氷の流星 2
ユウトの部屋でチームの全員が集まり、今後の計画を話し合っていた。
「今のところの状況はどうなっているんだ?」
「ユウト君。今、見てきたらこのチームがトップになっているわ」
「トップか。順調だな」
ユウトが言うと、
「何が順調よ!! あんたが1人で依頼を受けたから一気にトップになったのでしょうが」
「だって、お前らがずっと機嫌を元に戻さなくて面倒だったんだよ」
「うっ!!」
フレイヤは気まずそうな表情をする。
「ところで、ユウ君。ユウ君はどんな依頼受けたのですか?」
「学園にあったSランクの依頼と街にあった依頼を数個だな。内容は火山系統のものばかりだな」
「火山だと!? まさか、火龍の鱗を1人で取ってきたのか」
「ああ。そうだけど」
ユウトが平然と言うと、リュッカ以外は驚いていた。
火龍の鱗を取る為には、必然的に火龍と戦わなければならない。
火龍は特に人間の相手をしないが、1度認められると全力で潰しにくる。
人と竜種の力の差は、Aランクの魔法使いが100人集まってやっと下位の飛龍が狩ることができる。
「ユウトさん、どこの火山に行ったのですの?」
「フレイヤの故郷のスカーレット領の火山に行ってきたよ」
「「「「!!」」」」
更にフレイヤ達は驚く。
フレイヤの故郷のスカーレット領には最強の火龍がいる。
その火龍は、<魔王>に仕えていたフレイヤの先祖が操っていたと言われているが、もう今は誰も操ることができなくなり、火山でずっと寝ている。
その火龍には戦ってはならないと言われている。
「ユウト君。戦ったの?」
「いや。流石に竜種とは戦いたくないからこっそり近づいて、鱗を貰ってきただけだから」
「そう」
フレイヤ達は安心していた。
「2位はやっぱり副会長達のチームか?」
「はい。一応、私がこの学園最強となっていますが、彼女の方が実戦経験が豊富ですし、かなり器用な戦い方をしますから、彼女の方が強いと思います」
「うーん。できれば、生徒会メンバーとはこれ以上戦いないな」
上位5人は生徒会に入っている。
シャガールも入っていたが1番弱く、庶務をしていた。
「そうね。というよりも、彼女のチームとは戦いたくないわ」
副会長のチームに残り生徒会メンバー3人が入っている。
全員3年で実戦経験があるチームで最強のチームと言われている。
1人1人の力ではユウトのチームの方が強いが、チーム戦となると副会長のチームの方が強い。
「まあ。対策を考えないとな」
「対策か。何かあるのか?」
「全然。俺は1人で戦うことが多かったからチーム戦なんて、今年の対校戦が初めてだからな」
去年、ユウトはFクラスで対校戦に興味がなかった上に、誰からも誘われなかったのでチームとは無縁だった。
「だから、みんなの方がチーム戦は詳しいだろ。だからみんなの意見を聞きたいんだけど」
「私は王族だったから、パスね」
「王族だった。って、今は王族じゃあない言いようね」
レイシアの発言にフレイヤは眉をひそめる。
「もう城を出たからほとんど王族じゃあないようなものよ」
そしてレイシアは嬉しそうにして、
「将来的には王族を抜ける予定よ」
「「「「予定?」」」」
フレイヤ達はユウトを見た。
「なんで、俺を見る?」
「「「「別にー」」」」
「つーか、レイシア」
「真実を言っただけよ」
「どこが真実だよ」
ユウトは頭を抱えた。
「あら。ユウト君。全てが終わったら答えてくれるって言ったじゃない」
ガタッ!!
フレイヤ達は椅子から飛び上がった。
「どうした? というか、レイシア。答えるとは言ったけど結婚するとは言っていない」
「ユウト君。ひどいわ。でも、ユウト君をメロメロにして結婚してもらうわ」
ユウトはレイシアの言葉を聞いて頭が痛くなった。
軽くため息をついて、ずれてしまった話を元に戻そうとした。
「で、エレナ、スティア、リュッカ、フレイヤはどうなんだ?」
「私も人と組むのはあまりしませんでしたので、いい対策はありません」
「あたしもよ」
「わたくしもですわ」
フレイヤは素直に言えないという点でうまくチームを組めなかったのだろう。
エレナは弱い人は嫌いと言っていたから、馬が合わなかったのだろう。
2人とも最近はかなりよくなってきた。
「スティアは?」
風紀委員をまとめているのだから、チームでの活動は上手いはずだ。
「うむ。一応な」
「じゃあ、何かチーム戦でのポイントを教えてくれないか?」
「わかった」
スティアはチーム戦の戦い方を話した。
それぞれが自分の位置の役割を考えて行動するだとか、近距離戦をする人間は遠距離で狙う人間を考えて行動するだとか、そういうことを言った。




