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足りない力3

「失礼します」

「ユウトよく来たね」

「僕に何か用ですか?」

「もちろんだ。君は昨日いなかったから、昨日話したことを話そうと思ってね」

「昨日何を話したのですか?」

「1ヶ月後に行われる対校戦についてだ」

「対校戦ですか。僕は出ないので、あまり関係ない話ですね」

「ほう。これを聞いてもか?」

「なんですか?」

「対校戦はチーム戦だ。この学園と共和国の学園で1チームずつが出て、勝った方のチームは世界樹に触れることができる」

 その一言はユウトを驚かせた。

「チームが世界樹を触れることができるというのは、チームの代表者が触れれるということですか?」

「いや、全員が触れることができる」

「1人の願いしか叶えれないのではないのですか?」

 世界樹で叶えれる人は年で1人だけそれがユウトの知っている情報。

「最近の調査でわかったことだが、多くの人の願いは叶えれないが7人くらいは叶えれるそうだ」

「調査ですか。どんな調査だったのですか?」

「いままでの叶えてきた願いを調べたそうだ。それで5年前つまりアレックスが魔王となったときに、世界樹はアレックスの願いと同時に他の者の願いを叶えていたそうだ」

「同時ですか」

「ああ。もう1人の願いはアレックスの魔力の消失だそうだ」

「ッ!!」

 ユウトの表情が驚愕の色に染まる。

「誰が願ったのですか?」

 ユウトは声を荒げる。

「君が興奮するのはわかるだが、まずは落ち着くんだ。落ち着かなければ正しい判断ができないぞ」

「ですが―」

「まだ、誰が願ったのかはわからない」

 ユウトの言葉を遮って、学園長は結論を言った。

「そうですか…」

 道が開けたと思ったら、また道が閉ざされた気分になった。

 でも、自分の力の消滅を願った者がいる。それは確かなことだ。

(一体誰が。なんのために…)

 自分に恨みを持つ者、それとも―。

「さあ。君はこれを聞いてどうするのかい?」

 そうだ。今は対校戦に出て勝たなければ、この子の為にも。

 ユウトは自分の魔剣を見た。

「学園長。対校戦に出る為にはどうしたらいいですか?」

「チーム同士で戦いに勝つ。もしくは依頼をこなす」

「Fクラスの僕じゃあ、依頼は報告しても駄目ですよね」

「そうだな。君が街でAランク以上の依頼を受けていても、学園は認めないだろう」

 この学園には、自分のクラス+1より高い依頼を受けてはならないという規則がある。

「ですよね」

「だが、君がAクラスに入れば全ての依頼の報告を受けることができる」

「Aクラスに編入ですか?」

「君ならできるだろう。今の君なら、な」

「……」

「最強のチームを作るか。1人で戦うか。君はどちらを選ぶ」

「まだ決められません」

「そうか。話はこれだけだから帰っていいぞ」

「わかりました」

 ユウトはそう言い、学園長室を出て行った。



 ユウトは校舎から出て、スティアが何を言おうとしていたのかを聞きに行く為にさっきの場所に向かった。

 途中、声をかけられた。

「ユウト」

「ん?」

 ユウトが振り向くと、フレイヤがいた。

「どうしたフレイヤ?」

「あのね」

 フレイヤが珍しくもじもじとしていた。

 もじもじしているだけでなかなか話さない。

「急いでいるわけじゃあないけど、用があるから早く言ってくれるとうれしいのだけど」

「言うわよ。あたしの―」

「ユウトさん。探しましたわ」

 フレイヤの言葉を遮って、エレナが話しかけてきた。

「エレナ。探したってどういうことだ?」

「それは、わたくしがあなたを―」

「ユウト、そこにいたのか」

 今度はスティアがエレナの言葉を遮ってきた。

「スティア。今から行こうと思っていたよ」

「そうか」

 ユウトがそう言うと、スティアは嬉しそうだった。

「それで、みんな、俺になんのようだ?」

 それぞれ顔を見合わせる。

 その様子を見てユウトは、

(全員、同じことを言いに来たのか?)

 そう考えた。

「……」

 誰も口を開かないのでしばらく沈黙が続いた。

 でも、その沈黙を破る者がすぐ来た。

「ユウト君~。私のチームに入って~」

 レイシアが言いながらこちらに向かって駆けてくる。

「チームか」

「そうチームよ」

 そう言いレイシアはユウトに抱きついた。

「「「!?」」」

 その様子を見た3人驚いていた。

「ユ、ユウト。どうして姫殿下と抱き合っているのだっ!?」

 スティアは声と肩を震わせながら言う。

「抱き合ってはいない。抱きつかれているだけだ」

「だとしても、どうしてあんたにお姫様が抱きついているのよ」

「私とユウト君は昔からの知り合いなのよ」

 ユウトが答える前に、レイシアが答えた。

「知り合いなのですか?」

 エレナはユウトに訊いた。

「あ、ああ」

「どこで出会ったのよ」

「それよりも、フレイヤ達の話を話してくれよ」

 出会った時の話はすることはできないからはぐらかした。

「誤魔化したわね。まあいいわ。あ、あんたをあたしのチームに入れてあげる。か、感謝しなさい」

 フレイヤが顔を赤くしながら言う。

「「「!?」」」

 それを聞いて、他の3人は驚く。

「私もユウトを私のチームに入ってもらおうかと」

「わたくしも」

「みんな、同じこと言いに来たのか」

「「「「……」」」」

 ゴゴゴゴゴゴ

 そんな音が聞こえてくるような威圧感が4人から出ている。

「な、なあ。みんな、チームのメンバーはどうなっているだ?」

 ユウトは少しでも威圧感を減らす為に話をそらした。

「まだいないわ」

「私もだ」

「わたくしも」

「私もよ」

「だったら、5人で組まないか?」

「「「「それは嫌」」」」

 4人は同時に言った。

「どうして嫌なんだ?」

「あたし達は、Aクラスのライバルなのよ。だからAクラス誰かの下につくのは無理なの」

「だったら、どうする?」

 ユウトは4人に訊いた。

「「「「……」」」」

 4人とも考えた。

「考えがないなら、俺が案を出そうか?」

「どんな案だ?」

「1つ勝負をして、それに勝った人のチームに俺が入るってことでどうだ?」

「「「「いいわ」」」」

 全員が同意した。

「それでユウト君。どんな勝負をするの?」

「鬼ごっこだな」

「鬼ごっこですか?」

 エレナはわからない様子だった。

 他の3人も同じ様子だった。

「鬼ごっこ知らないのか?」

「ええ」

 ユウトは簡単に鬼ごっこについて説明をした。

「鬼役の人が逃げている人を追いかけて捕まえるってことでいいのだな?」

「そうだな。それで、ルールとしてはカシャに触った人が勝ちで、カシャは俺の肩に乗せて置くから、妨害や攻撃もありだけど、カシャに攻撃するのは禁止ってことでいいか?」

「「「「いいわ」」」」

 4人とも同意した。

「面白いことしているじゃないですか」

 後ろから声をかけられた。

 見ると女の子が立っていた。

 髪は艶やかな青色で、瞳の色は髪と同じで、肌は雪のように白く、桃色の唇の女の子だ。

「生徒会長。今帰ってきたのか?」

「ええ。ユウト、私もその勝負に参加させてください」

「別にかまわないけど、俺達は賭けをしているぞ」

「わかっていますよ。それも含めて参加させてくださいと言っています」

「ルールは聞いていたよな」

「ええ。でも制限時間はないのですか?」

「つけようかと思ってたけど、みんなはどう?」

「グダグダやっても、しょうがないから、いいわ」

 フレイヤがそう言うと、他の3人も同意するように頷いた。

「時間切れになったらどうするの?」

「ユウトの勝ちということでどうでしょう?」

 レイシアの質問に生徒会長は答える。

「ユウトさんが勝ちましたらどうするの?」

「全員がユウトのチームに入るってどうでしょう?リーダーはユウトなのでAクラスの下につくわけではないので」

「一応、俺もAクラスに編入する予定なんだが」

 ユウトがそう言うと、生徒会長以外は驚いていた。

 でも1番驚いていたのはスティアだった。

「ユウト本当かっ!?」

「あ、ああ」

 興奮気味のスティアにユウトはちょっと引く。

「それよりも、みんなはそれでもいいのか?」

「いいですわ」

 以外にも、エレナが1番最初に口を開いた。

「私もいいぞ」

「私もユウト君と組みたいだけだからいいわ」

「フレイヤはどうだ?」

「あたしもいいわよ」

「んじゃあ。生徒会長は帰ってきたばかりだから、少し後でやるか?」

「そうですね。流石に休みたいです」

「午後3時くらいに第5演習場に集合でいいな?」

 全員が頷いた。


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