採取と帰路
この話は結構短くなっています。
8/10
詠唱切断→詠唱省略
と書き換えました。
本を読んでいると、目的地へとたどり着いた。
ニシハラの外れにある、小高い丘と一本の大きな木。
そこから少し離れたところに、今もそれはあった。
決して大きくはないが、小さくもない湖。そして、その壁面の微妙なずれ。
その奥には、通路が続いている。
僕らはその隙間から、奥の通路へと移動した。一度ここへ来て以来、僕らの服はこの湖では濡れない。
それは、彼女がそうしているからだ。
「お久しぶりです、冬乃さん。」
「お主らはつい先日、そこの町を出た筈だが?」
「クエストで薬草が必要になったので、一旦戻ってきたんです。」
「なるほどな。亜人種との戦への備えじゃな。わかった。そこら辺の薬草を適当に持っておいき。あと、光と加奈恵。魔法使いであるお主らにはこれも渡しておこう。」
「これは一体………」
「高速詠唱・詠唱省略の首飾りじゃ。元はお主らが昔、私にくれたものだ。それに私が加護を与えたまでよ。」
「それって聖樹としては問題ないのか?」
「問題ないじゃろ。お主らの誰からか、神の残り香を感じるしの。」
「わかった。ありがたく受けとる。ありがとうございます、冬乃さん。」
「ありがとうございます、冬乃さん。」
「改まらんでよい。お主らとは良き仲で居たいからな。」
そう言って冬乃さんは微笑んだ。
僕らは薬草を集め、ジークへと向かう。
行きは直輝が御者をしていたので、帰りは僕が御者だ。
「直輝くんと由美ちゃんは寝ちゃったみたい。」
そう言って、隣に加奈恵がやってきた。
あ、そういえば。
「加奈恵は冬乃さんと親しそうだったけど、昔なにかあったの?」
「なに?嫉妬?」
「い、いや、そういうつもりじゃないけど……」
慌ててそう返すと加奈恵が少しクスクスと笑って。
「光くんも多分知らない昔の私と似てるから。かな?」
意味深な言葉を、僕に言った。
自己申告ステータス
春夏・F・冬乃
身長:不確定
体重:不確定
年齢:記憶にない
特長:不確定
特技・趣味:世界観察
作者の感想
久々のコーナーですね!
冬乃さんは世界樹の精霊という設定です(ネタバレしてない?)。なので容姿は不確定なのです!
戦闘能力的には「ある条件を除いて」特に強いという訳ではありません。ですがその知識量や加護と「人外の力」で光たちの冒険を助けます。
名前のFはfallです。「秋」以外に天から「降って」きたことも表しています。fallには他にも意味がありますが。
名前の通り彼女がこの世界の四季を司ります。性別は精神的には女性です。なので肉体も基本女性型です。
基本的に「雪のような銀髪で幼めに見える体型」です。彼女は末っ子ですから(他にも四季を司る精霊がいる)。