かくれんぼサトルくん
僕は友だちと五人でかくれんぼをする事にした。
黄色い声が笑いながら四方八方へと散らばって、僕は暗い中でそれを頼りに絞ろうと考えたり、時折、股の間から向こうを覗きこもうと腰を丸めてみようとしたりして待っていると、暗闇の中で寂しく響いた。
「もーいーよ!」
その声を聞いたと同時に僕は足を後ろに退いた。
回れ右をして辺りを見渡すが、木々のレモンティー色の木漏れ日に包まれて、落ち葉が踏む度に音を立てて孤独であることが強調されている。
そろそろ門限が来る事も理解しているから、僕はゆっくりと足を進めて探すことにした。
初めは近くの木の影から探そうと辺り一体を走り抜けたが、見つからない。
今度は、もっと深く潜ってみようと、鬱蒼とした背の高い草を掻き分けて進んでみたが、僕がこれ以上進めば危ないだけだろう。
本能が吠えたことで足を止め、来た道を引き返そうと思ったとき、ふと我に返った僕。
友だちをバラバラにして川に捨てて、足に重石を着けて飛び込んだ事を思い出したんだ。