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5主と昔話

思ったより誤字などがありました、

充分に気をつけます。



朝になり、レイノが支度を整えている頃、女神イースは部屋のベットで考え事をしていた。

肩に布を掛け三角座りをし、窓の外を眺めながら……。


(主様、私はどうしたら良いのでしょう…。先日、私は魔物を空から見に行きました。魔物は広大な土地を埋め尽くほど増殖していました。その中に私と同じ100レベルで自我を持つ魔物がいました…。正直勝てないと思ったのです。逃げたいです…ですが……。主様が知っての通り、私は頼られたら断れません。貴方の言うように損な性格の様です。私は死ぬのでしょうか…?私が死ねばまた新しい女神がすぐに生まれます。ですが…。)

 この世界での女神というのは、死んでも数十年すれば生まれ変わるのだが、生まれ変わると言っても記憶などはなく、人と同じ様に生まれるだけで、職業が女神というだけなのである。



女神イースは昔の主であり、前の代である創造者の彼女が振り向きイースの名前を言っている姿を思い出していた。

『イース…。』

女神イースは顔を伏せ、震えて涙していた。


そこに廊下から受付のアネットとギルマスのアルトの声が聞こえてくる。

女神イースは、涙を拭き、ベットから降りようと足を床につける。その瞬間。

レイノが目の前に突然現れる。


その光景に女神イースは硬直した。


レイノも同様に口を開け硬直していた。レイノは現状に混乱した。

(え?なんで!?なんでテレポートした目の前に女神様がー!?しかもアネット達の声も聞こるってここギルド!?なんでそんなに離れてないんだ!??ランダムだからか?!)


しばらくして真剣な顔になり、女神イースが口を開ける。

「レイノ…ちゃん…?」


その言葉にビクッとし、混乱したままのレイノは返す。

「あ…えっと…良い天気ですね…。」


レイノの頭の中に空気を読めないアナウンスが流れる

[ランダムテレポートが使用されました!代償によりランダムテレポートを使用不可にし、今後ランダムテレポートの創造ができなくなります。]


レイノは思う。

(使い捨てスキルだコレ!)



しばらく無言になった2人。



無言になった事で、外から大きな声でアネットとアルトの声が聞こえてくる。


「探しましょうよ!ひと個人を呼ぶ事ができるスキルなんて、女神様や創造者様以外にはいません!いたとしても精々、国のどこかに呼ぶレベルまでしかできませんよ!近くにいるかも知れません!探しましょう…!私のレイノちゃんをよくも!!」


アネットが言うとアルトは話を返す。

「あ、あぁ!女神ぐらいだが、広すぎる!この国だけでも探すだけで3日以上かかるぞ…!もっと人がいる!ってかレイノはお前のじゃねぇ!」


その言葉を聞き女神イースは直ぐに状況を把握し、微笑むとずっと混乱しているレイノの手を掴むと同時に呟く。

「そういう事…。」


そして、部屋を勢いよく出てきた女神イースは廊下に居る2人に言う。

「アルト!アネット!、レイノをスキルで呼んだのは、私よ、可愛くって抱き枕にしようと思ったの!」

そう言いレイノを引っ張り、レイノの頬を女神イース自身の頬にピタッとくっつけ2人に見せる。


アネットとアルトは硬直し、同時に発言する

「「あ。女神」」


2人は深い溜息をつき、安堵する。


アルトは安心した口調で言う

「お前かよぉ…勘弁してくれー…」


アネットはおどおどしながら言う

「ちょ、ちょっとイース様離れてください!!レイノちゃんは私のなんです!」


レイノは放心しながら思う。

(終わった…女神に見つかった…もうどうにでもなって…)



女神イースは提案する。

「で!それでなんだけど、今日レイノちゃんを貸してくれない?」


アネットは全力で否定する。

「駄目です!レイノちゃんにはこれから私とギルマスに希少のダーク系魔法の事について教えてもらうんですから!」


女神イースはアイテムボックスから金貨2枚を取り出しアネットに渡した。

「じゃあ…金貨2枚を払いましょう!これでどうでしょ?」


アネットは悔しながらもその大金を見て承諾する。

「…!金貨!?2枚も…!くっ、い、良いでしょう。でも、汚いですよ!女神がそんな事でいいんですか!」


女神イースは笑い、ぐったりしているレイノを担ぐ。

「ふふふ!なんとでも言うが良いわ!」


アルトは言う

「お、お前らレイノは物じゃねぇからな?金で取引してんじゃねぇよ…」


ちなみに、この世界での通貨の説明。

この世界での通貨はあまり発達していなく。

銅貨が百円、銀貨が千円、大銀貨が1万、金貨が10万円、白金貨が100万円と、なっている。それ以上の金額となると白金貨が嵩張るため、希少の鉱石での取引や物々交換になってくる。

形状と状態と大きさにもよるが、オリハルコン→アダマンタイトと価値が上がる。

ミスリルもあるが白金貨と同等の価値。

ちなみに通貨が無い村や町などは物々交換が主流である。




女神イースはレイノを部屋に招き朝食を取りながら会話をしていた。


レイノはさっきの出来事を考えていた。

(女神のお陰で助かったけど、あの2人ダークショックの事を希少魔法って言ってた…バレたと思ったけど、僕の勘違いだったのか、思い込みって怖いな…だけどこの女神様にはもうバレてるだろうな…。)


女神イースは言う

「レイノちゃん実はね、貴方達冒険者のステータスを把握しないといけない女神だからと言う適当な理由でギルドマスターから見せてもらっているの。」


レイノはそれを聞き食事の手を止め女神イースの顔をみる。


女神イースは話を続ける

「それでね…さっきの事だけど、貴方もしかして…」


レイノは観念した。ここまで元の世界の知識が働いていたが故に、この展開でバレないはずがなかったと思った。そしてレイノは喋ってしまった。

「はい…私は創造者の職業です…。」


それを聞いた女神は驚愕した。

「え、今なんて…?」


その言葉にレイノはハッとした後すぐ顔を伏せた。

(まさか…!また墓穴踏んだ!?)


女神イースは暗い言い方で再び聞く。

「貴方…いま創造者って…言った?」


レイノは言ってしまったものは仕方ないと溜息をつき答える。

「…はい。ボクは…いえ、僕は…この世界に転移して来ました。」


レイノは言葉を少し溜めた後言う。

「職業は…創造者です。」


その言葉を聞き女神イースは思わず立ち上がる。

立ったまま動かず、伏せた暗い顔から涙が落ちた。すると、テーブルを避け椅子に座っているレイノの背中に手を回し抱きつく。そして号泣する。

「主様…ッ!主さまだ…!アニス…皆…!イースは主様に会えました…!!」


女神イースは泣きながら言う。

「主様?お顔を見せて下さい…!」

そう言うとイースは両手でレイノの顔を抑える。


レイノはされるがまま泣いている女神イースを驚きながらも見ていた。

「主様…!」

そう言うと今度はレイノの頭を両腕で優しく抱きしめる。

レイノはその流れで、そっとイースに手を頭にのせる。




しばらくすると女神イースは泣き止み。レイノから少し離れ涙を拭って、跪き、謝罪をする。

「至らぬ姿を見せました主様…。」


その丁重な様子を見てレイノは否定しつつ、口調を元に直すよう言う。

「まって下さい謝る必要ないですよ!それに僕も隠していましたし…。っと言うか、そのー…喋り方…今まで通りに喋ってほしいな?…喋りづらい気がするから…」


女神イースは丁寧のままの口調で感謝し、レイノの言葉を承諾する。

「寛大な心遣い有難うございます。そして配慮が足らず申し訳ございません。では…そうさせて頂きます。」


レイノは返事をし、女神イースに聞く。

「うん!。それで、色々質問したいけど…イースも聞きたいことがあるみたいだしイースから話してみて?」


女神イースは失礼と思いながら言葉を戻し、問う。

「はい…。コホンッ、じゃあ、どうしても伝えたい事から話すわね…。」


そう言うとイースは問い出した。

「まず主様のここまでの出来事を大まかで良いから教えてほしいの。」


レイノは答える

「うん。じゃあ、この世界に来た時とここまでの事を話すね。」


この時すでにイースの涙を見ていたレイノは、結果がどうなろうと女神イースを信頼することにした。

そしてレイノはここに来た出来事を話す。


女神イースはレイノの話を聞き激怒すると同時に掴んでいた、水の入った木のコップを握力で割る。

「あのクソ王ッ…!なにか隠しているとは思っていたけど…!まさか私の新しい主様を殺すなんて…!次会った時は負の代償を払ってでも倒す価値があります!」


レイノはその様子を見ながら水を口に運ぶ。

(女神様怖い…怒らせないようにしよ…それと、ボクのスキルの代償もそうだけど、他にも代償がいる事があるのか…。負の代償って何だろう?)


女神イースは少し冷静になり。割れたコップと漏れた水を掃除をする。


そしてレイノの無事に安堵し笑顔をレイノに向ける。

「でも良かったです、生きておられて…本当に。それにここに来てすぐに自身のスキルを使いこなすなんて凄いお方です…!」


レイノは少し照れ質問をする。

「そ、それでボクからも聞いていい?」


女神イースは返事する

「えぇ、もちろんです。なんなりと。」


レイノは問う。

「えっと、知りたいのはこの世界の事なんだけど…全部じゃなくて通貨の事と、イースが知っているおとぎ話とか?かな。あと、知ってたらなんだけど、この世界で最強な生き物って何なのかな?」


レイノは質問する事を考えていた。

 この世界に来た時に、最も信頼でき、頼れると思った人に会った時、聞きたかった事。

まず、生活に大事な通貨の事、次に物語となる伝承や、おとぎ話で。それを聞く理由はその伝承やおとぎ話で世界の事情が大体把握できるからだ。

 なぜ遠回りにそうする必要があるかと言うと全てを教えてもらうと旅をした時の楽しみが無くなるからと言う考えだからである。レイノは異世界に来ても、元の世界の本で覚えた異世界の憧れが何より大好きであった。

 そして、当然に、瓜二つのこの世界を実際に見て、守れるものは守って大切にしたいと言う気持ちだったのだ。

 最後に質問した最強の生物だが、定番と言われるチート能力でも苦戦するであろう相手を聞いておきたかったのだ。これがレイノにとって一番重要であった、もし、レイノが本や転移などの主人公のポジションだったとして、相手がいるならば必ず戦い苦戦する場面があると思っていたからである。その為に、聞いておく必要があった。



そして女神イースはその質問に答える。


まずは通貨について答える。

「そうですね…通貨ですが…」


通貨について話すと、次におとぎ話をしようとレイノに問う。

「次ですが、おとぎ話?というのでしょうか?似たようなのはあるのですが…えっとですね、これは国の大人が密かに知っているだけのお話で、長いですがそれでも良いですか?」


レイノは頷く。


頷いたレイノを見た女神イースは話し出す。

「では…、昔むかし、ある所に創造を司る神と女神が4人がいました。神は創造により人族を創ります。

 すると人はあらゆる物に興味を示し沢山のスキルと魔法を神に願いました。 


 4人の女神はそれを拒否しようとしますが優しい神様は人族にあらゆるスキルを渡しました。すると人族は神様をスキルで倒してしてしまいます。


 4人の女神は悲しみ、人族に矛を向けました。


 その時の戦いで女神が3人死んでしまいもう1人の女神も傷を負ってしまいます。その時、女神は全ての力を振り絞りスキルである、負の代償を発動させ、定期的に大量の魔物を作る呪いのクリスタルをここアーリル大陸の真ん中に創ってしまいます。そして女神は死に、人族はそのクリスタルを壊そうとしますが、女神の命を代償としたスキルはとても強力な物で、創造の神を倒してしまった人族でも、どうすることもできませんでした。


 それから月日が立ち、新たに女神が生まれました。ですがその女神でもクリスタルには、どうすることもできないと知り、人族に嫌われ、女神は1人になります。1人になった女神はあまりの寂しさで、とある村でとても弱っていた子供を盗むと創造神の代わりとなる職業、創造者をその子に宿らせました。

 その事を知った人族は新しい女神が創った創造者はクリスタルを壊せないと決めつけ、その子と女神をスキルで殺します。

 ですが、また女神が死ぬ間際、死んでいく創造者の子供に寄り添い、負の代償スキル使用し力尽きました。その時、負の代償で創ったのが永久負託えいきゅうふたく、効果は付与した者の職業を50年~80年の間に新たな人族に付与するものです。

 さらに月日が経って、そのようなことが5度も起こります。

 この間の事を六転時代と言われるようになりました。そして時代が変わり人族の状況が変わります。人族が心を入れ替え出しました。それはクリスタルが別の物を生み始め、最初はただの弱い魔物だったのですが、少しずつ強くなり始めたのです。そして50年前から人族は創造者を厄介者、女神を人族の守り神と言うようになりました。」


「あとですね、なぜ、創造者が厄介者と言われるのは、見境なく人族の子供にスキルが転生するからと言う理由です…。そして女神が守り神というのはクリスタルの強い魔物を倒すことができる存在だからでしょう。ですが…私は…。」


女神イースがここまで話すと口を閉ざした。


レイノは考えた。

(なるほど王様が厄介者って言ってたのはそういう事か…。しかし六転時代…最初の創造者が1人、そしてその後5人が亡くなった…そしてボクは8人目…という事は7人目は…。)

そこまで考えると何かを察してレイノは言う。

「イース様それ以上は大丈夫!ありがとう!それよりこの世界の最強の生き物ってなに?」


そうレイノが言うと、ハッとし、女神イースが答える。

「あ、はい、私がしっているのは、まず地上ですと、人族には勇者と英雄殿、人化ができる亜人の炎竜様と氷竜様がいます。あと獣人でギルドにも所属しているSSランクの方2人ですね、ちなみに英雄殿は人族で唯一のSSSランクです。そして地下なのですが…すいません。地下には100階以上のダンジョンがあるのですが、私が見たことあるのは100階にいる魔物のアースドラゴンまでしか見たことがありません…。」


レイノはお礼を言い微笑む。

「うん、それだけ教えてくれれば十分ですよ!ありがとう!」


そしてレイノは考える

(なるほどね…、話には正直めちゃくちゃ驚いたけど…話は繋がった気がする。負の代償は凄く危ない物ってのは分かったし。代償が何なのかは分からないけど、女神様達が命を落とすほどの物はイース様に絶対使わせないように気を配らないとね…。それから…地下のダンジョンに英雄!ドラゴンまで!やっぱりいるんだな…!見たい!この目で!)


そう思いながら外を見てウキウキするレイノ。


反対にレイノを見て何かを悩んでいる女神イース。

(主様に言うべき…?主様がいれば、大丈夫かも知れない。でもアレは女神として依頼を受けた訳だだし…!)


そうしている時だった。


アルトが部屋に飛び込んできた。


その音を聞きアルトを見る2人。

「休んでいる時にすまない!イース!連絡が来た!あと3日あたりで来るぞ!!タルト国に行く準備をしてくれ!」


レイノはよく分からない様子でアルトに問う。

「アルトさん何か遭ったんです?」


アルトは依頼の古い紙を持ち言う。

「あぁ、これはイースの依頼だ。」


レイノは女神イースの依頼に興味を示すも内容を把握もしないでイースを応援した。

「イース様も依頼を受けるんですね!頑張ってくださいね!」


その言葉に女神イースは気付かれないように元気を出し、答える。

「はい!イースは頑張りますね!」


レイノは疑問に思いつつアルトと部屋を出る。

(なんかイース様、様子おかしかった?)


部屋を出た後、アネットと会い、改めて3人で希少魔法について話し合っていたら昼になり、昼食を食べる。


アルトと離れた後、レイノは新たにアネットに頼み依頼を受けながら考えていた。

(よし、ボクは異世界の美人に弱いので、頑張ってるイース様の為に依頼をして、貰ったお金で何か渡してあげよう!ふふふ、定番であるならば、主と言っていたボクからのプレゼントは喜んでくれるはず!あ。アイテム製作で作ったほうが喜ぶかな?)


レイノはプレゼントを色々考え浮かれていた…。



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