表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/6

第三話:光の日3日目

朝の光は昨日よりさらに強く、世界をぎらぎらと輝かせている。

ぼくは目を覚ますと、体が自然に緊張する。今日は光の日の最終日。人間たちはもっと慌ただしく、声も大きく、匂いも濃い。ぼくの鼻は刺激に溢れ、耳は微かな足音も逃さない。

キッチンからは食べ物の香りが立ち上り、流れるように家中に広がる。

人間の動きが活発になると、家具の影や床の反射が生き物のように変わる。

ぼくは慎重に歩く。距離を取りながらも、好奇心が胸をくすぐる。光の日は、遊ぶにも、観察するにも、緊張感が必要だ。


そんなとき、人間の一人がひょいと手を差し出した。

「ニコ、大丈夫?」

ぼくは一瞬ためらったけれど、そっと体を手に寄せる。

人間の温もりが、慌ただしい世界の中でほっとする瞬間をくれる。

膝に乗せてもらい、指先で背中を撫でられると、光の日の刺激が少しやわらぐ。

忙しい日常の中で、触れ合いは唯一の安らぎだ。


膝から降りると、再び家中を観察する。人間の笑い声、物を置く音、椅子のきしむ音…

すべてが今日の世界を形作る。

ぼくはテーブルの下でじっと見守る。時々、尻尾を揺らしながら、彼らの動きを追う。

光の日は楽しい。けれど、同時に疲れる。

それでも、この光のリズムに身を委ね、体と心で世界を感じるのが、ぼくのやり方なのだ。

窓の外の光が傾き始める。

今日の光の日も、もうすぐ終わる。

明日からは影の日が始まる。静けさと眠りの時間がやってくる。

ぼくは少し安心し、少し期待する。光の日を乗り越えた猫の体は、影の日に向けて準備を始めるのだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ