赤き爆炎と青き氷2
ユウトが目を覚ますと、さっきの少女が服を着てユウトに向かって銃を突きつけていた。
「やっと、目を覚ましたわね」
「いっつ」
ユウトが身体を起こそうとしたら背中が痛んだ。
どうやら爆風で飛ばされて地面に背中を打ちつけたようだ。
「あたしに感謝しなさいよね。あんたを殺さないように手加減してあげたんだから」
「それはどうも。ついでに治療までしてくれたら最高だったのに」
「だまりなさい。変態!!」
ユウトが皮肉を込めて言うと、少女がさらに銃を突きつけてくる。
「落ち着け!!とりあえず話し合おう。な。」
そうユウトが言うと少女は銃を下した。
「で、なんで君はあそこで水浴びしていたんだ?」
「今朝はちょっと暑かったでしょ。だから水浴びをしようと思って」
「だったら、シャワーを浴びればいいだろ」
「だって、今お風呂入れないし」
「演習場のだったら使えるだろ?」
少女はそっぽを向き、口を尖らせた。
「だって演習場遠いんだもん」
「だからって湖で水浴びするなよ。この学校女子の割合が高いけど一応共学だぞ。何かあったらどうするつもりなんだ?」
「何も起こらないようにするために人がこないここに来たんでしょうが」
「だけど俺はきただろ。君は可愛いのだから用心しないとだめだぞ」
そうユウトがなにげなく言うと少女は顔を赤く染める。
「か、可愛いって」
少女の反応を見ていると妹のことを思い出してしまう。
「そうだ。可愛いんだから気をつけないとだめだぞ」
ユウトは自分が妹にしたように少女の頭を撫でる。
「うん」
少女が頭に撫でられると、のどを撫でられた猫のようにおとなしくなった。
と思ったらまた怒りだした。
「って、あたしはそんなことでだまされないんだから」
「だまされていればよかったのに」
「責任取りなさいよ。責任」
少女はぷんぷん怒っている。
「責任って言ったってな。あれは事故だからな」
「でも!!」
しつこいのでユウトは軽い悪戯をすることにした。
「じゃあ、どうやって責任とればいいんだ?」
「え、えーと…」
ユウトは少女にぐっと近づいた。
「ほら、早く言えよ」
ユウトの顔と少女の顔の距離は息が届くくらいまで近かった。
そのせいで少女の顔は真っ赤になった。
「う…うう」
ユウトはその様子を見て、
(そろそろやめるか)
「じゃあ、俺が君に好きなものを奢るで、どうかな?」
「う、うん」
まだ少女はもじもじしている。
(なんか可愛いな)
「君も知っていると思うけど、俺の名前はユウトだ。君は?」
「ふ、フレイヤよ」
「女神と同じ名前か」
「なによ。あたしには似合わないって?」
「いや、似合っているよ。正直、君が湖で水浴びしているとき女神が水浴びしているのかと思ったくらいだよ」
「ふぇ」
フレイヤは可愛らしい声を出す。
「それで、君は何が食べたい?」
「ケーキ」
「了解。じゃあ休日に街に行って食べようか」
ユウトは小指を差し出した。
「え?」
「これは母さんの国で約束をするときにやる、まじないらしいよ。効果は約束を破らないようにするものらしい」
「そうなんだ」
フレイヤはそう言いユウトの小指に自分の小指を引っ掛けた。
「じゃあ、俺はそろそろ行くぞ」
「うん。約束守りなさいよ」
「わかってる」
ユウトは走り出した。




