5-accessories-
すいませんでした。
最近、てか、4月位から親が五月蝿くてパソコン自体開けませんでした。
今は、親がいないので書けてますが・・・
僕はこの記事の『ネックレス』という部分に目を向けた。
確かに、両親が肌身離さず持っていたネックレスは首から引きちぎられてなくなっていた。やはり何かあるのだろうか。
色々考えた末僕は、この記者が勤めていた編集社に行ってみることにした。
僕はネットに載っていた住所を元に編集社へと歩いていった。幸い編集社は近所だったようであまり迷わずにそこへ辿り着いた。
「・・・。ないじゃん。」
僕はそう声を漏らし、がっかりした。目の前にあったのは、寂れて人も寄りつかなそうなビルだった。中にも入ってみたが人は誰一人いなかった。
「やっぱそうだよね。こんなところに人なんているわけないか。」
家へ戻ろうと僕は踵を返した。
「こんなところに人が来るなんて、珍しい事もあるな。」
突然後ろから声がしたので僕はつい声をあげた。そして僕は不機嫌そうな顔をしながら後ろを振り返った。そこには、40前後の人がいた。
「まぁ、そんなに睨むな。かっこいい顔が台無しだ。」
「あなた、誰ですか?何処からでてきたんですか?」
男は、苦笑いをしながら答えた。
「君、顔がこわいよ。もっと笑ってよ。で、俺は記者の山野、山野亮だ。よろしく。」
「よろしくお願いします。山野さん」
「あぁ。そういえば君、なんでこんなところに?」
「調べてたんです。11年前の惨殺事件について」
すると、山野さん少し驚いたような顔をした。
「どうしてそんなに前の、それにあの惨殺事件を?」
「殺されたの、僕の両親なんですよ。今まで、事件の真相を知りたくて調べていました。」
「そうだったのか。君の両親が・・・。だが、あの事件の真相に近づくのは止めた方がいい。」
山野さんは深刻な表情をして言った。
「何故ですか?」
「ここは、あの惨殺事件の記事を書いていた記者が勤務していた会社だ。君も此処にいるという事は、あの記者の記事をみたんだろ?」
「『きみも』ってどういう事ですか?まさか山野さんも」
「そうだ。この事件について調べてる。」
「じゃあ・・・。じゃあなんで、止めろなんて言うんですか?山野さんも調べてるじゃないですか!なのに、どうして・・・。」
「危険なんだよ。いままでこの事件に関わった何人の人間が死んでると思ってる!皆、君の両親のように肉を切り裂かれ、原型も留めないような無残な姿で亡くなっているんだ!お前が真実に近づけば近づく程そうなる危険性が高くなるんだよ。」
「僕はそれでもいい!真相が知りたいんだ!」
「馬鹿か、お前は。お前はそれでもいいかもしれない。だが、お前の両親はどうなる!自分達のために息子が殺されて喜ぶとでも思ってんのか?思ってるならそれは違うと思うぞ。お前の両親はお前に少しでも長く生きてもらいたいんじゃないか?」
瞬間に僕の目から一滴の雫がこぼれた。僕は、自分の欲求ばかりを優先して考えたことがなかったのかもしれない。いや。考える事を避けていた。人の気持ち。僕は、人の気持ちといえば悪いものしか知らない。可哀想だとか災難だったとか上からものを言われるのがとてもいやだった。でも、人の気持ちはそれだけじゃないんだ。
「そっか。そ、そうだよね。子供の幸せを願わない親なんてそうそういないよね。」
「お、おい。泣くなよ。俺が泣かせたみたいだろ。」
「あはは。いまのは、完全に山野さんのせいだね。」
「えっ!?」
山野さんがとても驚いている。
「おい、お前・・・」
「なに?」
「今、初めて笑ったぞ!!」
「え、ほんと?」
「あぁ。笑ってた。」
そっか、笑ってたんだ。僕が最後に笑ったのっていつだっただろう。そうだ、二人が殺された日の朝だ。いつも通り家族みんなでご飯を食べて、楽しく喋って『いってきまーす』と笑顔で学校にいったんだ。それが最後だ。それが・・・