか…?)


ナットが入っていた理由に見当も付かず、手を止めているとダインが俺と目を合わせた。そしてトイレの方に視線を送る。


「お、お手洗い行ってきます…」


ダインの意図を理解し、俺はトイレでダインと合流した。そして俺はダインにティッシュに包んだナットを見せる。


「な、なあ…これスープに入ってたんだけど…」


「あぁ、すまない…。…実は、ルシアは悪魔に憑かれててな…」


「えっ!?」


「そのせいで、たまに身体が言うことを聞かなくなるみたいなんだ…。だから子供達のご飯は俺が作ってるんだが…他のご飯にはたまにそういうのが入ってたりするんだ…」


どうやらルシアから感じていた悪意は、それによるものだったようだ。しかしダインは『威光』で悪魔を祓うことができるはずだ。俺は何故そうしないのか聞くことにした。


「『威光』で祓わないのか…?」


「祓えるならとっくにしてるさ…。でも、ルシアはもう長いこと悪魔に憑かれてて…悪魔が心の奥にまで侵食してる…。もし今祓えば…ルシアも…」


ダインはそう言って視線を落とした。そして再び俺の顔を見ると、少し歪な笑顔を見せた。


「…っと、暗くなっちまったな。ヒロキ、今日は色々迷惑かけてすまなかった。ルシアには俺から説明するから、もう帰っていいぞ」


「…わかった。じゃあまた明日来るよ」


「…は?な、なんでまた来るんだよ…?」


「協力させてほしいんだ。それ以外に理由はない」


俺がそう言うと、ダインはまた視線を落とした。


「…気持ちはありがたいが…これは俺がなんとかしないといけないことだ…」


「そんなこと知るか!」


「な…」


「目の前にいる人が死ぬかもしれないのに、見殺しにするなんて俺にはできない!とにかく、絶対に明日も来るからな!」


俺はそう言い残してトイレから立ち去った。取り残されたダインは笑みを浮かべながらため息をついた。


(アレンといい…ヒロキといい…、妙なやつばっかだな…)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ