閃光の夢 11
数日後、ユウトはルービナに呼び出されて学園長室に来ていた。
「それで、俺を呼んだ理由は?」
「あの貴族のことだがな」
「別に死んではいないはずだろ?」
「ああ。死んではいないが、ぎりぎり生きているよ。まあ、あれを生きていると呼んでいいのかどうかわからないが」
アルヴィンは手と足の骨は全て砕けて、身体中に切り傷が刻まれていて、意識はあるのだが、うわごとを繰り返している。
「手加減したのか?」
「ああ」
「あの破壊力で手加減か。笑えない魔装具だな」
「それで、俺の処分とかあるのか?」
「いや、向こうに中々きな臭いことがあって、君は一応罪人を捕まえたことになっているから、処分はない」
「そうか」
ユウトの顔に少しだけ安堵の様子が現れた。
「ほう」
ルービナは面白そうにユウトを見る。
「なんだよ」
「対校戦に参加させたのは間違いではなかったようだな」
「そうだな」
ユウトが小さく言うと、ルービナは嬉しそうな表情をした。
「さてと、行くとしようか」
「行くってどこに?」
「パーティー会場にだよ」
ルービナの言葉にユウトは思い出した。
今日の夜にユウトのチームの対校戦出場を祝う為のパーティーが開かれる。
「あー。あったな」
「あったなって、君は出ないつもりなのかい?」
「そうしようと思っているんだけどな」
「お嬢様達はドレスを着て待っているぞ」
「だから、出たくないんだよ。ダンスを誘わないとあいつら怒りそうだし」
「だが、主役には出てもらわないとこちらが困るからな」
「わかっている。だから、出るさ」
ユウトはそう言い、学園長室から出て行った。
壮行会が終わり、堅苦しい雰囲気がなくなって、料理を食べたり、ダンスを踊ったり、それぞれ自由なことをし始めた。
ユウトは1人で隠れるように会場を出て行った。
ユウトの恰好はタキシードではなく、普通の制服で主役をやるには不十分だった。
どこに行くというわけではなかったのだが、学園内を歩いていた。
そして、湖に着いた。
湖に月の光が反射して幻想的な風景を創りだしていた。
ユウトは白い魔剣を抜き、月の光に照らした。
白い魔剣は月の光を浴びて、ユウトを照らす様に白銀に光る。
「あと少しで」
そう、対校戦に勝てば、願いは叶う。
「だから、もう少し待っていてくれ」
ユウトは白銀に輝く魔剣を触れながら、
「ルナ」
自分の大切なパートナーの名前を呟く。




