静かなる思い 3
ユウト達は来た道を通って帰っていた。
「ユウト。カシャを触らせてくれないか?」
「ああ。いいよ」
ユウトはスティアにカシャを渡した。
「カシャ、可愛いなぁ」
そう言い、カシャに頬ずりをした。
「ニャッ」
カシャは頬ずりされるのが嫌なのか前足でスティアの頬を押していた。
ユウトはそんな姿を微笑ましく見て、
「案外早く終わったな。みんな、帰ったら学園都市で昼食でも食べにいくか?」
と、提案してみた。
「いいわね」
レイシアはかなり乗り気のようだ。
「ユウト、あの店にいこうよ」
「フレイヤ、あの店ってローズガーデンか?」
「うん」
フレイヤは目をキラキラさせてユウトを見た。
「あれはケーキ屋だろ。ケーキじゃなくて昼食を食べようって言っているんだけど」
「いいじゃない。あたしはケーキを食べたいのよ!」
フレイヤが今までで1番の威圧感を出していた。
「わかったよ。昼食を食べたら行くか」
やれやれとユウトは首をすくませて言う。
「やったー」
フレイヤは嬉しそうにガッツポーズをする。
「ユウ君、フレイヤと一緒にあそこに行ったのですか?」
「ああ」
「私も今度2人きりで行きましょう」
リュッカが2人きりを強調して言う。
「ああ。今度行こうか。って、リュッカ、危ない!!」
ユウトはリュッカに向かって叫ぶ。
「え?」
だがリュッカはよくわからないという表情で立っていた。
バキッ
リュッカの立っていた地面が崩れた。
「リュッカ!!」
ユウトは落ちかけているリュッカの手を掴んだ。
「ユウ君」
リュッカを助けるために身体の半分、宙に浮かせていた為、ユウトは腕に力を入れることができず、引き上げることができない。
(まずいな。このままだと俺のいるところも崩れるよな)
ユウトはフレイヤ達に助けを求めるために目配せをしたが、フレイヤ達はおろおろしてユウトを助けられるような状態ではなかった。
パキッ
「ユウ君―」
「リュッカ、手を離せ。なんて言ったら怒るぞ」
リュッカは心配そうにユウトを見る。
(とは言ったものの、このままだと崩れて2人とも落ちるな)
このままだと2人とも下の川に落ちてしまうだろう。
「スティア!!地面を凍らせろ!!」
「う、うむ」
スティアが詠唱を始めたが、
バキッ
ユウトのいた地面も崩れた。
ユウトとリュッカは真っ逆さまに落ちていく。
「くっ」
ユウトは空中で体勢を変えてリュッカを抱きしめて自分が下になるようにした。
ザバンッ
(絶対離すもんか)
ユウトは左腕でリュッカを抱き、右手で白い魔剣を握り、川を流されていた。
岩に何回かぶつかり、ユウトは意識を失った。




