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もどかしい恋  作者: 江川蘭菜
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彼の過去

気がつけば私達は、2年生になっていた

今も私と晴人君は、付き合っている

先輩は、今年で卒業してしまう

「絶対、杏奈ちゃんよりも 幸せになる!」

先輩は、闘志に燃えていた

今日は、デートの日

行く場所は、私が前から行きたがっていた

水族館だ

ワクワクしながら 待ち合わせの場所に向かった

『あ、もう来てる!まだ、待ち合わせの

時間よりも早いのに』

私は、早く彼の元に行きたくて少し、走った

「晴人君!お待た…せ!?うわっ!!」

何かに躓き 転びそうになったが

晴人君が 間一髪の所で 助けてくれた

でも、その体制は、あまりにも恥ずかしくて

顔から火が出そうになった

「ありがとう…晴人君 でも、この体勢

恥ずかしいな…」

「良かった…間に合って 焦ったよ

どこも怪我ない?…あ、ごめん!

腕掴んだ勢いで 抱きしめちゃったね」

私達は、周りからの視線に耐え切れず

足早に水族館に向かった


「うわ〜!美味しそう!あのお魚は、

焼いてもいいし、煮ても美味しいし、

あのお魚なら お刺身で食べられる!

あー、お腹空いたなー…」

私は、そこまで言って気がついた

『あ、私ったら 綺麗とか凄いとか

言うのが普通なのに 美味しそうって

言っちゃった!』

チラッと晴人君の顔を見ると

驚いた顔をしたが すぐに優しい顔になった

「杏奈ちゃんは、面白いね 僕は、嫌いじゃないよ

確かに 美味しそうなお魚ばっかりだもんね

杏奈ちゃんって 料理したりするの?

お魚見ただけで 調理法言ってたから」

「お母さんのお手伝いだけど良く

ご飯作るんだよ!お昼のお弁当

たまに私が自分て作るんだ!

良かったら 今度、私がお弁当作ろうか?」

「…いいの!?是非!お願い!

うわ〜楽しみだな〜!」

晴人君は、そう言って笑った

『やっぱり、晴人君は、笑い方が ぎこちない

前よりも優しい顔をするようには、なったけど

まだ、心から 笑ってない気がする…』

私は、初めて出会った時からの 疑問を

晴人君に 直接 聞いてみる事にした

「ねぇ、晴人君…初めて会った時から

思っていた事があるんだけど

もし、気分を悪くしたらごめんね」

急に改まった私を見て晴人君は、

不思議そうな顔をした

「何?あ、ここじゃ話しづらいよね…

向こうのフリースペースなら

人いないからそこで話そうか」

晴人君は、飲み物を買いに行ってくれた

その間に 聞きたい事を 頭の中でまとめた

「お待たせ はい、どうぞ…話って何かな?」

「ありがとう…あのね 私の勘違いかもだけど

晴人君は、心から笑った事ある?」

長い沈黙の末 晴人君は、口を開いた

「杏奈ちゃんだけだよ そうやって

僕の 表情を読み取ってくれるのは…

僕は、心から笑った事は、無いよ

この話するのは、

杏奈ちゃんが 初めてなんだ

長くなるけどいいかな?」

晴人君は、私に話してくれた

彼の過去の事を…


「ねぇ!お母さん!これ見て!」

僕は、小学校で テストで100点を取った

学校から帰るなり、お母さんにテストを見せた

「…邪魔 私は、今から仕事なのあんたに

かまってる場合じゃない どいて」

お母さんは、いつも、綺麗な格好をして

綺麗にお化粧をして 甘ったるい香水を付けて

お仕事に向かう

帰って来るのは、朝方が多い

お酒臭いまま寝てしまう

僕は、小さい頃から お母さんの手料理を

食べた事がない

アパートの隣のおばさんが 僕を呼んで

家に入れご飯を作ってくれる

僕は、おばさんの手料理で生きていた

おばさんの作る料理がおふくろの味だった

お母さんは、おばさんの事を 気に入っては、

いなかったが ご飯を無償で 作ってくれるので

文句は、言えないらしい

お母さんの料理を 食べてみたかったが

お母さんは、忙しいから無理だった

学校の行事も 一度も来てくれなかった

お母さんは、お父さんに捨てられて

僕を1人で育ててくれた

だから 少しでも、お母さんを 安心させようと

自分で出来る事は、自分でやった

お掃除、お洗濯、簡単な料理、お買い物

全て おばさんに教えて貰って覚えた

僕が 中学生になるとお母さんは、ほぼ、

家に帰って来る事は、無かった

隣のおばさんも 体調が優れず 病院通いをしていた

少しの救いは、お母さんが 食事分だけ

置いて行ってくれた事だ

たまに帰って来ると 機嫌がいい日は、

僕に お客さんから貰ったお菓子をくれる

機嫌が悪い日は、僕に八つ当たりをして来る

顔や体に傷が付かないように お腹を蹴る

僕は、辛かったが それでお母さんのストレスが

少しでも、無くなるなら嬉しかった


ある日、お母さんは、僕の顔を見て言った

「どんどん あの人に似て来るわね…

あんたの笑った顔は、特に似ていて

むしずが走る その気持ち悪い顔を見せるな!

あんたなんか 産まなきゃ良かった…」


「これが 僕が 心から笑えなくなった理由…

ごめんね… 折角のデートなのに

こんな暗い話しちゃって もう、終わった

事なのにまだ、僕は、鮮明に覚えてる

今、お母さんは、男の人と暮らしてる」

私は、自然と涙が出た

「酷い… でも、これからは、私が

晴人君の笑顔を変えてみせる

好きな人が 辛くて苦しんでるの

放っておけないから」

晴人君は、私に優しい笑顔を見せてくれた

「ありがとう 杏奈ちゃん 時間は、

かかると思うけど 杏奈ちゃんの前では、

いい笑顔になれるように努力するよ

だから これからも 僕の側で 見守っていて」

「勿論!晴人君の最高の笑顔を見るのは、

私が 1番、最初なんだから!」
































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