ライバル出現
私は、体育館の中に入った
一斉にみんなからの視線を受けた
恥ずかしがりながらも何とか自分の席に
戻って式を終えた
式が終わるとすぐさま隣の美代ちゃんが
声を掛けて来た
「大丈夫だった?杏奈 まさか倒れるなんて
前よりも酷いんじゃない?人見知り」
「心配かけてごめんね…うん 確かに
前よりも酷いかも…早く治さないと」
私達が話していると担任の先生が来た
「皆さん これから家族の方と皆さんで
集合写真を撮ります 準備が終わるまで
休憩していて下さい あまり、騒がずに
お願いします!」
後ろを振り返ると先輩方は、既に退去済みだった
晴人君と祐介君が来てくれて心配をしてくれた
「倒れた時は、本当に焦った もう、平気か?」
「実は、僕 あの時 杏奈さんを保健室まで
運んだんだ お姫様抱っこで…でも、気を
失ってたから気がついてなかったみたいだね」
照れ臭そうに 晴人君は、頬をかいた
「…ええええー!?ごめんね!
私、重かったよね?」
晴人君が私を保健室まで連れて行ってくれたんだ
しかも、お姫様抱っこで…!
『はぁ〜、なんて私は、勿体無い事を!』
自分の酷過ぎる人見知りを 初めて憎んだ
集合写真を撮る準備が 整い私は、急いで
家族の元へ向かった
家族からも心配され私は、反省をした
『人見知りを克服する方法を見つけないと
でも、どうやったらいいのー?』
ふと晴人君の方を見ると何故か家族らしき
人影もいなかった
『あれ?晴人君の所も 祐介君と同じで
家族の人 お仕事なのかな?』
私は、そう思ったが特に気にせず撮影を終えた
私達は、教室に戻り、先生からの話を聞き
帰る支度を始めた
「杏奈 私、お母さんと一緒に帰るから
また明日、家に迎えに行くから」
美代ちゃんと別れ 1人で帰ろうと廊下に出た
後ろから晴人君に声を掛けられた
「杏奈さん また、明日!」
「また、明日ね!」
私は、笑顔で手を振り返した
美代ちゃんと一緒に歩いていると
前に晴人君と祐介君が歩いていた
私達は、2人に声を掛けて一緒に
学校に行く事にした
私達、4人共 家が近いらしい
どうせなら登下校一緒にしようと
誰からともなく言ってみんなで賛成した
学校に着いて先生が来るまで4人で話した
『これから 楽しい学校生活になりそう!』
そう思っていた私だったけど 現実は、
そう甘くなかった…
お昼休み4人でご飯を食べようと
屋上に向かった時、晴人君とぶつかった
女の先輩がいた 2年生だろうか
ネクタイのラインの色が緑だった
「あ、ごめんなさい…少し、具合悪くて」
確かに少し、顔色が悪そう…
「大丈夫ですか?私が保健室に連れて…」
私が先輩を介抱しようとすると
その先輩は、私にだけ聞こえるように
はっきりと言い放った
「あんたじゃないのよ…私は、彼に
お姫様抱っこで保健室に連れて行って欲しいの」
先輩が見つめる先は、晴人君だった…
先輩は、その場に倒れ晴人君が心配して
介抱をしようと手を差し伸べた
その手を握り、「お姫様抱っこがいい」と
晴人君に苦しそうな声を出して言った
晴人君は、気がついていなかった
先輩が具合悪いのは、嘘…演技だって事に
先に屋上でお昼ご飯を食べる事になった
「絶対、あの先輩 演技だった…
晴人君にお姫様抱っこでって頼む余裕
あったし…てか それが狙いでしょ!」
「あぁ、あの先輩ぜってー性格悪いぞ
狙いは、晴人だな 晴人 全然、気がついて
いなかったからなー 心配だな」
2人は、怒りながらお昼を食べていた
私は、お母さんが早起きして作ってくれた
お弁当を一口も食べられなかった
『あの先輩、晴人君の事が好きなのかな?』
そればっかり考えてしまう
「杏奈…気にするんじゃない!
杏奈の方が あの先輩よりも晴人君と
仲良いと思うし、それに 一緒に学校で
過ごす時間が 長いんだからさ!」
「そうそう!あんな先輩に負けるなよ!」
2人が私を元気づけてくれた
「ありがとう…そうだよね 私の方が
晴人君と過ごす時間が長いよね!
よし、私、絶対に負けない!…ってあれ?
私、晴人君の事 好きなのかな?」
まだ、会ったばっかりなのに
こんなにも早く恋なんてしちゃうもんなのかな?
私が自問自答していると美代ちゃんが
抱き締めてくれた
「杏奈…好きになるのに 時間なんて
関係ないんだよ そんな事よりも
相手の事を想う気持ちの方が大事だよ
杏奈は、誰よりも 晴人君の事が好きなんでしょ?
だったら 最後まで諦めないで あの先輩を
諦めさせる事が大事だよ!頑張って!
私達も応援してるからさ!2人の事を」
私は、自然と涙が溢れた
「ありがとう…ありがとう!2人共
私、あの先輩に負けないように頑張るね!」
私は、決意を固め 先輩に直談判しに
保健室に向かった
保健室には、晴人君と先輩しかいなかった
私が迷ってるうちに保健室から先輩と
晴人君が話す声が聞こえて来た
「さっきは、ありがとうお姫様抱っこ
してくれて 私、嬉しかったわ
ねぇ、晴人君 私、貴方の事が好き…
でも、会ったばっかりでお互いの事
良く知らないと思うの だから これから
徐々に知っていけばいいと思う
晴人君は、どうかな?」
『先輩 実直過ぎる 私ならあんな風に言えない
益々、自分の不甲斐なさに 気がついちゃう
晴人君は、どう返事するのかな…』
「…僕は、先輩の事をそういう風には、
見えません これからも…
それに僕には、好きな人がいます
先輩の気持ちには、お答え出来ません」
頭を下げる晴人君を先輩は、優しい眼差しで
見つめていた
『断ってくれて良かったけど そっか…
晴人君には、好きな人がいるんだ…』
私は、モヤモヤする気持ちを抑えて
ゆっくりその場から離れた
今にも泣き出しそうなのをこらえながら…
教室に戻った瞬間、美代ちゃんが
いち早く私の異変に気がつき
廊下に連れ出してくれた
「ちょっと 大丈夫?泣きそうじゃない」
「…晴人君 好きな人がいるみたい」
私は、それを伝えるのが精一杯だった
「保健室のやりとり聞いてたんだね
杏奈 まだ、諦めちゃ駄目だよ
晴人君の好きな人が もしかしたら
杏奈って事もあるんだしさ
それに 先輩の告白は、断ってたんでしょ?
だったら まだ、イケるよ!」
美代ちゃんが応援してくれた
だけど私は、半分諦めていた
「ううん…私は、晴人君を応援する!
私の願いは、晴人君が幸せになる事だもん
だから これでいいの…私が諦めれば
晴人君だって悩まずにその好きな人に
告白出来るでしょ?」
私は、涙を抑えながら笑った
「杏奈…駄目だよ それじゃ
せめて 晴人君の好きな人が
分かってから諦めようよ
まだ、可能性は、あるんだし…」
美代ちゃんに背中を押され私は、
晴人君の好きな人を知る事にした
知っても辛いだけだけどスッキリした気持ちで
晴人君を応援したいから私は、この気持ちを
隠しながら晴人君の帰りを待った




