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ちょっとした待ち時間に読む話が流石にネタ切れしてきたので、思いつかぬ間はこちらを改稿していくことにしました。

 私は昔から泣き虫と言われた。

 遊んで欲しいと私を囲う子犬に泣き、食事に苦手なにんじんが入っているのに気づいて泣き、お父様に叱られては泣いていた。

 私の泣き癖を直そうお父様は様々に手を尽くしたが、どれも目立った効果は出ず、私はその度に涙を流していた。いつまで経っても泣いてばかりいる私のためを想っているのだ。


「お前も貴族なのだからすぐに泣いてはいけない」


 いつも厳しく言っているが、私はそんなお父様が大好きだった。

 私は涙を流すと決まってお母様の部屋に駆け込む。きっとお母様にもやるべきことがあるだろうに、お母様は私が飛び込んで行くといつも笑顔で抱きしめてくれた。


「あなたはあなたのままで良いの」


 お母様はいつもそういって私を慰めてくれる。そんなお母様が大好きだった。

 そんな私も今日で十五歳になる。

 黄涼の月七日。今日、私は十五歳になる。

 一般的に十五歳の成人の誕生日は大きく祝うものだが、貴族の娘の成人となればそれはもう大々的なパーティが催される。

 目的の大部分が、他の貴族に対する私のお披露目で、婚約者を探すものである。昨日まで子供だったのに急に婚約者と言われても訳がわからない。

 お父様は貴族としての務めがどうたらと言っていたが、正直泣きたい気持ちになる。

 流石に成人を前にして滅多なことでは泣かなくなったが、今日催されるパーティでのことを考えると憂鬱で、涙の一つも溢れそうだった。

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