ギルドと薬草
貨幣が登場します。
銅貨<黄銅貨<銀貨<白金貨<金貨<王金貨<晶貨
という順の価値です。
全て×100で次の貨幣1枚の価値です。
翌朝。
「おはようございます、キャロさん。」
「おはよう、諸君。」
どこの上司かなとも思ったけどそんなことは言わない。
「で、どうだ由美。目的は果たせたか?」
「ばっちりだよ、キャロ姉。」
こいつらいつの間に……って勉強やってるときしかないか。
あのとき、直輝は加治屋を見に、由美はキャロさんと喋りにいったんだった。由美とキャロさんの表情を見比べる。あ、この2人確かに気があいそうだ。
「それじゃあ、ギルドに行ってきますね。」
「帰ってこいよ!」
「もちろんですよ。」
まだ、死ぬつもりはない。
冒険者ギルドに着いた。
「あの、すみません。登録をお願いしたいのですが。」
「わかりました。それでは、この水晶に触れて下さい。」
僕がその水晶に触れると、光を放った。
「問題ないようですね。これがギルドカードになります。再発行には手数料が必要になるので、無くさないようにしてくださいね。」
他の3人にもギルドカードが手渡される。
「では、ギルドカードについて説明しますね。このギルドカードには魔法が付与された魔石が組み込まれています。その魔石が、あなたがたが討伐した魔物の種類、数を記憶します。また、皆さんのGPも表示されます。このGPが一定値を越えるとギルドランクが上がっていきます。ギルドランクが上がると、よりレベルの高いクエストを受けられるようになります。GPはクエストを成功させることで上昇します。逆に、失敗するとGPが減少します。ギルドランクは10まであります。ギルドランク1~7はGPによって決められます。ギルドランク8以上は一定条件を満たすことでなれます。ですので、ギルドランクが3から8へと上がるかたもいらっしゃいます。また、採取など簡単なクエストでも、繰り返し行っていくとギルドランク7までなら上がることができます。では、続いてクエストに関して説明します。ギルドを通して依頼されたもの、または、その働きを評価し、ギルドに連絡が入ったものがクエストとなります。前者は依頼額が少々大きくなりますが、依頼を受けて貰いやすいという利点があるので、こちらがメインとなっていますね。後者は余程活躍しないと望めません。なので、基本はギルドでクエストを選び、それを達成・報告するというのが冒険者の主な仕事となります。」
なるほど。わかりやすいシステムだ。
「それじゃあ、依頼を見せてもらいますね。」
依頼の一覧の中でギルドランク1の欄を見る。
クエスト一覧
ギルドランク1
・ブルースライム2体の討伐:銅貨20枚
・分裂兎2羽の討伐:銅貨20枚
・薬草50個の採取:黄銅貨3枚
etc.
「薬草の報酬が高めですね。」
「亜人種の群れが確認されているので、近頃大規模クエストを発布しようと考えているのですが、そうなると怪我人が増えます。回復魔法が使える人は希少なので、どうしても薬草が必要なのですよ。」
なるほど。
普通薬草は銅貨4枚ほどで取引される。薬草50本とは銅貨で200枚。つまり、黄銅貨2枚。だが、報酬が黄銅貨3枚。銅貨で言うと300枚。薬草ひとつにつき銅貨2枚ぶん高値なわけだ。
「このクエストは失敗しても、GPは減りません。余った薬草は市場価格で買い取りさせて頂いています。」
50って多いな、とは思ったがそういうことか。冒険者に割高な報酬を提示し、薬草をとりに行かせる。それで、取り合いをさせて規定数に満たない薬草を持って冒険者が帰ってくる。そして、薬草を定価で手に入れる…………
これに気付いた人なら普通は受けない。僕には神様ボーナスの検索機能があるから関係ないけど。それにあの場所があるし。
「じゃあこの依頼で」
「受けられるクエストを確認しました。気をつけて行ってきてくださいね!」
僕らはギルドを後にした。
「ねぇ、あれって罠じゃない?」
「私も……………そう思う。」
「罠だってわかってはいるけど、50なら不可能じゃない。」
「罠ってどういうことだ?」
直輝だけわかってないらしかった。
直輝に由美が説明する。
どうやら理解したらしい。
「で、50なら大丈夫ってどこからそんな確信が?」
「ひとつだけ、他の人が知らない薬草の群生地があるだろ?」
「群生地?そんなのあったっけ?」
「そういえば………あった。私たちが………子どものころの、………秘密基地。」
「「あっ!」」
由美と直輝がシンクロする。
「確かにあそこなら。薬草の数は50なんてもんじゃないね。」
そう。だから、これは――――
―――僕らのためのクエストだ。
更新はとりあえず2~3日に一度はやろうと思います。
忙しくなったら週1かな?
テスト前とかは更新しません。(南野は学生なので本業を疎かにできないのです。)