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振り子時計

交通手段に揺られ、自分が発してしまった言葉たちの後悔も一緒に胸のカップに止めておけない。時間が過ぎるほどにあの場から遠ざかるほどに、ひとりの大人として情けないと重力を使ってくる。許可を出した自分と納得しきれてない自分が、お互いに息が出来ないと求めて本来の自分を殺しかけに来る。それに気付かされて無意識に息をするたびに、意識的に反応をする優太が心配そうに私に尋ねてくる。

つり革の前に座り込んでいるお爺さんは、2度感染しないようにインフルエンザ対策としてマスクをカバンから取り出し、気を遣うように上半身を聞き手のほうに傾けて着用する。

見る目のやり場がなくなったのか、私は停車駅の数を”あといくつ”と口ずさむ。そんな私を横で見て知っている優太は、神父のような微笑で見守っている。




・・・な、はずだった。

「あっ、悪い。あのさ、やっぱり俺んち来いよ。」

残り一駅だった地下鉄をアイツは、優太は、私の腕を鷲掴みして閉じようとしていた扉からホームへ降り立った。そして何がどうだとか反応する前に、片側のホームへ引き連れ込み空いてる席へと私の身を投げた。




そんな出来事があったから、いま私は、なぜ優太の部屋にいるかわからなかった。そして、遊びに来た時には渡したかったと持たされた麻紐。

優太の部屋は、すばらしい。

見渡す限り、これが”生活なのだ”と感覚で伝わってくる。いつ来ても心から憎くて魅せられて悔しいのに、この大切な気持ちが水素のようにすぐに燃え切ってしまう。

・・持たされた麻紐の糸を、私は考えなかった。








 「―—――――――――っ、」


・・・…なんだろう。

・・・…なんなんだろう、どこからやってきたのだろう。なぜか頬が痛い。拳でもなく物でもなく、なにか平べったくて何か意味があって重たいモノが頬を痛くしてる。

泳いでいる瞳をまず焦点を合わせ、色素を認識して落ちていた顔をゆっくりと上げた・・。


 「・・・ぇ、」


優太だった。優太が、座り込んでいる私の何倍も高い身長で見下ろしていた。判る範囲で知れたのは、優太がその隠している右手で私を叩いたのではないのか・・という事。



 「・・・何度も言わせる気か?さっさと、それで首をくくれ。」


もし、これが現在進行形で私が語り部なら聴き手に尋ねたい。私は今、洗脳されているのだろうか?こうも簡単に身体が動いてしまうのは、私自身がそういう風に動ける心情にあって動いているのか。

どこに用意されていたのだろう・・・。脚立を手にして、括れるところに私は麻紐で何かをしている。優太ながらの、自分が想い出している声が”アイツの声”という分類で、私の耳で聴こえ行動を起こしていく。なにかはじける音が空気中に伝わったと思われるとき、私の目の前は真っ白くなった。



優太の趣味が物語っているのだろうか・・・。

ベッドの枕元に置かれている振り子時計が、こんな私とリンクしてくる。


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