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両親が殺された事件から早、11年。僕は16歳、高校生になった。
事件のせいもあり、小・中ともに塞ぎこんでいた僕には全くと言っていいほど友達がいなかった。
もう、友達なんて出来ないんじゃないかとも思ったりする。
人が信じられない。別に裏切られたりしたわけじゃない。
だけど、心のどこかで人を拒絶してしまう。それも全て、事件が原因なのだろうか?
そんなことを考えながら、僕は高校から自宅を目指す。
「あれ?こんな所あったかな?」
僕が見つけたのは、一つの大きな洋館だった。
一見、人は住んでいない空家のようだ。
だが、二階の窓が開いていてそこから部屋を覗き込むと中は古く難しそうな本や、新聞の切り抜きなどがあるようだった。
中が気になった僕は玄関のベルを鳴らした。大きな洋館にベルの音が鳴り響く。
返事は無い。僕は洋館のドアに手をかけた。
ギィ-
ドアが不快な音を出してゆっくりと開いた。
その瞬間、僕の鼻をかび臭いにおいがツンとつついた。
僕はそんなことも気にせず本のある部屋へと急いだ。
今にも崩れそうな階段を駆け上がり部屋へ向かう。
僕はその部屋に着くなり一枚の新聞の切り抜きを手に取った