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泣き虫な私が勇者になる話  作者: グリゴリグリグリ
第2章:泣き虫な私とダムネシア
22/54

2-6

 この森には私の数少ない友達が居る。

 初めて出会ったのはいつの頃だっただろうか。マレーナと森でかくれんぼをしていて、お母様の言いつけを破って奥まで行ってしまった時だ。

 あの時は綺麗な剣だと見とれて、今でもたまに見とれてしまう。


『おはようハーニー。今日は早いんだな』

「おはようダムネシア。剣術の稽古があるからね。疲れて眠っちゃわない内に」


 剣に触ると声が聞こえて来る。

 耳に届いているのではなく、頭の中に直接響くような妙な感覚だ。

 ダムネシアと名乗ったこの剣とは、こうやって良く会話をする。緊張しないで話せるのはマレーナを除くとダムネシアくらいだろう。


『稽古をサボらないなんてめずらしいじゃないか』

「お父様と話してね、私ももう少し真面目に剣術は習おうかと思って」


 この前の剣術大会の帰り道の話だ。

 何かあった時にまず、体の弱いお母様を守らなければならない。なので自分の身は自分で、あわよくば私もお母様を守る剣の一つとして。

 これまで何となく察していた事情だったが、初めてちゃんとお父様の口から聞くことができた。

 そして、お母様を守るからこそ私には手が回らないかもしれない。

 もちろん、お母様と私のどっちが大切なんだ、なんてつまらないことは言わない。私だってお父様とお母様の二人共が大切だし、体が弱いお母様を優先するのは当たり前だ。


「だからせめて、心配させない程度には強くなりたいんだ」

『それくらいで良いのか? アレも欲しいコレも欲しいなんて言っていた昔とは大違いだ』

「そりゃあ……お母様を守れるくらいの力があれば良いけどさ。って、私、そんなに我が儘だった?」


 自分の力量は自分が一番良くわかっている。

 メアリーに剣術を教わっても、目に見えて伸びるようなことはない。魔法の練習だって人並みかそれ以下だ。

 お母様を守るのは強い人に任せて、私は自分の身を精一杯守る。これが限界だろう。


『まぁ、もっと強くなりたいと思った時は私が力を貸そう』

「ありがとう。頼らせてもらうね

あんま書く予定のなかった過去の気がするので驚くほど短いですね……

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