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寝顔と月明かり

このお話は加奈恵視点でお送り致します。

………あれ?寝ちゃってた?

私はどうやら、寝てしまっていたようだ。

そして、今は光くんが真横にいる。光くんも寝てしまったらしい。

「こんなに近くで光くんの寝顔を見るのは2回目かぁ…」

あれは3年ほど前だったかな。光くんと二人で、ニシハラのはずれにある大樹の下で魔法の練習をした日、私も光くんも疲れてそこで寝てしまった。

木漏れ日が作りだした光のカーテンが妙に綺麗で。それと相まって光くんがとても可愛らしかった。普段の勉強する姿が妙に様になっている光くんとのギャップがすごくて。

私は………、私は………………。………………………………………。

あのときのことを思い出してしまった。正直、今私はバタバタとしたい!でも光くんがいるからそうするわけにもいかず。

結果、頬を紅くして、黙って俯くことしかできなかった。


少し時間が流れて。

「んっ……………」

光くんの声がした。目を覚ましたみたいだ。

「あれっ……僕も寝ちゃってたか」

この言葉が指すのは、私が先に寝てしまったということともうひとつ、無防備な寝顔を晒してしまったということで。いや、良いんだけど!とりあえず

「おはよう、光くん。」

と声をかける。

「おはよう。」

と返してはくれたけど…………。

なんというか、気まずい。

光くんも顔を少し横に背けてしまっている。

ここは、ちょっと思いきってみよう。

「あのさ、光くん。ちょっと………夜風に当たりにいかない?」

今の私だとこれが限界です。

「わかった。それじゃあ、いこっか。」

光くんが手を差し出してくる。初めて行く場所に行くときは、彼はいつもこうして、私の手を持って、連れていってくれる。

ただ、今このタイミングでは少し気まずい。それでも彼は手を引かない。

私は、この妙なところは優しくて、それでいてちょっと鈍感で。それでいて芯は真っ直ぐで。そして、誰よりも仲間想いな。

「………よろしく。」

――――彼のことが、たまらなく、好きだ。



「あれ?二人ともお出かけ?」

「はい。ちょっと夜風に当たりに。」

キャロさんから話しかけられました。

「お、手をつないじゃって。二人ってお付き合いとかしてたの?」

「そ、そういう訳じゃ、ないです。…………………今は」

私は慌ててそう返した。最後のは物凄く小さい声で言ったから、多分聞こえてないけど。

「ま、まぁそういうことなので、行ってきますね!」

「はいはい。行ってらっしゃい!」

キャロさんに送り出される。私あの人結構苦手かも………。


町の外れまで歩いてきた。そこには。

石橋がひとつ、川にかかっていた。光くん……ここでは代名詞を使ったほうが良いか。彼は橋の上へと私をつれていく。

「夜風にあたるなら、ここに連れてきたくって。」

「わぁ………」

そこには、幻想的な光景があった。

満天の星空。神々しく輝く月。宙を舞う光の粒。

「ここ、昼間はデートスポットになっているらしいんだ。でも、この場所の夜の美しさを知ってる人はあまりいない。モンスターが来る可能性があるから、夜に好んでここに来る人はいないんだ。……気に入ってくれたか?」

私の答えは、もう、とっくに決まっている。

「気に入らないわけないじゃない。」

聞こえてくる川の音。吹きわたる風の音。その全てが心地良い。

私達は少しの時間をそこで過ごした。

他愛もないことを二人で話していた。

…………そこに、かすかに不協和音が混ざる。

私は彼に告げた。

「私達、囲まれているみたい。」

伝え忘れてたのでこの場で。

この世界では14月まであります。


自己申告ステータス

楯山 直輝

身長:156

体重:49

黒歴史:薪割りを剣でやったことがあること、由美の前で微妙に格好つけること

特技・趣味:剣、盾を磨くこと

目、髪、好きな色:青と赤、薄い青、鉄の色


作者の感想:剣馬鹿が由美ちゃんによって良くなる兆しがありますね。この作品では数人しか登場しない予定の目の色が左右で違うキャラです。背が高い方のキャラです。

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