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泣き虫な私が勇者になる話  作者: グリゴリグリグリ
第5章:レジスタンスとしての私
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5-7

 ハーニーが城の中を突き進んでいた頃。

 レジスタンスの旗頭でもあるマレーナは、戦場でもあるメロディヌス城を見渡せる場所で戦況を見守っていた。


「報告します! 東西南北それぞれより侵入成功。敵の抵抗もありますがハーニー殿を始めとして何人かが城の中へ入り込めたとのことです」

「……そうか」


 戦いについては素人でもあるマレーナだが、それでも久しぶりにあったハーニーの強さはわかるつもりだ。

 同じく冒険者として依頼を一度共にしたガイザールから話を聞いていたが、再会してから時折見かける、訓練をしているハーニーの姿はもう実力者のそれであった。

 かつては泣いてばかりで異聞の後ろを付いて来ていたハーニーが、腕っ節では完全に抜かれてしまった。そのことに一抹の寂しさを感じるマレーナであるが、それ以上に涙を見せなくなったハーニーが頼もしく、心配でもあった。

 お陰で今回の作戦でも情に流されそうになることも幾度。

 頭を振って頭を切り替える。


「後続は城の周囲を固めて中から敵を逃がさないように。そして住民を中に入れないようにしろ。追い詰められた敵の兵士がなにをするのかわからないからな」

「了解しました!」


 部下は伝令に走って行く。

 こちらはあくまで現政府に対する反抗勢力。いくらか民衆の支持も得られているが、少しでも一般市民に被害が出ようものなら糾弾されるに違いない。現政府の手の者による攻撃であったとしても、まったく関係ない事故であったとしても、そうなる可能性があるのだ。

 第一目標はカルミール大統領の暗殺。それと同じくらい大切なこととして人々の安全確保。

 二つ目はハーニーに伝えていない。

 そこまで背負って器用に動けるほどハーニーはできた人間ではない。それ以上に、これ以上負担を増やしたくなかったのだ。

 ハーニーは最前線で命を懸けているというのに、自分は後方で安全に指示を飛ばすだけ。

 思わず駆け出したくもなるがグッと堪える。

 自身の安全こそがハーニーの望んだこと。マレーナはそう言い聞かせているが、それは事実であり、もしも最前線にマレーナが居たらアーニーは戦闘どころではなくなるだろう。

 そして戦況は動く。

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