赤き爆炎と青き氷5
一方、そのころ。
フレイヤはリディスと戦っていた。
「はあああ」
リディスはハンマーをフレイヤに振り下ろす。
「遅いわ」
フレイヤは後ろにかわしながら、魔銃の引き金を引く。
赤い弾がリディスに向かって飛んでいく。
「甘い」
地面から土の壁ができて赤い弾を防ぐ。
赤い弾は土の壁にぶつかった途端、爆ぜて、爆発した。
砂埃が舞う。
「けほ、私の土の壁を一撃で破壊するなんて」
リディスが使った魔法は土属性の第1階梯魔法の〈土の壁〉で、名前の通り土の壁を作り出す魔法だ。
「そんな薄っぺらい壁なんか1発よ。あたしの魔法を防ぎたいならもっと厚い壁を出しなさい」
「言ってくれるわね。あなた、もう少し慎ましくしたらどう。その胸のように」
ブチッ!!
何かが切れる音がした。
「あんた、言ってはいけないこと言ったわ。もう謝っても絶対ゆるさないんだから!!」
フレイヤの赤い髪がフレイヤの魔力に反応して、うねり上がる。
「爆ぜなさい。爆炎の嵐」
白い弾が銃から出る。
白い弾はさっきの赤い弾とは違い、途中で炸裂して炎の渦が発生する。
炎の渦に触れたものは燃えるのではなく、爆発する。
「ちょ、ちょっとなにそれ、そんな魔法見たことないわよ」
リディスは驚愕の表情に染まっていたが、すぐに落ち着いて、魔法の準備をした。
「土の壁」
今度は土の壁を何重にも重ねた。
「そんなのじゃあ防げないわよ!!」
炎の渦が土の壁を飲み込み、全て爆発させた。
「きゃあああああああ」
リディアは爆発に巻き込まれたようだ。
「ふん」
フレイヤは自分の赤い髪をなびかせた。
「お疲れ様」
ユウトが自分の戦いを終えて、こっちに来たようだ。
「ユウトもお疲れ」
フレイヤがそう言うとユウトは肩をすぼめる。
「お疲れって言うほどなにもしてないんだけどね」
「エレナの時は魔力を使っていたみたいなのに今回は全く魔力を使わなかったけどどうやってスティアを倒したのよ」
フレイヤがそう言うとユウトは少し驚いた様子を見せる。
「へえ。魔力を使ったとかわかるんだ」
「あたしのことはいいから言いなさいよ」
「つぼを突いたんだよ」
ユウトがそう言うと、フレイヤは一体何を言っているんだという表情をする。
「つぼを簡単に言うと、そこを触ると身体にいろいろな効果が表れるっていう場所かな」
「そのつぼを突いてスティアをどうしたのよ」
「30分ほど気を失ってもらったよ」
「なんでそんなつぼ知っているのよ」
「昔、母さんに教えてもらったんだ」
ユウトは自分の母親との思い出を思い出した。
魔法を見せると言って、山中火事にしたり、その火を消火するために山ごと家を水没させたり、かくれんぼをしていたときユウトが岩陰に隠れていたら、岩ごと破壊して見つけるということをしてきた。
(今思うと、母さんって変わっていたよな)
「そうなんだ」
ユウトはフレイヤの頭に手を置いて撫ぜた。
「とりあえず、お疲れ」
「頭を撫ぜないでよ」
口ではそう言っているけど顔は嬉しそうだ。
「別にいいだろ?」
「よ、よくない」
フレイヤが顔を赤くして言うがユウトはスルーして、
「じゃあ、演習場から出ようか」
歩き出した。




