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運命の転生者  作者: apple-pie
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波乱の稼ぎ場

ギルドで食事を済ませた俺達は、宿屋に行き2つ部屋借りてそれぞれ夜を過ごしていた。ゼウスに会おうかとも思ったが、特に目立ったことも無かったことや明日は違う場所での金稼ぎになるため俺は早々に眠りにつくことにした。


「ん…」


翌日、早寝のおかげもあり俺は清々しい朝を迎えることができた。グッと身体を伸ばしてからベッドから下り、時間を確認する。


「8時前か…。ちょうどエイラとレムも起きてる頃かな」


そう思い俺は身支度を済ませ、エイラとレムのいる隣の部屋に向かった。すると二人もちょうど準備が整っていたようで、廊下で出合いおはようの挨拶を交わした。


「さて…じゃあまずはギルドで飯だな!」


「はい!」


いつも通りギルドにて腹ごしらえを終え、どこで稼ぐかについて話しながら俺達は外に続く門へと向かった。


「ところで…俺この国の外のこと詳しくないんだけど、どこで稼ぐか決まってるのか?」


「うーん、決めてはないんですけど…門の兵士さんに相談して決めようかなって思ってます」


「なるほど。確かにその方がいいかもな」


俺も初めての冒険は門にいた兵士の紹介で向かっていた。俺達の独断で決めるよりも、その兵士に相談するほうがより確実で安全だろう。

話し合いが決まり、門の前に着いた俺はひとまず兵士に声をかけた。


「そうだな…。この『エア遺跡』とかはどうかな?よく出る魔物はスケルトンだから、多数で囲まれないように注意すれば安全に稼げると思うよ」


「なるほど…」


「あ、それともう一つ。スケルトンみたいなアンデッド族の魔物は、夜になるとかなり強くなることがあるんだ。だから夕暮れには確実に戻るように」


「分かりました、ありがとうございます」


親切に対応をしてくれた兵士に感謝を述べ、俺達はオススメされた『エア遺跡』へと向かった。暫く歩いていると地面が土から徐々に人工的に造られた石へと変わっていき、同じ石からなる大きな建造物が建ち並ぶ場所へと辿り着いた。


「ここだな」


「デカい建物だな…ん?おい、ヒロキ!あっちにスケルトンがいるぞ!」


レムの指の先には短刀を片手に装備したスケルトンが、こちらに背を向けて立っていた。レムは目を輝かせて俺の手を引っ張り、その身体を剣へと変える。やる気満々のレムを前に俺はエイラに戦闘開始を告げ、スケルトンへと走り寄った。


「行くぞッ!」


まだ俺達に気付いていないスケルトンに向け、俺は剣を振るった。その剣はスケルトンに命中し、怯ませると同時に骨の一部を砕いた。


(流石に一撃じゃ倒れないか…)


「もう一発…!」


怯んでいる隙にもう一度剣を振るうと、スケルトンはバラバラになり銅貨を3枚落とした。ゴブリンとそこまで戦闘力が変わらない割に、2枚多く銅貨が貰えることに案外余裕だなと感じていると、『警戒心』が背後から殺意を感じ取った。その方向を向くと、短刀ではなく弓矢を構えたスケルトンが俺に向けて弦を引き絞っていた。


「『サンダー』!」


エイラが魔法を唱えると、紫の落雷が弓矢を構えたスケルトンを貫いた。その衝撃にスケルトンが動けずにいるのを確認し、俺は剣を投げつけたあと『憑依』を使い距離を詰めた。


「ハッ!」


『憑依』を解除し、剣を振るとスケルトンはバラバラに砕けて銅貨を落とした。その銅貨を拾い、援護をしてくれたエイラの方を振り向いた。


「サンキュー、エイラ!」


「はい!えへへ…」


ひとまず周りに魔物がいないことを確認し、俺はエイラの元へ向かった。レムも元の姿に戻ると、俺の手を離れてエイラの方へ走り出した。


「このくらいなら安全に稼げそうだな」


「そうですね、この調子で次の魔物も探しましょう!」


そう話していると、『警戒心』が背後からの悪意を感じ取った。またスケルトンかと思い振り返ると、そこには体格の大きい黒髪の男性と、俺と同じくらいの年齢と思われる白髪の男性が立っていた。俺はレムに剣に変わるよう伝え、構えを取る。


「いい獲物、発見〜」


「…誰だ、お前ら」


「ふふ…俺はヴァイク。で、こいつはバスタ。ただの通りすがりの…ならず者さ」


ヴァイクと名乗った男性がそう言いながら指を鳴らすと、横にいたバスタが距離を詰めてきた。その矛先がエイラに向かわないようバスタの前に移動しようとしたが、俺の体は謎の見えない壁に遮られた。


(な、何だ…!?)


「ヘッ、残念だったな」


「エイラッ!」


俺はエイラを助けようと見えない壁を攻撃したが、その壁は硬く、壊れることはなかった。その間にバスタはエイラに近付き、綺麗な緑色の水晶をポーチから取り出した。するとその水晶が輝き出し、エイラを包み込んだ。そして数秒ほど経って光が消えると、二人の姿は見えなくなってしまっていた。


「消えた…?どこかに移動したのか!?」


すぐに周りを見回してエイラの姿を探したが、それらしい人影は見当たらなかった。


「余所見なんてしてて、いいのか?」


ヴァイクは俺に走り寄ると、まるで剣を手に持っているかのように両腕を振り上げた。俺は咄嗟に剣を横向きにし、防御する体勢を取った。すると激しい衝撃音とともに、俺とヴァイクは鍔迫り合いの形となった。どうやら相手の『異能』は、見えない何かを創り出すようなものらしい。


「エイラをどこに連れて行ったんだ…!」


「そんなこと聞かれても分からないさ。それに…俺は君と遊びたいんだ」


「クソッ…」


俺は一度鍔迫り合いの状態を避けるため後ろに引き、再び剣を構えて体勢を立て直した。

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