赤き爆炎と青き氷4
ユウト達は第4演習場前にいた。
この学園の演習場は8つある。
1から3までが特に何のギミックがない普通のフィールドで、4から8はいろいろギミックがある特殊フィールドだ。
第4演習場は森林フィールドになっていて演習場に入るとランダムにワープされてからスタートになるというフィールドだ。
「よし、お前達。演習場に入れ」
Aクラスの担当教諭が言う。
ユウト達は演習場に入った。
ユウトの周りを光が覆う。
光が収まるとユウトは森の中にいた。
『よし、お前達準備はいいな?』
どこからかAクラスの担当教諭の声が聞こえる。
『スペルバトル、ファイト!!』
その声と同時にユウトは駆けだした。
この戦いで重要になるのはチームメイトと早く合流することだ。
数分後、ユウトは人がいる気配を感じた。
(とりえず、行ってみるしかないよな)
茂みの間をユウトは体勢を低くして歩く。
そして、ユウトはその人物の背後をから近寄った。
「動かないで!!動くと撃つわよ」
どうやら向こうもユウトに気がついたようだ。
「姿を見せなさい!!」
ユウトは茂みから出て、近寄った。
「ユウトじゃないの」
銃を構えているフレイヤが言う。
「よう」
ユウトがそう言うとフレイヤは銃を下した。
「てっきり敵が来たかと思ったじゃないの」
「俺も敵だと思ったぜ」
「とりあえず確認だけど、フレイヤの魔法は火属性でいいんだよな?」
「え、ええ」
ユウトが魔法の話をしたらフレイヤの表情が曇った。
(魔法についてなにかあるのか?)
人の魔法についてあまり深く聞くのはどうだろうかと思ったので更には聞かなかった。
「あんたの策はないの?」
「策?ないぜ」
「はあ?あんた、魔法が使えないのに何も考えずにスティアに決闘を申し込んだの?」
フレイヤが呆れた顔で見てくる。
「だって、1人でやるつもりだったんだからさあ。フレイヤが参加するって思わなかったんだよ」
「う」
フレイヤは痛いところを突かれたという顔をする。
「だ、だって、チャンスだと思ったんだもん」
フレイヤが顔を赤くして必死に言う姿を見て可愛いなと思った。
「まあ、作戦がなくても大丈夫だろ」
「そうよね。あんたはエレナを倒したんだもんね」
期待しているような顔でフレイヤが言う。
そんな期待された表情をされたら困るとユウトは思った。
「期待しているところ悪いんだけど、この試合でこの魔剣使えないんだよね」
ユウトがそう言うとフレイヤは一瞬なにを言っているのかわからないって表情になった。
「使えないってどういうことよ!」
「相棒の機嫌をそこねてしまったんだよ」
ユウトがそう言うとフレイヤはハッとした表情をした。
「まさかそれ意思がある魔装具なの!?」
「ああ。意思のある魔装具のこと知っているんだ」
「ええ。私のこれもそうだってお父さんが言っていたから」
フレイヤは赤い線の入った銃を見せてきた。
「その魔装具、フレイヤは使えるんだよな?」
「ええ。この魔銃が私を選んだのよ」
「そうなんだ。フレイヤはその銃の意思がわかるのか?」
「ううん。私が未熟だからわからないの」
ユウトはこちらに近づいてくる2人の気配を感じた。
「話はそろそろ終わりだな」
「来るのね」
「ああ」
ユウトとフレイヤはいつでも戦えるように準備した。
茂みからスティアとリディスが出てきた。
「やっほー。さっきぶりだね」
リディスはこちらに手を振る。
「フレイヤいけるな?」
「ええ」
ユウトは手短にフレイヤに確認した。
「先にスティアをやるぞ」
「わかったわ」
そう言いユウトとフレイヤは駆けだした。
「あいさつくらいあってもいいんじゃないかな」
レディスはオレンジ色のハンマー型の魔装具を出した。
それと共にスティアは青い弓型の魔装具を出した。
リディスは先行していたユウトを無視してフレイヤを狙った。
「俺は無視かよ」
「君は委員長が相手をするから」
「そうかよ。フレイヤ任せるぞ」
「ええ。任せなさい」
リディスはハンマーを大きく振りかぶった。
ドンッ!!
地面が揺れた。
「うおっと」
地面の揺れ具合からリディスの魔法の属性は土だと判断した。
ユウトは振り向かずにまっすぐスティアに向かった。
スティアは氷の矢をユウトに向かって放った。
ユウトはそれを完璧にかわしながら駆ける。
「くっ」
スティアはさらに早く撃つ。
氷の矢が大量にユウトを襲う。
スティアの腕がいいためできる技だ。
だがユウトも戦闘になれているため矢がかわせないわけではない。
ユウトは木を蹴り、飛んだ。木々を蹴りジグザグに渡っていく。
スティアは矢で狙うのは止めて、ショートソードを抜いた。
弓の魔装具を使う魔法使いはほとんどがサブ武器として接近武器を持っている。
「はああ!!」
近づいたユウトにショートソードを振りかぶった。
スティアは剣の方も研ぎ澄まされており、その辺の魔剣を使う魔法使いより太刀筋が綺麗で鋭かった。
(速い、でも…)
ユウトはショートソードの腹を左手で押して受け流し、空いている右手でスティアの首に触れた。
「あっ」
スティアは思わず声を出してしまう。
スティアの腕に力が入らなくなったのかショートソードを落とす。そしてそのままスティアは意識を失った。




