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「そっか。笑ったの久しぶり。」
「そうなのか?沈んだ顔してると運がなくなるからな。笑ってろ。」
「うん。そうだね。」
僕は、できるだけ笑顔をつくって答えた。でも、僕はこのまま真実を知らずに生きていて良いのだろうか?そう考えた僕は山野さんに真剣な顔で言った。
「でも、僕諦めないですから。両親の事。確かに山野さんの言う事は正しいです。両親からしたら僕が自分達の事で死んでしまったなんて嫌でしょう。しかし、僕は本当の事が知りたい。ここで調べることを止めて一生を終えるとしたら僕には『後悔』という文字しか残らないんです。それなら僕は、殺されてでも真実に近づいて死にたい。」
山野さんは何も言わなかった。しばらくの沈黙があり、山野さんは口を開いた。
「分かった。お前には、ちゃんとした覚悟があるんだな。」
「はい。」
「じゃあ、教えてやろう。この話はな、俺がまだ社会人になったばかりである雑誌の編集社に入社したときの話だ。」
「あの、その会社って・・・」
「その通り。俺達が今いるこの編集社だ。今はこの有様だがな。」
山野さんは笑いながら答えた。
「俺はこの会社の事件などについて報道する部署にいて事件の事について調べていた記者と同期だったんだ・・・