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足りない力1

 学園に合成魔獣が襲来して2日が経つ。

 表向きにはどこかの雇われた傭兵が放ったということになっている。

 ユウトは1日前から依頼をこなすために出掛けている。

 その間学園は学園を救った3人は王国から褒賞を貰うことになっていて、その褒賞を渡す為に王都から第3王女が学園に来るようだ。


 夕方、ユウトが小屋に帰ってきた。

 ガチャ

 ドアを開けると小屋の椅子に紫がかった藍色の髪で、ぱっちりとした瞳の色は黄昏色で、清楚そうな女の子が座っていた。

(天使みたいな子だな)

 そう思ってしまうような純粋そうな子だった。

「あっ」

 女の子と目が合った。

 女の子は優しく微笑み、

「ダーリン」

 バンッ

 ユウトは驚いてしまい、ドアを閉めた。

「誰だったんだ?」

 1回落ち着くために、スクワットをした。

「ふう」

 落ち着いたのでもう1度ドアを開けた。

 今度は女の子ドアの前まで来ていた。

 上目づかいで、

「おかえりなさい。ダーリン。私とノーマルなプレイにする?私とハードなプレイにする?それとも私とあ・お―」

 バンッ!!

 ユウトはもう1度ドアを閉めた。

 ユウトは女の子が何を言っていたのかわからなかったが、やばそうだったから閉めた。

「なんだよ」

 もう1度落ち着くためにスクワットをした。

「よし」

 ユウトはドアを開けた。

 ちゅっ

 女の子がキスをしてきた。

「んーー!!」

 ユウトは何が何だかわからない様子だった。

 女の子の特有の甘い香りでぼーっとしてしまい何も考えれなくなる。

「んっ…ちゅ…」

 女の子は楽しそうにキスをしている。

 女の子は舌をユウトの舌に絡めてくる。

 ユウトが離そうとするが、女の子が手でがっちり掴んでいるので離せない。

 それからしばらくしたら女の子が満足したのかユウトから唇を離した。

「ダーリンにファーストキスをあげちゃった」

 女の子は頬に手を置いて言う。

「あ、う」

 ユウトはまだ混乱していて、言葉を発することができない。

 パンッ

 ユウトは自分の頬を叩いて、落ち着くことにした。

「ふう」

 なんとか冷静になったので、訊かなければならないこと訊いた。

「君は―」

 ユウトの言葉を遮って、

「アレックス・フェルニティ」

 女の子はユウトを5年前の偽名で呼んだ。

 ユウトがアレックスだと知っている人はほとんどいないでもこの女の子はなぜか知っている。

 ユウトはいつでも戦えるよう構えて、

「君は誰だ?」

「私は―」

 女の子は話しながら自分の首についているペンダントをはずそうとする。

「あっ、あれ?」

 なんだか取れないようだ。

「だ、ダーリン取って?」

 上目づかいで言う。

 構えていたことが馬鹿らしくなったのでユウトは、

「取ってやるから後ろ向けよ」

「うん」

 女の子は髪を上げて首が見えるようにした。

「よしチェーンがはずれたぞ」

「ありがとうー」

 ユウトはチェーンの先を女の子に渡した。

「よいしょ」

 女の子は自分の豊満な胸に手を突っ込んでペンダントを探した。

 ユウトはその豊満な胸を見ないようにするが本能的にちらちら見てしまう。

「とれたわ」

 白い薔薇の紋章が彫ってある銀色のペンダントを見せてくる。

「それは王家の紋章。ってことは、君は―」

「そう王家の人間よ。私はレイシア・フィルニア。この国の第3王女よ」

 ユウトはすぐさま跪く。

「先程までのご無礼をお許しください」

 敬語で話す。

「顔を上げて。私はこの学園に入学したのだから敬語はやめて」

 この学園には学園内では貴族だろうが平民だろうが平等であるというルールがある。

「でも…」

「では命令です。私にえっちなことをしなさい」

「そこは敬語をやめなさいだろ!!」

 ユウトは思わずつっこんでしまった。

「ほら、敬語やめた」

 レイシアは微笑んだ。

「はぁ」

 ユウトはため息をついた。

「なあ、姫様は俺をなんでダーリンって呼ぶんだ?」

「私とあなたは婚約者よ」

「は?」

 全く意味がわからない様子だ。

「なんで婚約者なんだ?」

「ユウト君。あなたは魔法祭で優勝したでしょ?」

「そうだな」

 バレているので素直に答えた。

「その時にお父様が宣言したはずよ」

 ユウトは自分の記憶を探ったが全く思い出せない。

「憶えてないの?」

「ごめん」

「いいわ。でもあなたは私の婚約者なんだからね。それは憶えていてね」

「わかった。もう1つ訊いてもいいか?」

「いいわ」

「どうして俺がアレックスだとわかったんだ?今まで気づく人はほとんどいなかったのに」

「近くで見たからね。面影は残っているし、それに水晶であなたがエレナさんと戦っている試合も見たしね」

「水晶で見ただけわかるもんか」

「わかるよ。私の愛があればね」

「愛ねぇ」

 ユウトは半眼でレイシアを見た。

「むぅ。信じてない」

「まあね」

「むぅー」

 レイシアが頬を膨らませるのを見て、ユウトは苦笑いする。

「姫様、寮に戻らなくてもいいのか?」

「あっ」

 辺りはもう暗くなっていた。

「寮まで送ろうか?」

「大丈夫。寮まですぐだから」

 ユウトはレイシアがそう言うのだから送らないでおこうかと思ったが王女なんだから問題があったら、大変なことになるので送ることにした。

「送って行くよ」

「いいわ」

 レイシアは断ってくる。

「姫様、自分の立場を考えてくれよ。この学園も安全なわけじゃあないのだから」

 そう言いユウトはレイシアの手を取り、歩いた。


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