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第二話:光の日2日目
目が覚めると、昨日より光が強い。
ぼくの鼻は昨日と同じ匂いを辿りながらも、今日は少し違うものを嗅ぎ取る。カーテンの隙間から入る日の匂い、床にこぼれた微かな食べ物の匂い、人間の体温と混ざった香りの層。
世界は、匂いで形を変えるのだと、ぼくは思う。
ぼくは歩く。軽やかに、でも慎重に。床の冷たさ、椅子の脚の影、カーテンの揺れ。すべてが冒険の対象だ。光の日は、人間が動き、音を立て、世界を色で塗り替える日だ。だから、ぼくも動かなければ。
人間の一人が歩いてきた。足音のリズムに合わせて、ぼくは距離を調節する。近すぎず、遠すぎず。観察するには、このくらいがちょうどいい。
彼の手が空気をかき分けると、微かな風がぼくの毛を揺らす。光の日は、こうして体感の連続だ。匂いと音と風。すべてが混ざり合って、ぼくに世界を教える。
窓の外を見る。太陽の光は昨日より強く、庭の草を黄金色に染めている。ぼくはジャンプして、窓辺に座る。光が毛を温め、心を少し弾ませる。
今日もまた、光の日のリズムの中で、ぼくは世界の一部として存在するのだ。




