対校戦(上)2
ホテルに着くと、そこには一般客にまぎれて、共和国の生徒の姿もあった。
ルービナはフロントで受け付けをして、ユウト達にカギを渡した。
フレイヤとレイシア、リュッカの3人部屋とエレナとスティア、ミリルの3人部屋、そしてユウト、ルービナがそれぞれ1人部屋に別れていた。
「さてと、荷物を置いたら、解散していいが、夕方までには帰って来なさい」
ルービナの忠告にフレイヤ達は聞き耳を持っていないようだった。
ルービナはため息をついたが、優しい表情となって、
「あまり、危険なところに行かないようにな。では、解散」
その言葉と共にフレイヤ達は急いで荷物を置きに行った。
ユウトはフレイヤ達の姿を見えなくなったあと、ゆっくりと自分の部屋に向かって歩いていった。
部屋は学校のAクラスの寮よりかは小さいが、ユウト1人が泊まるだけなら十分すぎる設備だった。
「さてと」
ユウトは旅行鞄を置いた。
中から魔銃剣と魔道書を出して、魔道書用のベルトに魔道書を入れ、
白い魔剣を左腰、黒い魔銃剣を右腰に差し、ベルトをはめた。
ユウトは部屋から出た。
ロビーには、フレイヤ達が立っていた。
「どうした? 出掛けるじゃあなかったのか?」
ユウトが訊くと、フレイヤ達は頬を赤らめる。
「1人で買い物に行くのもなんだから、あんたを一緒に連れてってあげようと思って」
フレイヤがそう言うと、ユウトは疑問そうな表情をした。
「フレイヤ、お前、両親に会うんじゃなかったのか?」
「あっ!」
ユウトの言葉でフレイヤは思い出したようだ。
フレイヤだけでなく、リュッカ、エレナ、スティアの家族も対校戦を見る為に王都に来る。
ユウト以外は両親に会いに行かなければならない。
「ほら、行ってこいよ。俺も用事があるから買い物に行けないし」
ユウトが言うと、フレイヤ達は眉を顰めた。
「ユウ君、用事というのは人に会うことですか?」
「ああ」
ユウトの返事で更に表情が固まる。
「そ、その人は女性なのですか?」
リュッカの質問にユウトは困ったような表情をする。
「心は乙女だよ。うん。でも、俺にとっての恩人だよ」
「お、乙女ですか。し、しかも、ユウ君に恩人と言わせるような女性ですか」
リュッカは声を震わせているが、彼女自身は気丈な風を装っているつもりだ。
他のメンバーは完全に固まっていた。
ユウトはその様子を苦笑いしながら見ていた。
「じゃあ、行ってくるよ」
ロビーから出て行った。
ユウトが出て行った後、フレイヤ達は暫く固まっていたが
「き、きっと、ユウトのことだから、女の子に会うんじゃないわよ」
「そ、そうだな。ユウトのことだきっとアリスのような人物と会っているんのではないだろうか」
「それは、それで困りますわね」
5人は笑っていたが、しばらくすると笑い声が小さくなっていき、
「誰か、ユウト君の後をつけていくことはできない?」
レイシアの問いに誰も返事ができず、俯いていた。
「ユウ君を信じるしかありませんね」




