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闇を照らす 5

 夜になり、誰もが寝静まっている。

(ふふふ)

 レイシアは闇属性の闇隠れで姿を消していた。

 闇隠れ(ダーク・ヒドゥン)は闇属性の第1階梯で、闇で存在を薄めるというだけの魔法だが、極めれば夜なら姿を消すことができる。

「ユウト君も寝ているかしら」

 レイシアは、ユウトの部屋の前に来て、明りが付いているか確認していた。

 明りは消えていて真っ暗になっていた。

「寝ているみたいね」

 ユウトが寝ていると判断したレイシアは口元を上げた。

「さーて、やりますか」

 レイシアは細い金属の棒を取り出して、ドアの鍵穴にその金属の棒を入れた。

 1分後、

「これを、こうしてっと」

 ガチャ

 鍵が開いた音がした。

「できた」

 レイシアの声色が明るくなる。

 レイシアはドアノブを回して、ゆっくりと音が出ないように開けた。

 そして、忍び足でユウトの部屋に入っていった。

 ユウトはぐっすり寝ていたのだが、鍵が開く音がしたので、飛び起きた。

 野営をよくしていた為、気配や物音に敏感なっている。

(こんな時間に誰が?)

 鍵をピッキングしてまでユウトの部屋に入ってくる人間がいないとユウトは思っている。

(帝国の兵士か?)

 ユウトはそう思ったが、すぐに否定した。

(ここまで、兵士が来る訳もない)

 ユウトの部屋は1番手前に位置しているが、このAクラスの寮は学園でも1番奥にあり、警備は万全な為、ここを襲うのは無知すぎる。

(なによりも気配だな)

 魔法を使っているのは確かなのだが、気配を消していない。

 そうなると、兵士でもなければ盗賊でもないということは確かだ。

 ということは、生徒がやっているのだろう。

 教師なら魔法を使わず、ノックをして起こすだろう。

(恨みや妬みでやるわけもないし、となると―)

 ユウトは結論を出して、布団にダミー用のクッションを入れて、そろりとベッドから抜け出し、侵入者が入ってくる前に入口の横に立っていつ入ってきても捕まえられる準備をした。

 ガチャ

 ドアが開いた。

(来た)

 姿は見えないが、確かにそこにいるのがわかる。

 その人はベッドの方に近づいて、行こうとしている。

「寝てる。寝てる」

 小さな声でその人は言う。

 布団が膨らんでいるのを見て寝ていると思ったのだろう。

 そして、その人は布団をめくった。

「あっ。あれ!?」

 そこにいると思っていたのに、ユウトがいないので驚いていた。

(今だ!!)

 ユウトは後ろから捕まえた。

「きゃああああ!!」

 かなり驚いたのか、捕まった人は悲鳴をあげた。

 部屋は防音になっているのだが、ユウトは隣の部屋に聞こえるのではないかと心配した。

(まあ。今は、とりあえずそれは置いておこう)

 ユウトは近くに有ったランプに明りをつけた。

 すると、明かりに照らされて、夜の闇に隠れていたレイシアが現れた。

「やっぱりか」

 ユウトはため息交じりに言う。

「ばれてた?」

「ああ」

 ユウトがそう言い、レイシアを放すと、

「夜這いしにきちゃった?」

 ユウトの方を見て可愛らしくウインクしながら言う。

「はぁ」

 ユウトは大きな声でため息をついた。

「何、ため息ついているの?こんな可愛い女の子が夜這いにきたのよ?」

「自分で可愛いというなよ」

 確かにレイシアは誰がどう見てもかなりの美少女だと思うような女の子だ。

「でも、可愛いでしょ?」

 前かがみになって胸を強調するポーズをした。

 そのおかげでユウトには豊満な胸と谷間が見えた。

(そんなポーズとるなよ)

 かなり恥ずかしかったが、

 ユウトは目を逸らしてもレイシアが喜ぶだけなのでユウトは顔を背けなかった。

「ユウト君。そんなにも見たいの?」

「そんなこと言ってレイシアは恥ずかしくないのか?」

 ユウトは訊いた。

「そ、そんなことないわ」

 少しだけ、レイシアの声が上ずっていた。

(なるほどな。やっぱり、恥ずかしいんだな)

 ユウトを誘惑する為にいろいろしているが、結局は十代の女の子なのだ。

 ユウトは2つのことに気が付いた。

 1つ目は、暗くてあまり見えていなかったが、レイシアの顔が赤く染まっていた。

 2つ目は、

「レイシア。そのネグリジェは?」

 レイシアのネグリジェが透けていて可愛らしい下着が見えていた。

「これはね。一定の明るさで透けるようになっているのよ」

 レイシアは着ているネグリジェについてユウトに説明した。

 簡単に説明すると、特殊な生地によって、月の光やランプ1つくらいの光で透けるようになっている。

(誰だよ。そんな生地を作った奴)

 ユウトは無駄な技術に呆れながら、

「で、夜這いしに来たって言ったけど、意味はわかるのか?」

「当然よ」

「そうか」

 ユウトは、わからないで言っていてくれた方が嬉しかったのだが、わかって言っているようだ。

「それで、ユウト君。どうする?」

(痛い目を見る前に、少し説教でもするか)

「俺が、別にいいって言ったらどうするんだ?」

「それは、責任取ってもらうだけよ」

(やっぱりそう答えるか)

 ユウトはレイシアの答えにがっかりした。

「じゃあ、責任取ってやるよ」

 ユウトはそう言い、レイシアを押し倒した。

「えっ!?ちょっとユウト君!?」

 予想外の行動をされて驚いている。

「どうした?」

「本当にするの!?」

「そっちが言いだしたんだろ?」

「そうだけど…」

 レイシアの身体が小刻みに震えていた。

 震えているということは怖がっているのだろう。

 それをユウトは見逃さなかった。

(やっぱり、覚悟ができていないか)

「で、どうする?」

「……」

 ユウトの問いにレイシアは答えなかった。

 ユウトはそんな姿を見て、今日何度目かわからないため息をついて、レイシアの額にデコピンをした。

「いたっ」

 レイシアが額をおさえる。

「冗談はおしまいだ」

「え?」

 ユウトはレイシアから身体を退いて、レイシアを起こした。

「レイシア、説教だ」

「え?」

 ユウトの説教がはじまった。


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