メリークリスマスとハッピー|
はじめに。
遅れてしまい申し訳ございませんでしたぁぁぁぁぁぁぁぁ!
過去編は中々筆が進みません…………
現在へと至るプロセス。これをしっかりとさせたいが故に中々筆が進みません。
という訳で代替としてこちらを投稿します。
今回は外伝です。
光の転生前の話(ただし主観は光ではない)です。
そして、クリスマスネタです。
クリスマスに執筆開始して、昨年中に投稿する予定でしたが、
「涼夏! スマホ触ってないで掃除手伝え」
「涼夏! 宿題やったのか?」
……永遠のラスボス「親」には勝てません。
お陰で15日ほどかかりました。
…………いつも通りとも言いますが。
今回は光の同級生の、「金澤 深波」という娘の主観で書きました。この話は外伝でこそありますが、この深波は今後(4章か5章辺り)の展開に関係してきます。
っと、ネタバレはここまで。
では、相変わらず残念な作品ですが、お楽しみ下さい。
「ごめん、深波。明日から出張になった」
「えっ………………………」
今日は12月23日。お母さんと弟は今朝からお母さんの実家へと帰っている。私の家族は、年始は忙しいからと、大晦日までに集まり食事会をして、翌朝におせち料理を食べてそれぞれの家に帰ることになっている。私たちは毎年、そこからお父さんの実家に向かうわけだが。
私も小学生になるまでは一緒に連れていってもらっていた。曰く、クリスマスプレゼントを枕元に置きやすいというのもあるらしいが。
「いつ、帰ってこれるの?」
私はクリスマスの日が終了式なので、お父さんの仕事が休みになる28日から向かう予定になっている。
「27日の夕方に帰ってくる。心配しなくても、深波をお義父さんとお義母さん…………… 深波のお爺ちゃんとお婆ちゃんのところには連れて行くから」
「約束だよ?」
「絶対に」
お父さんは笑顔を私に向けてくれた。
クリスマスイブの日は日曜日だから、学校はない。
私の通う学校には給食制度がある。だから、明日のお昼は心配しなくて良いのだが……………………
「今日のお昼どうしよう」
お父さんが帰ってくる27日の昼食と夕食まではどうにかしないといけなかった。
私は、近くにあるショッピングモールのフードコートにやってきた。特に食べたいものも無かったので、品揃えが豊富で、私ひとりでもどうにかなるところを選んだ結果が、このフードコートだ。
「ほんとにどうしようかな………………」
私が壁面に飾られたメニューやサンプルを見ながら悩んでいると、
「金澤さん、こんなところでどうしたの?」
と後ろから声が聞こえてきた。
誰なのかはショーケースに写る顔が、その声が教えてくれていた。
「わ、渡邊君?」
「そうだけど、どうかした?」
「なんでこんなところにいるの?」
「親が出掛けてて、僕が料理はできないから、かな。それはそうと、金澤さんがここにいるのは珍しいね」
私のお母さんは料理がとても上手で、調理師の免許も持っているて、お店を出している。だから、余った食材メインで昼食、夕食が出てくるので、外食することはほとんどない。年末年始はお母さんは早めに実家に帰るけれど、お母さんの影響でお父さんも料理上手になっているので年末も外食は一切しない予定ではあった。のだが、主にお菓子作りしかできない私だけとなったいま、外食をすることにした。
という旨のことを話すと、
「」
と訳の解らないことを言っていた。
私は昼食を食べ、すぐに家へと帰った。
15時になった。
外は冷え込んで、雪が空を舞い、地面は薄く白い雪を纏っていた。
同年代くらいの子達が、白い息をだしながらその中を駆けている。
私はその光景を硝子で隔絶された、暖かくあっても、温かくない場所から眺めていた。
…………気がつくと、電子的な鐘の音が家の中を木霊した。静かさを破る音。その音がかえって静けさを告げていた。
私はキッチンへと移動し、ケーキを焼くことにした。いつものように、家族と過ごす夕食のために――――
焼き上がりを告げる電子音とともに、だいぶ前に聞いた鐘の音が聞こえてきた。
外を見ると、茜色に輝く雪が空を舞い、外を駆ける子達は失せ、代わりに高校生くらいの男女が、街中の方へ向かっていく。その中を逆走する人の中に見慣れた顔を探していた。判っていたことではあるが、その中に見慣れた顔は無かった。
外の世界でイルミネーションが輝いている。
そんな眩しい世界と布で隔てた世界で、私は揺らめく炎を見つめていた。世界は、静寂の中にあった。
いったいどれだけの間見つめていただろう。今日は初めて聞く電子的な鐘の音が、耳に届いた。それと共に、部屋の中に微かな光が灯った。
そして、耳にもう一度その音が届いた。
私はその光へと一歩ずつ近づいた。そしてその光が、鐘の奏者は「同じクラスの渡邊君」であることを教えてくれた。
私はたっ、たっ、たっ、と少し慌てて玄関へと向かった。
扉を開けると、向かいの家の白いライトアップの光が、空を舞う雪を輝かせていた。橙色の街灯の光が、雪を色付けていた。橙色の空舞う雪の煌めきは、茜色よりも遥かに幻想的だった。
そして、渡邊君は居なかった。
その代わり、風景の煌めきに飲み込まれそうな、ラッピングされた小さな箱が置かれていた。
部屋に戻り、箱を開けてみると、どうみても手作りのプラネタリウムが入っていた。
中に入っていた電池をセットして、そのプラネタリウムに明かりを灯した。
天井に光が写しだされ、流れていく。天井に写しだされた星を眺めていると、端に光の塊が現れた。
その塊は徐々に増え、やがて天井に「M」を写した。その後も光の塊は増え、「e」「r」「r」「y」「C」「h」「r」「i」「s」「t」「m」「a」「s」という文字を写し出した。
「Merry Christmas」
そんなメッセージを、こんな形でつげられた。そして、メッセージはそれだけでなく、「,and Happy」と続いた。そして端から、光の塊が|状に姿を覗かせた。
私は「Merry Christmas,and Happy New yeah」というメッセージを彼は仕組んだのだと思って続きを待った。
現れた文字は「N」ではなく「B」だった。
「えっ…………………………」
私が困惑していると、次々と文字が現れた。
「i」「r」「t」「h」「d」「a」「y」――
「Birthday」――――
「Happy Birthday」――――――
「あ………………………………」
自分でもすっかり忘れていた。
今日は誕生日だということを。
クリスマスに埋もれ目立たなかった、自分の誕生日だということを。
「でも、どうして」
と思ったとき、ふと、クラスで時折目にする光景が頭を過った。
「ハッピーバースデー」
という、あるクラスメイトの声。
それを始めとして次々に飛ぶ、「おめでとう」の声。
そして最初のクラスメイトから送られる、小さな、ラッピングされた箱。
「てことは、これは」
渡邊君からの、誕生日プレゼントだ。という結論に至るまで、そう長くはかからなかった。
ひとりきりのクリスマスの夜。
そんな寂しさをうち壊し、幸せを届ける、同い年のサンタクロースが。
暗い、星に満たされた部屋に、暖かな陽光を届けた。
外伝は如何でしたでしょうか。
このままだと光が背中から刺されそうな気がしたので光に関して少し補足を。
光は優しく、人付き合いはできるのです。根が廃人なだけで…………。
要は見た目を平凡にした「ひもうと」みたいなものだと思って貰えるといいかと思います。
最後に私事についてこちらでも書きます。
約1年後、私はセンター試験なるものとにらめっこすることになります。
センター試験は強敵です。
その敵を倒し、大学にたどり着くために勉強しようと思っています。そのため、執筆はほぼできなくなります。
よって、投稿が激減すると思います。
エタるつもりはないので、投稿が無くても気長にお待ちください。
では、これにて失礼します。
読んで頂き、ありがとうございました。